La tête de lard（ラテットドラール）

フランス校食べ歩き日記

2019.04.15

前回の「食べ歩き日記」の記事に続き、今回もリヨン名物「Bouchon(ブション)」を提供するお店の紹介です。

とあるリヨンの評判の良いブションのレストラン、ミシュランガイドに掲載されていることもあってか、いつ予約を試みても満席。ある日電話で予約を試みるもやっぱり満席でした。そのレストランのご主人が「うちはいっぱいだけど、このレストランなら間違いない。おすすめ」と教えてくれたレストランがこちら、La tête de lard（ラテットドラール）です。直訳は豚（の脂）の頭、ですが、「頑固者」という意味を持ちます。お店の方が料理、食に関して頑固、ということなのでしょう。

店舗正面　

店内

そのご主人はYoann Blanc（ヨアンブラン）氏。料理人として働く中でブションに出会い「これだ！」と思ってからリヨンの食材を使って料理を提供するレストランをすることになったそうです。
「日本人でうちの店に働きに来た人がいるよ。リヨン料理に興味のある日本人も割といるみたいだね。しかしよく働くよねえ、日本人は」とおっしゃっていました。日本にもリヨン料理が浸透する日が来るかもしれませんね。

ご主人のブラン氏。ご自分でテーブルを回って雑談しつつ注文を取ります

店内はまさにブション、といったデコレーション。赤と白のチェックのテーブルクロス、古い写真や絵、レースのカーテン、などなど伝統的なお店の雰囲気です。私が到着した19時頃はまだ早くお客さんはさほどいませんでしたが、どんどん人は増え満席に。お店の方が何回も電話で「今日は満席です！」と言っているのが聞こえてきたので予約は必須のようです（ミシュランガイドには掲載されていない、知る人ぞ知るお店！）。

さて、メニューは黒板に書かれています。単品の注文も可ですがセットメニューもあります。お昼のセットは20ユーロ、夜と週末は28ユーロです。私は夜に行きました。

黒板に書かれたメニュー

まずワインとおつまみが到着。ワインはボジョレの赤です。こちらの瓶、上げ底になっていますね。昔ワインの売人が量をごまかすために上げ底にしたところから始まり、今ではブションで提供されるワインの瓶として定番となっています。おつまみはこちらもリヨン名物ドライソーセージと揚げラード。

お料理をいくつか紹介します。前菜から、まずOeuf en meurette（ウフアンムレット）、ポーチドエッグの赤ワインソース添えです。添えてあるパンと一緒に食べるとおいしい！

こちらはOs rôti au foie gras（オスロティオフォアグラ）。牛の骨髄を焼いたものですが、上にフォアグラが塗ってあるとのことで、ものすごいコクです。脂っこいと言えばそうなのですが、おいしくてつい食べ進んでしまいます。

そしてこちらもリヨン名物gâteau de foie de volaille（ガトードフォアドヴォライユ）です。鶏のムースになります。オマールのソースがかかっています。濃厚な味。

メインはまずOnglet de veau st marcellin（オングレドヴォサンマルスラン）。子牛肉（横隔膜上部につながる部分）のサンマルスランソースです。サンマルスランというチーズもリヨンからさほど遠くない場所が産地で、この辺りではよく食べられます。

こちらはTête de veau（テットドヴォ）子牛の頭の部分の煮込みです。これもパンチがなかなか効いているリヨン料理です。ソースグリビッシュ（マヨネーズ状の冷たい卵のソース）と食べます。こちらも脂のおいしさを楽しむ料理です。

これはこのお店のオリジナルリヨン料理Côte de cochon sauce vinaigre et praline（テットドコション　ソース　ヴィネーグル　エ　プラリーヌ）ですが、見た目のインパクトもあります。ソースが赤い！こちらもリヨン名物、プラリネルージュ（赤いプラリネ、アーモンド菓子）を使用したヴィネーグルソースです。甘酸っぱくておいしいですが、量がちょっと多いですね！リヨン料理はどれもおいしいのですが、「量が多い」ことが多く、食べきれなくて悔しい思いをすることも。