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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Julien THOMASSON (ジュリアン・トマソン氏) / Restaurant La Mainaz (レストラン・ラ・メナーズ)

フランス校教壇から

2024.01.11

今日の外来講習は、ジュリアン・トマソン氏に現在お店で研修をしているスタージュ生とともに来校していただきました。

トマソン氏はリヨンから東へ150㎞離れたスイスとの国境付近のオー=ジュラ自然公園の標高1250mに位置するレストラン「ラ・メナーズ」のシェフをされています。
レストランでは、スイスのレマン湖とその奥にモンブランという豊かな自然を見ながら食事を楽しむことが出来るそうです。
シェフはジュラ地方にあったミシュラン二ツ星ジャン=ポール・ジュネ、パリの三ツ星ピエール・ガニェール、ブルターニュ地方にあった二ツ星パトリック・ジョフロワのお店で勤務されました。その後、2008年にサン・シャモンという場所でレストラン「Les Ambassadeur」を開店し、2011年には一ツ星を獲得されました。2019年に現在のラ・メナーズに移り一ツ星を再度獲得されています。

講習では2品の料理を作っていただきました。

La Mousseline de Brochet Aérienne Baguette croustillante de St-Jacques, croustillant de quinoa, fumet beurré au Curry
Brochet(ブロシェ)、日本ではカワカマスという魚を使ったムース料理です。とても変わった形の骨を持ち、さばいた後に骨を抜くことが難しいのが特徴です。そのため、骨を避けるように身を取ったあと、主にすり身にしてムースにすることが多い魚です。
ブロシェの身をフードプロセッサーで細かくすり身にし、そこに全卵と卵黄を加えます。
卓上ミキサーに移し、溶ける直前まで柔らかくしたバターを加え、約10分間平面ビーターで撹拌します。次に、泡立てた生クリームをあわせ、型に入れ、70℃で15分間蒸して火を通します。
火の通ったムースはメレンゲ入りのパンケーキのようにとても柔らかく仕上がっていました。
エシャロットのみじん切りをバターで炒め、カレー粉を加えてさらに炒めたあと、白ワインとレモン汁を加えて煮詰め、魚の骨から取っただし汁を加えて半分量になるまで煮詰めます。一度漉し、バターを加え盛りつけ直前にシブレットを入れて仕上げます。

シブレットの切り方をシェフに指導されている研究生の様子です。

バゲットを斜めに薄く切り、165℃のオーブンで焼いてクルトンを作ります。その上にはホタテ貝を薄く切り、塩、レモン汁、オリーブ油でマリネしたものを乗せ、キヌアを茹でて揚げたもの、シブレット、コリアンダーの葉を乗せます。
皿にムース、ソースを流し、ムースの上にクルトンを盛りつけて完成です
研究生もこの魚を使ったムースを実習で作成していましたが、今回シェフが作られたムースの柔らかい状態には驚いている様子でした。


La pièce de Chevreuil pris dans le cuissot, Palet de butternut rôti aux épices douces, raviole de Betterave et sarrasin Sucs tannique à l'oignon
鹿のもも肉の骨を外し、それぞれの筋肉の束に沿って切り分けます。バターと油を熱し、もも肉をレアに焼き上げます。
ももの骨、肉の端の部分を使ってソースを作ります。
コリアンダー、アニス、白ごま、花山椒をオーブンで軽く煎りってミキサーを使ってスパイスのパウダーを作ります。
バターナッツかぼちゃを切り、バターで焼き、途中ではちみつを加えて軽くキャラメル状に仕上げます。スパイスのパウダーを加えて香りをつけます。
バターナッツかぼちゃの余った部分をグラタン皿にいれ、オーブンでじっくりと加熱し水分を飛ばします。フードプロセッサーでピュレにします。
火を通したビーツを薄く切り、シートを作ります。残りの部分は小さな角切りにし、玉ねぎのみじん切りとともにバターで軽く炒め、赤ワインを加え煮詰めます。にんにくのみじん切りを少しと、鹿のソースを加えてまとまりをよくします。最後によく煎ったかぼちゃの種を加えて仕上げます。薄く切ったビーツのシートで挟みラヴィオリ状に組み上げ、温めておきます。
レアに焼けた鹿のもも肉にソースを塗り、少しの間オーブンに入れて温めなおしつつ照り焼きのようなツヤをつけます。取り出して表面にスパイスのパウダーをまぶします。
焼けたもも肉、バターナッツかぼちゃの焼いたもの、ピュレ、ビーツのラヴィオリ、ソースをそれぞれ盛りつけます。
甘味のあるつけ合わせに、スパイスのパウダーの香りやピリッとした味、鹿のもも肉の鉄分の香りがとてもあっていました。

研究生に感想を聞きました。
「鹿のもも肉の処理で、筋肉の束を外すときに包丁を使わずに引きはがすようにするテクニックを見るのは初めてで面白かったです」
「魚のムースの食感が今まで感じたことのない柔らかさで、作り方を知ることができてよかった」
など、新しく見る調理のテクニックに興奮している様子でした。

最後にアシスタントをしてくれた研究生と記念写真。