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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Guy LASSAUSAIE(ギィ・ラソゼ氏) / Restaurant Guy LASSAUSAIE(レストラン ギィ・ラソゼ)

フランス校教壇から

2024.02.15

今回、調理外来講師としてお越しいただいたのは、リヨン郊外のChasselay(シャスレー)という町にあるミシュラン1つ星のお店、Restaurant Guy LASSAUSAIE(レストラン・ギィ・ラソゼ)でシェフを務めるギィ・ラソゼ氏です。
ラソゼ氏はリヨン出身で「Restaurant la Pyramide レストラン・ラ・ピラミッド」などの有名店で研鑽を積み、1993年にM.O.F.(フランス優秀職人章)受章されました。またトック・ブランシュ・リヨネーズ(料理人協会リヨン支部)の会長を長らく務められました。現在はシャスレーのお店と、リヨンの街が壮大なパノラマで一望できるフルヴィエールの丘の上にある「Bulle ビュル」というレストランにも携わられています。また日本のレストランとも技術提携をして、フランス国内にとどまらず世界で活躍されているフランス料理界の重鎮の1人です。

今回の講習は3品作成していただきました。

Purée de carottes, Jus de carotte réduit citronnelle et gingembre pickles de carottes au vinaigre de citron et Œuf mollet au caviar

1品目は人参を様々なバリエーションで調理、構成した料理です。
まず人参の薄切りを塩ゆでし、ミキサーを使ってピューレにします。
次に、ジューサーを使って人参のジュースを取り、生姜とレモングラスを加えてしっかりと煮詰めます。最後にバターとレモン汁を加えて仕上げ、ソースを作ります。
人参を極薄い輪切りにし、レモンヴィネガーで作ったマリネ液で漬けてピクルスにします。それを花びらのようにに巻いていきます。


卵を沸騰したお湯に5分入れて半熟卵を作ります。
皿の中央に人参のピューレを敷き、半熟卵を乗せその上にキャビアを飾ります。
その周囲に人参のピクルスを並べ、その中に人参の葉や香草から抽出したオイルを注ぎます。
最後に人参のジュースで作ったソースを流し、香草や花を飾って仕上げました。

Langoustines en cheveux d'ange, beurre blanc à la vanille de Madagascar et salade d'herbes fraîches

2品目はラングスティーヌ(手長えび)を使った料理です。
手長えびには溶かしたバターを塗り、カダイフという小麦粉で作った極細の麺を巻き付けて170℃の油で揚げます。
ソースはエシャロットのみじん切りをバターで炒め、白ワイン酢、白ワイン、種を取ったバニラのさやを加えて煮詰めます。途中でさらに鶏のだし汁を加えてさらに煮詰め、味が整えば漉します。バニラの種をソースに戻して仕上げました。
つけ合わせにはアーティチョークを使います。
玉ねぎのみじん切りを炒め、小さな角切りにした人参、下処理したアーティチョーク、白ワインを加えて煮詰めます。鶏のだし汁を加えて5分ほど加熱し、味を含ませれば取り出しておきます。
同様に加熱した別のアーティチョークはミキサーでピューレにします。
つけ合わせ、揚げた手長えび、たっぷりのソースを流して盛りつけます。周囲には香草で作ったオイルを飾り仕上げました。
研究生たちは料理でバニラが使われる様子を見て、見たことのない組み合わせに興味をひかれている様子でした。

Filet de barbue mariné au thym et citron tartare d'huîtres et Saint-Jacques, émulsion de cresson au Macon

3品目は平目、牡蠣、ホタテ貝を使った魚料理です。
平目は形を整えたあと、タイムの葉とオリーブオイルでマリネします。
生のホタテ貝の貝柱を細い棒状に切ったものと生牡蠣を細かく刻んだものを混ぜ合わせます。塩、レモン汁、レモンヴィネガー、シブレットのみじん切りで味を調えてタルタルを作ります。
ソースは玉ねぎの薄切りをバターで炒め、白ワイン、鶏のだし汁、にんにくを加えて煮詰めます。クレソンの葉、より緑色を強調するためにほうれん草の葉を少し加えます。生クリームを加えて軽く煮詰めたあと、ミキサーにかけて漉します。牡蠣の中に入っていたジュースと大豆レシチンを加えてハンドミキサーで空気を含ませます。
85℃で蒸して火を通した平目を盛り、その上にホタテ貝と牡蠣のタルタルを乗せ、香草のサラダ、えのき茸、花を飾ります。周りにたっぷりとソースを流して完成です。
シェフは寡黙な方ですが、その作業の速さ、盛りつけの丁寧さ、配色の巧みさなどは研究生たちも参考になる部分が多かったと思います。
カメラを向けるとチャーミングな笑顔を返していただき、優しそうな人柄がうかがえます。

最後にシェフと研修生とアシスタントを務めた研究生たちで記念撮影を撮りました。