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ポール・ボキューズさんを偲んで①

「世紀の料理人 ポール・ボキューズ」氏が亡くなりました。
私は勝手に"ポール・ボキューズ"という人物はずっとあのコロンジュ=オー=モンドール
のレストランに行けばお会いできるのだという気持ちを持っていました。
そんなわけはないのにそのような印象を常に持っていたのです。

私は辻調グループフランス校に勤務していた時期に何度も
ご本人にお会いする機会を得ました。
そして、ご自分の半生を綴った『リヨンの料理人』(晶文社)の
翻訳もさせていただきました。

ボキューズ氏はフランス校を定期的に料理講習のために訪れていました。
その前日、その朝、どれほど悪天候であっても、ボキューズ氏が
シャトーに到着するころには毎回青空が広がった、という
摩訶不思議な現象も記憶に鮮やかに残っています。
まるで冗談のような話ですが本当です。
そんな青空の下で学生たちと撮った集合写真が
何人もの卒業生たちの手元に残っていることでしょう。

レストランにも何度が行かせていただきました。
その度に目にした光景。すべてにおいて完璧なサービスが続き、
デザートがサービスされる頃には客席にやって来て、どんなお客様にも同じように、
親しげに話されるボキューズ氏の姿です。
相手がフランス語を理解しようがしまいが、フランス語で話しかけていました。
きっとどの国からやってきたお客様もボキューズ氏の言葉は
理解できたにちがいありません。
料理人が厨房から出て、客席に赴く。これもボキューズ氏が定着させたことです。
相手が一国の大統領であれ、自分のレストランでは白衣で相対する姿勢も含め、
料理人の地位の向上に大きな影響力を与えました。

そして、その人柄。温かく、いつもユーモアたっぷりで、少し皮肉屋。
一度お会いすると記憶に鮮明に残る人物でした。
ボキューズ氏が提供する料理もまた忘れることのできないものでした。
決して最先端ではない、むしろクラッシックとでも言える料理の数々。
それは自らの師であるフェルナン・ポワン氏の料理をボキューズ氏なりに
引き継いでいるということだったのでしょう。

「感動のない料理は記憶から消えていくしかない」
ボキューズ氏が生前よく仰っていたフレーズだそうです。
ソーヌ河沿いにある「レストラン ポール・ボキューズ」では
感動のない料理は決して提供していませんでした。
店に到着して、店から出るときまでずっと温かな気持ちに
包まれていたことはまちがいありません。

あるフランス校の卒業生が今回の悲報に際して連絡をくれました。
そこにはこう書かれていました。
「私にとっては永遠の1番の三つ星レストランです」と。
シンプルだけど深い言葉です。本当にそのとおりです。

生前、レストランのスタッフたちや様々な料理人はボキューズ氏のことを
信愛と尊敬をこめて"Monsieur Paul"と呼んでいました。
私は"Monsieur Bocuse"としかお呼びしたことはありませんが、
最後に呼ばせていただきます。
さようなら"Monsieur Paul"。ありがとうございました。

辻調理師専門学校  須山泰秀

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