OSAKA

辻製菓専門学校

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2024年4月より辻製菓専門学校は辻調理師専門学校と
統合しました。

あの伝説の料理番組でも紹介されたデザート菓子!

洋菓子
製菓技術マネジメント学科
製菓衛生師本科

2023.08.28

製菓衛生師の国家試験も終わり、夏休み突入!と思ったのもつかの間
あっという間に夏休みが終わってしまいました。
就職活動など有意義に過ごした学生も多く、食べ歩きに行ったお菓子屋さんを
担任の先生に笑顔で話す光景は、夏の日差しよりまぶしかったです・・・。ちょっと言い過ぎですかね。

授業も再開して、暑い夏も何のその!
今日はあの伝説の料理番組で、出演者の方々が絶賛して取り合いになっていたという
人気のデザート「Gâteau Marjolaine(ガト・マルジョレンヌ)」を紹介します。

資料:興味のある方はこちらもご覧ください
辻調理師専門学校:フェルナン・ポワンと美食の殿堂ピラミッド・書斎 (tsuji.ac.jp)
辻静雄について|辻静雄食文化財団 (tsujishizuo.or.jp)

前置きはこの位にして、お菓子の方に・・・。
日本ではなじみの無いお菓子ですが、辻の職員が長年受け継いで来た、
他では食べる事の出来ないお菓子の一つです。
そんなお菓子を今日の授業では学んでいきます。
もう一品、切ると中からとろりとチョコレートが溶けだすデザート菓子を学びますが、
こちらは又、機会があれば紹介しますので、ブログをチェックしておいてください。

この「Gâteau Marjolaine(ガト・マルジョレンヌ)」というデザートは、
先代の辻静雄校長が、フランス料理を学ぶ為に渡仏した時に、
大変お世話になったフランスのVienne(ヴィエンヌ)という町にある
「レストラン・ピラミッド」のデザート菓子です。

フェルナン・ポアン氏によって考案された当時、
世界最高と言われるほど、美味しいデザート菓子だったそうです。 
想像するだけでワクワクしてきて、くっ口の中が・・・。
構成はいたってシンプル!
古いお菓子なのに、今だ色褪せないこの美味しさ。
口に入れると、クリームはさっと溶け、香ばしい生地の香りと、
チョコレートとナッツの風味が口一杯に広がります。
シンプルですが、手間と技術がたっぷり詰まったお菓子なんです! 
しっかり学んで、今風にアレンジして日本で流行らせましょう!

【作り方】
先ずはT.P.T.(タン・プル・タン)というナッツと砂糖をブロワイユーズといった機械で挽く所から始まります。
石のローラーの間を少しずつ幅を狭めて行きながら引いていきます。


この仕込みが、地味に大変なんです(汗)
同じ機械を使用してプラリネ(キャラメルとナッツを合わせて挽いたもの)も作ります。勿論自家製です。


それでは生地作りです。
卵白と塩、砂糖でしっかりと泡立てたメレンゲに、T.P.T.と小麦粉を合わせたものを
合わせてバターを塗ったプレートに薄くのばして焼成します。




焼き上がって冷めると、この通り固いパリッとした生地になります。


この生地を1日冷蔵庫で寝かせる事で、しんなりと柔らかい生地になります。

このように柔らかくした生地を使用してお菓子を組み上げないと、
後からは上手く柔らかくもどってくれないんです。

軽く泡立てたガナッシュを2枚の生地でサンドします。

(上下で使用するので、2組作ります。)

ガナッシュをサンドした生地の上に、クレム・シャンティー・オ・ブールをのせて平らに均します。



*少し分離しかけ位の状態になっているのが当時の状態により近いと聞いています。
失敗じゃありませんよ!

皆さんも泡立てた生クリームに甘みを付けたクレム・シャンティーは食べたことがあると思うのですが、
その中に熱く溶かしたバターを加えてコクを出したものです。
フランスでは高脂肪の生クリームが無かった事と、クリームの保形性を上げる為に
バターを加えたと言われています。
当時の生クリームは今と違って、まだまだ安定の悪いクリームだったそうですが、
味は濃く美味しかったそうです。

「レストラン・ピラミッド」では、近くの酪農家さんから特別に濃厚な生クリームを仕入れていたとか・・・。
クレム・シャンティー・オ・ブールを平らに均した上に生地を置いて、
今度はプラリネ入りのクレム・シャンティー・オ・ブールを作って均します。



その上にガナッシュをサンドした生地を裏返してのせて、
横にパイエット・ショコラを張り付けて、冷蔵庫でしっかりと冷やします。


最後に表面に粉砂糖を振って仕上げます。


薄く切ってお皿に盛り付ければ完成です。


フォークで切れるほど生地は柔らかくなっています。

皆さんお味はどうですか? 
勿論トレビアーンですよね。


習った知識を活かして、現代の日本にフィットするお菓子に作り替えてください。

~プロフィール~
辻製菓専門学校 洋菓子担当
筒井 一夫 大阪府出身

元々は食べる事が大好きで、その中でも甘い物が大好きだったので、
自分でも作ってみたいと思いこの学校に入学しました。
伝統的なお菓子から、皿盛り、チョコレート、アメ細工などなんでもやります。 
趣味はバイクで美味しい物を食べに、色々な街に出かける事です。

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2024年4月、辻製菓専門学校は辻調理師専門学校として生まれ変わります。
2024年4月の製菓学科をご希望の方は、
辻調理師専門学校ページよりご確認ください。
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