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辻調理師専門学校

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1年間の学びの成果「松花堂弁当が作れるようになりました!」~日本料理だけを学ぶ「日本料理学科」ブログ28~

日本料理クリエイティブ経営学科
日本料理本科

2022.03.10

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2021年4月に日本料理本科(1年制)日本料理クリエイティブ経営学科(2年制)が
辻調理師専門学校の日本料理学科として開校しました。

この2つの学科では日本料理の会席料理を中心に学びます。

昨年の4月、ほとんど包丁も触ったことのなかった学生が日本料理に興味を持って入学してきました。
授業の初日、学生には「1年後には全員、松花堂弁当が作れるようになっているからね!」と1年間の学習目標を掲げました。
これまでのブログで紹介してきましたが、1年間、基本となる野菜の切り方が正確、スピーディーにできる。
鯛、鯵をはじめ鱧、穴子など特殊な魚も卸せるようになりました。
そのほか、専門料理と言われる「すし」「天ぷら」も数多くの実習時間を経て
「にぎり寿司が提供できる」「天ぷらが提供できる」レベルまで成長しました。

今日は松花堂弁当が作れるようなった姿をご覧いただきます!


入学したての学生から質問されました
「先生!弁当が作れることがそんなにすごいことなのですか?」
料理人でもないボクのママも毎日弁当つくってくれていましたよ!

ママの作る弁当とは少しちがうなぁ *愛情には勝てませんが(笑)
松花堂弁当の形状は正方形に+の仕切りがあり4つに分けられていますがこの形状をうまく利用して
熱い料理と冷たい料理、常温で美味しい料理と盛り付ける、それぞれの料理にふさわしい温度帯に仕上げるのです。
美味しいことは勿論のこと盛り付けも美しく仕上げなければプロとは言えませんよ。


盛り付けるとこうなります。
もうすぐ訪れる春をテーマに旬の食材を主に1年間の学びが凝縮された弁当となります。
実は先週、本科授業は終了しており、1年で卒業する日本料理本科生の保護者を対象とした食事会が3月5,6日開かれます。
今日はその日のための予行演習日となります。


では準備開始~!料理の決め手はだし汁です!だしの引き方は何度も繰り返し実習してきました。
だしが濁らないように削り節は鍋に残すようにそぉっと~漉します。
う~んいい香り!


このかわいい魚、知っていますか?白魚です!春を告げる魚と言われています。
これが現物サイズと思ってください。値段はなんと100gで1,000円もします。
値段は高いが味もサイコーな魚です。




白魚に小麦粉、卵白、そして砕いたおかきを順番につけて1尾ずつ揚げます!
これは吸物にトッピングされます。



薄く皮をむいて油で揚げた茄子。皮を薄くむくには包丁技術が必要です。
エメラルドグリーンに輝いております。
この後、豆腐をベースにした胡麻クリームと混ぜて完成!しっかりすり混ぜろ!
ゴシゴシ...


これは学生がメニュー考案した「キャベツ饅頭」です。
キャベツは日本料理ではあまり使わない食材です。
「そのためキャベツは日本料理には使えません」という固定観念は捨ててキャベツの特徴「水分が多くて甘い」を生かした一品です。
今までにない日本料理の煮物となりました。先生にもとても高評価です(笑)


春野菜の菜種です。特徴は少し苦みがあるので辛子を利かせた合わせだしで味付けすると美味!


これは鰆です。もう先生の指導がなくても御覧の通りきれいに卸せます。



鰆は酒、味醂、醤油で合わせたタレに漬け込み下味をつけています。
串を打って焼くことも十分練習してきました。まかせたよ!



こちらも学生が考案したメニューです!
鶏ひき肉に小さく切った蓮根、黄ニラなどを混ぜて生地を作り、桂むきしたじゃが芋で巻きます。
すべて同じ大きさに仕上がっているのが素晴らしい。あとは寸前に揚げれば完成。



最後にもう一品学生が考案したメニューを紹介します「エンダイブのきんぴら」です。
エンダイブとは一般的にはサラダとして生食する野菜です。しかも日本料理ではほとんど使われません。
これまでの授業の中で固定観念にとらわれることなく日本料理ではなじみの少ない食材でも、
その特徴を見極めれば日本料理でも使えるという発想を学びました。

人参、蓮根、こんにゃく、大豆を炒めて味付け!シャキシャキ感を生かすために最後にエンダイブを投入!
ジュ~と絡めて完成。常温より少し高い目の温度帯がうまい!それに合わせて盛り付け開始。


全て同じボリュームになるように一つひとつ計量、20gで統一!


