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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Gilles REINHARDT(ジル・レナルト氏) / RESTAURANT PAUL BOCUSE(レストラン・ポール・ボキューズ)

フランス校教壇から

2023.08.22


今日の外来講習は、リヨン近郊にあるレストラン、「ポール・ボキューズ」より、シェフのジル・レナルト氏に来校していただきました。

レナルト氏はアルザス地方で生まれ、5歳の時には料理人になることを目指していたそうです。アルザス地方のストラスブールの調理師学校を1995年に卒業しました。そして、コルマールにあるレストランLe Fer Rouge(ル・フェール・ルージュ)で働いたのち、パリにて財務大臣の料理人としても働きました。その後レストランPaul Bocuse(ポール・ボキューズ)やランスにあるChâteau Les Crayères (シャトー・レ・クレイエール)にてジェラール・ボワイエ氏の元で働きました。2000年から再びPaul Bocuse(ポール・ボキューズ)に戻り、現在もに至ります。
2004年にはフランスの国家最優秀職人章(M.O.F.)を受章されました。2011年からPaul Bocuse(ポール・ボキューズ)のシェフをされています。

講習ではレストランを代表する伝統的なスペシャリテを2品作っていただきました。

Loup en croûte, Sauce Choron 「スズキのパイ包み焼き、ソースショロン」

まず1品目はスズキを1匹丸ごとパイに包んで焼き上げる料理です。
メインのスズキは、内臓やえらを取り除いた状態で鱗と皮を取ります。皮を剥くところは研究生も初めて見る方法で、シェフの技術をしっかりと目に焼き付けるようにモニターにくぎ付けでした。

内臓やえらを取り除いた場所には、舌平目の身と帆立貝で魚のムースを作って詰めています。魚のムースは研究生も何度も作ったことがありますが、使用する材料にポイントがあります。まず、使う主材料は変わりませんが、全卵と卵黄、発酵クリームを加えることで普段のムースよりも濃厚でコクがある仕上がりになります。
スズキをパイ生地で包みます。シェフの手に掛かってあっという間にスズキがパイ生地に包まれていきました。オーブンで焼成します。


ソースは卵黄と水を泡立てながら火を入れてサバイヨンを作ります。そのサバイヨンに澄ましバター、レディクション(エシャロット、白ワイン、赤ワイン酢、こしょうを煮詰めたもの)を加えます。ここでシェフのこだわりポイントです!レディクションはソースに酸味を利かせる役割として使われます。通常はそのソースを漉してなめらかなソースに仕上げますが、漉さないことでエシャロットの食感やそのアクセントも楽しめるソースに仕上げたいと!とそのこだわりを話してくれました。

研究生もシェフのアシスタントをして一緒にソースを作っています。

仕上げにトマトの果肉を水分がなくなるまで煮詰めたものと、香りが良い香草でエストラゴンとセルフイユを加えます。最終的なソースは、旨味や全体の味わいのバランスが整えられた仕上がりでした。

Poularde de Bresse en vessie,Sauce fleurette aux morilles
「鶏の膀胱包み、モリーユ茸風味のソース・フルーレット」

2品目は、ブレス産の鶏を1羽丸ごと使った料理です。

まず鶏の下処理をします。
鶏の皮と肉の間にポルト酒を絡めたトリュフの薄切りを差し込み、鶏の内側にトリュフの香りをまとわせます。次の形を美しく保つため糸で成形します。

ブイヨンの中で沸騰させないように気を付けながらしっとりとするまで火通します。火が通れば豚の膀胱に詰めて、さらにブイヨンに浮かべて加熱します。トリュフの香りがお客様のテーブルでふわっと広がるような演出をするため、パンパンに膨らませます。

ソースは鶏ガラ、マッシュルーム、エシャロット、ベルモット酒、白ワイン、鶏のだし汁をゆっくりと煮詰め、発酵クリームを加えたクリームソースを作ります。モリーユ茸はポルト酒の中でしっかり火を通します。
つけ合わせにココットの形に剥いて火を通した、にんじん、ズッキーニ、大根とさやいんげんをお皿に盛り、ヴェッシー(豚の膀胱)に包まれたブレスの鶏をのせます。
シェフの仕事がとても丁寧で早く、普段から厨房を仕切っている様子が目に浮かびました。

そして、クラッシックな料理を今も変わらず続けて作って、提供しているのがこのポール・ボキューズという素晴らしいレストランの魅力だと再確認できた講習でした。
研究生も日本の実習で作った料理と本場のシェフが作る料理の違いを知る機会となりました。

シェフとアシスタントを務めた研究生で記念撮影をしました。