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辻調グループ フランス校

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有留 藍さん:研修先 Maison DOUCET(メゾン ドゥーセ)

研修生レポート

2023.07.04

私の研修先はリヨンから北に90kmほど離れたシャロルという街にあります。お店には子供連れの家族や1人で来店されるお客様など、いろいろな方が来られます。

お店の外観。隣に教会があります。

お店の内装です。


仕事内容は基本的にオードブルとヴィアンド(肉料理)の仕込みやドレッセなど担当をさせていただいています。ガルニチュールの下処理や火入れ、時には肉の火入れもさせていただきます。
シャロルは白い体毛を持つシャロレー牛が特産でフィレなどはもちろん筋や腱など色んな部分を使ったメニューで構成されていてシャロレーの良さを堪能できます。日本の学校で骨から出し汁を取る事を習った時も驚きを覚えましたが研修先でそれ以上に様々な用途がある事を知り感動しました。学校のように分からないフランス語を先生に尋ねられるような環境もないので友人とメールで研修中覚えたフランス語を伝えあったり自分で調べたて前まで分からなかった単語が分かるようになり少しずつ会話が繋がるのが楽しいです。

研修先厨房です。


担当しているオードブルの一品。牛筋をやわらかくしたものを使用しています。

肉料理のシャロレ牛です。ガルニチュールにモワール(骨髄)を使用、アシェットが骨髄の形で
味覚も視覚も牛でうめつくされています!

シェフはとても親切な方で料理工程で疑問を抱いた時など質問をすれば快く答えくださるので小さなことから色んな知恵を吸収できます。自室の鍵が壊れてしまった時はホテルの一室に泊まらせてくださったりペルソネルで余った料理やパンなど休日に事前にいただいたりする事もあります。
シェフ以外のメンバーもとても親切で日本が好きな方が多く有名なアニメの話や日本の曲を口遊んだり時には日本語で挨拶をしてくれたりなどとても明るいです。

シェフのドゥーセ氏と一緒に

同じエキップ(チーム)の先輩と

レストランの目の前には教会があり、他にも小さなお城や小川があったりなど中世ヨーロッパを感じさせるような街並みでとても可愛らしいです。少し歩けば建物は少なくなり放牧場が見え自然にも恵まれています。休日になるとシャロルの街ををお散歩したりしています。1日に出るバスの数が少ないので友人と会ったりレストランに食べ歩きに行ったりなどは少し苦労しますがその分、特別感も増して充実した楽しい休日を過ごせています。
部屋は二階建てで1階が共有スペースになっています。春は庭に沢山のお花が咲いたり外にテーブルもあるので友人と紅茶を飲みながらゆっくり過ごせたりします。同室の研修生と一緒にバーに行ってお酒を飲んだりもしました。
普段の生活ではブラッスリーで賄いを頂く事もできますが、休日が重なるとメゾンのキッチンで食事を作ったりする事もあります。洗剤などの消耗品は自費になりますがそれでも50€あれば1ヶ月過ごせると思います。

近くにはシャロレ牛のいる牧場がたくさんあります。

同室の研修生とバーに行ったりもします。

研修生なので最初はアミューズやアントレなどのドレッセ、洗い物をこなしたりそこから少しづつ仕込みに触れていくのだろうと思ってました。いざ研修を始めてみると食材の処理の仕方や火の通し方、一つのパーツから完成したものまでグテ(味見)させて味を教えて下さったりと一つ一つ丁寧で感心する事も多く、寧ろ好奇心を掻き立てられることばかりでした。まだ先輩やシェフに味やテクスチャーの確認など絶えませんが、それでも1人で任せて貰える作業が増えて少しづつでも自分のメモ帳にルセットが増えていくのが嬉しいです。

私はもとよりその土地ならではの食材を活かした料理に魅力を感じていて、食べる事、料理を考える事が好きでした。私の研修しているレストランはまさにその地を愛していなければ構成されないようなメニューで、その中でも使用する部位や調理法など様々な工夫が成されています。だからこそ地元の人にも観光客にも沢山の客層から愛されるレストランなのだと感じました。このレストランに研修出来た事で私もいつか地元の食材を活かした料理を愛し、愛され魅力的なレストランを築きたいとより一層思えるようになりました。少しづつではありますが自分なりに邁進していきます!

有留 藍(ARIDOME Ran)

鹿児島県 前田学園 鹿屋中央高等学校 卒業

辻調グループ出身校 エコール辻大阪 フランスイタリア料理マスターカレッジ