料理も続々と完成してきました。
これは人参、椎茸、インゲン豆、ゆり根が入った玉子焼きです。カラフルでキレイ!


これは会席料理に置き換えると「前菜」と呼ばれるひと口で食べられる酒の肴的料理です。
すべての料理、色、形、味付け、食感に違いがあり盛り合わせるとビューティフルな盛り付けとなるのです。
スムーズに盛り付けできるように並べています。



並行して穴子の棒寿司を巻いています。
学んできたのは、にぎり寿司だけではありません。
棒寿司もできるようになります!


具材の乗った寿司は、形を崩さず切りだす技術が必要です。 スパッとキレイに切れていますよ(笑)


寿司は常温で提供するのがベスト!そのため事前に盛り付けておくことができます。



今回すしは鮪の鉄火巻き、しんこ巻きを作ります。複数の学生ですべて同じ太さに巻くことが目標です。
大丈夫、全員出来ます。ほら見てください(笑)


料理もほぼ完成、あとは盛り付けと寸前に仕上げて熱く提供する料理を仕上げるのみ。
先生からひと言「盛り忘れが無いようにお互い確認しながら盛り付けてね!」ハイ!


盛り付ける姿勢、箸を使う手つきもプロになりました。写真でもわかります。


仕上げる手順は常温で良い料理から盛り付けていき、最後は温かく食べてほしい料理を寸前に仕上げて盛り付ける! 
ふたしてすぐにダッシュ(走り出すさま)


今日は予行演習のため客役は学生が努めます。お茶をどうぞ


入室した学生の順番に一人ずつ提供されます。


盛り付け、味は勿論のことふさわしい温度帯で提供されているかもチエック!


並行してぜひとも熱々で提供したい吸物の盛り付けから仕上げです。
卵豆腐の上には白魚のおかき揚げ、木の芽が盛られています。


塩と薄口醤油少量で味付けされただし汁をはり、ふたをしてすぐにダッシュ(走り出すさま)ダッシュ(走り出すさま)


「吸物をお持ちいたしました、お熱いのでご注意ください。」
ふたを外せば木の芽のいい香り~! 金箔をちらして高級感がでていますね。



こちらもぜひ熱々を提供したい「天ぷら」です。海老とサツマイモを客前で揚げて演出します。
油の香ばしさが食欲をそそります。油がジュ~ジュ~言っています(笑)


揚げたてをすぐに提供、本番では保護者に食べていただきますが
天ぷらほどシンプルで誰もが食べたことがある料理だからこそ、きっと違いに気が付いていただけると思います。


熱々の天ぷらを食べることで他の料理との温度差が感じられより美味しく感じられるのです。
それにしても試食する顔が真剣です。一つ後ろの学生はもっと真剣な表情だ(笑)


早いもので入学して1年が経ちました。
これまで数々の失敗を重ねながら学び、松花堂弁当が作れるまでに成長しました。
保護者食事会では感謝を込めて作ってくれることでしょう。
そして君のように美味しそうに松花弁当を食べる保護者の姿が目に浮かびます(笑)
1年間お疲れ様でした。


~プロフィール~
辻調理師専門学校 日本料理
小川 健
香川県出身。
私は今から35年前に辻調理師専門学校を卒業しました。
その当時と今も日本料理の基本は変わっていません!
揺るぎない基本をしっかり学ぶことが技術と知識を向上させる近道です。
日本料理に興味のある人、興味はあるけど自信のない人も大丈夫!
日本料理本科、日本料理クリエイティブ経営学科では
「難しいことが簡単にできるようになる」授業内容になっています。
どんな授業だ?これからも授業の様子はブログで紹介していきますよ!ご覧ください。