辻調理師専門学校 辻製菓専門学校 通信教育部 ブログ

  1. ホーム
  2. 通信教育部 ブログ
  3. 受講生日記
  4. 日本料理体験記~vol.12 だし巻き玉子 

日本料理体験記~vol.12 だし巻き玉子 

     

Vol.12  だし巻き玉子

みなさん、こんにちは。今回のレポートは第21課より卵料理です。

みなさんは目玉焼きを醤油で食べますか?それともケチャップ?もしくはウスターソース?

私は大人になってからというもの、まるで「どんな音楽を聞く?」というように「どうやって目玉焼きを食べる?」と聞かれたことが何度かあります。「醤油」と答えながら、なぜそんなことを聞くのか不思議に思っていましたが、海外に行った時にホテルの朝ごはんで目玉焼きの焼き方をシェフに細かく聞かれ、「卵って熱いんだ!」と感じました。

また、ホテルの朝のビュッフェと言えばオムだし巻き玉子レツのコーナーはいつも人気です。好きな具を選ぶお客さんたちは嬉しそう。私も「トマトとチーズとマッシュルーム」などと言いながらワクワク。卵料理ってテンションが上がってしまうものなんですね。

さて、今回はだし巻き玉子です。お弁当に入っているいつもの玉子焼きとは一味違う大人の味にチャレンジしてみました。


まずは卵を溶きます。だし巻き玉子はたくさん卵を使いますが、大きなボウルにどんどん割って入れるのではなく、腐っているものがないか確認するためにひとつずつ小さなボウルで試し割りをして大きなボウルに移していきます。
大きなボウルに最初から割り入れていくと、万が一腐っているものがひとつでもあった場合、すべての卵が食べられなくなってしまうからです。

さて、卵を溶きほぐすのに向いているのは先の細い箸。箸先をボウルの底につけて切るようにしながら溶いていきますが、混ぜすぎると卵のこしがなくなってしまうのでほどほどに。
これも、ふんわりとした食感には大切なことです。

次にだし汁。塩、みりん、薄口醤油で味をつけたものを溶いた卵のなかに入れます。
だし汁を卵のボウルに移す前に味をつけるのには理由があります。卵とだし汁を混ぜたものに味をつけると、卵の味ばかりで薄いのか濃いのかちょうどいいのかわかりません。そのため、だし汁の段階で味を調えるのです。
これで生地ができあがりました。


いよいよ卵焼き鍋の登場です。
考えてみれば、卵焼き専用の鍋があるなんて面白いですね。専門性の高い調理器具のなかで、最も一般家庭に浸透しているものなのかもしれませんね。

ここからがドキドキです。鍋を中火で十分熱し、サラダ油を薄く引きます。鍋が十分温まっているかどうか卵生地を箸に少しつけて鍋に落とし、ジューッといい音がしたら、火加減を少しだけ強めます。
卵生地を多めに流し入れ、生地を鍋全体に広げ、それから島を作るように真ん中に集め、鍋の向こうから手前に鍋を振りながら卵を巻きます。
この振り方のコツを掴むには練習が必要です。大胆すぎても、恐る恐るでもダメです。

次に鍋の向こう側に油を引いて巻いた卵を移動させ、手前にも油を引いて、卵生地をまた流すのですが、最初に巻いた卵の下にも生地を流すことを忘れてはいけません。
卵がプクプクッとふくらんだら箸でつぶして空気を抜きます。
これらの作業を2、3回繰り返してできあがりというあっという間の調理なのですが、ふんわりした食感にするためには火加減と生地の扱いがとても大切です。  



すで形を整えたら食べやすいサイズに切り、大根おろしを濃口醤油でそめたものを添えてできあがり。
ふんわり柔らかくてジュワッとだしが染み出るような上品な味。見た目も我ながら納得のいい出来ばえです。日本酒でも飲みながらゆっくり食べて、余韻に浸ることにします。





<<vol.11に戻る



  • 一覧を見る
ボーダー