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辻調グループ フランス校

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上野 輝さん 研修先:Patisserie KAMM

研修生レポート

2015.05.28

上野 輝 UENO Hikaru
[エコール 辻 大阪] 辻製菓マスターカレッジ フランス校留学コース卒業
2014年秋コース レクレール校 製菓研究課程
研修先:Patisserie KAMM

  

僕の研修先はアルザスAlsace地方はセレスタSelestatという町の「パティスリー・カムKAMM」というところです。
1950年にマチュMathieuシェフのおじいさんがダンバックDambach-la-villeという小さな町で第1店舗を開店し、1981年にお父さんがセレスタに第2店舗を構え、どんどんお店を拡大し、現在で三代目に至る、親子代々受け継がれる老舗パティスリーです。2店舗目開店時には7人しかいなかった従業員が、今では27人。その中の1人として働いています。小さな町の中心に位置するパティスリーで、サロン・ド・テも併設しています。お菓子はもちろん、トレトゥール(惣菜)、ヴィエノワズリー、ショコラ、グラス(アイスクリーム)などがあり地元の人に愛されるお店です。

  

 

  

最初は惣菜や生地などを作るトレトゥール部門の仕事を手伝いました。クロワッサンやフイユタージュの折り込みや、成形などが主な仕事です。またお菓子のフィニション(仕上げ)も任されていて、フランボワーズタルトは僕が毎朝作っています。
マチュシェフは、仕事中は厳しいですが私生活では本当に優しい方です。シェフの作るケーキは独創性に優れ、見た目も美しく、味が繊細でとても美味しいです。また日本でも働いていた事があるので、結構日本語を話してくれます。シェフの奥様が日本人の方で、その方にも公私共々ものすごくお世話になっています。

  

 

   

パティスリー・カムでは僕が初めての日本人研修生ということもあり、同僚の方々とコミュニケーションをとることが最初は難しかったですが、今ではいじってもらえるようになりました。
特にトレトゥールで一緒に仕事をしているマキシムとルノーと親しくなり今では友達のような存在です。休憩中は冗談を言い合って楽しい時間を過ごしていますが、仕事では頼りになる先輩達です。

  

 

  

セレスタは小さな街ですがアルザスらしさがいっぱいあり歩いていて退屈しません。中心街に行けばある程度なんでも揃うので不自由なく暮らしています。
休みの日にはよくストラスブールやコルマール、ミュールーズなど、アルザスの名所にシャトーの時の友達と食べ歩きにいきプライベートの時間も充実しています。

  

 

  

住んでいるところはアパートの三階ですがすごく快適です。同じシャトーの出身の研修生と2人で住んでいますが、部屋は別れているので1人の時間もつくれます。キッチンが特に充実しているので料理が気軽にできるのが嬉しいです。またバスタブがあるので、休日前の夜はゆっくりお風呂に浸かって体を癒しています。

  

 

  

ラボではとにかく仕事に対する速さが勉強になっています。
学校の実習では考えられないスピードで皆仕事をしているので、ついていくので必死です。またラボが常に清潔です。毎日全員で掃除をし、さらに毎週土曜日は仕事終わりに大掃除をします。
今の目標はシェフのお父さん。最初は彼に付きっ切りで仕事を手伝っていました。いま任されているフランボワーズのタルトもそうですし、小さなパンの上にハムやエビなどをのせてきれいに飾るトーストの仕事も教えていただきました。細かい作業でも速くきれいにつくるところや、厳しくも愛情のある教え方をしてくださるところ、そしてみんなから頼られる存在であるところが僕の理想のパティシエです。日本に帰っても彼のように仕事をしていきたいです。

  

 

  


研修に出たら、「次はこれをしようか」なんて事は言ってくれません。初めは自ら「次は何をすればいい?」「その次は?」と積極的にならなければ仕事が貰えないので、毎日言っていました。
研修に出てすぐに、フランスでは主張しないと生きていけないということがわかりました。性格が内気な人(僕もです)も頑張って自分からコミュニケーションを取りにいきましょう。
もちろんフランス語がどうしても聞き取れない時もあるので、そういう時は、自分が作るなら次はどんな器具が必要でそれがどこにあるのか、を常に考えながら仕事をするようにしています。
フランス校に居る時はフランス語もそれなりに聞き取れるだろうと思っていましたが、出勤初日にその考えは砕かれました。1週目は初めて現場で働く緊張と、フランス語が聞き取れない不甲斐なさにかなり落ち込みましたが、逆に開き直って拙いフランス語でもたくさん話すように心掛けました。すると段々と耳が慣れてきてフランス語が聞き取れるようになってきました。
これからも、もっともっと同僚のフランス人と仲良くなってフランスの文化、フランス人の考え方を学びたいと思います。もっと色んな仕事を貰えるように語学も頑張ります。
この貴重なフランス生活をもっと有意義なものにするために!!!