FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

調理外来講習 / M. Nicolas BONNARD (二コラ・ボナール氏)

フランス校教壇から

2023.07.11

今回の外来講習はパンの特別授業です。2日間にかけてハンズオン実習を行いました。講師は毎年講習に来ていただいているニコラ・ボナール氏です。

ボナール氏はブルゴーニュ地方の製粉会社NICOT MEUNERIE社で、専属のブーランジェリー講師を務められました。その後、リヨンの旧市街にて「L'EPIAISON(レピエゾン)」のオーナーシェフを長らく務められていました。現在はコーディネーターやパン講習を行い、技術指導に取り組まれています。 今回は6種類のパンの実習とフランスの各地方のパンの紹介をしていただきました。

まず、実習で作成した6種類のパンを紹介します。

PAINS AROMATIQUES パン・アロマティック


アロマティックとは「香り・芳香のある」という意味で、中に様々な具材を入れることでバリエーションを出すことができます。
今回はレーズン、乾燥イチジク、クルミやヘーゼルナッツを練りこんだものと、ごまやひまわりの種などのシリアルを練りこんで焼き上げました。

BUNS' バンズ

このパンの特徴は牛乳を使うことでシンプルなパンに乳脂肪分が入り、リッチな味わいと柔らかさをプラスすることが出来ます。ノーマルのバンズとイカ墨を練りこんだ黒いバンズを仕上げました。上にはゴマ、ケシの実、かぼちゃの種をつけました。

PAIN BEAUJOLAIS パン・ボジョレー

ボジョレーの赤ワインを使って練り上げたパン。ワインを使うことで水よりも発酵が遅くなります。中にはノワゼットとサラミを練りこんで焼き上げています。ロースト用の糸を先端に入れて乾燥ソーセージのような見た目にしています。

PAIN MEULE DE PIERRE SUR LEVAIN パン・ムール・ド・ピエール・シュール・ルヴァン

石臼挽きをした小麦粉を使って焼き上げたパンです。このパンの特徴はルヴァンと呼ばれる発酵種を使用するため、酸味と旨味をしっかりと感じることが出来ます。冷蔵庫の中で12時間かけて発酵を行います。そのため小麦粉の香りや甘味、ハード系のパンながら中は柔らかく仕上がっています。

SEIGLE AUVERGNAT セーグル・オーベルニャ

ライ麦粉を使って焼き上げたパン。小麦粉とは異なる独特な香りと酸味、グルテンを含まないため歯切れの良い食感などが特徴です。綺麗な模様はオーブンで焼いている間に自然とできた焼き目です。

BAGUETTE DE TRADITION FRANCAISE バゲット・ド・トラディッション・フランセーズ


日本でもおなじみのフランスの伝統的なバゲット。材料は小麦粉、塩、イースト、水の4種類のみで作られたとてもシンプルなパンです。シンプルですが、焼く前の生地はとてもソフトで取り扱いが難しく、成形の際に無駄に触りすぎないよう細かく指導してくださりました。2022年にユネスコ無形文化遺産に登録されるほど、フランスの食文化に欠かせないパンです。

パン生地の製造手順や生地の発酵に最適な温度の計算の仕方など、理論的な説明はホワイトボードを使って一から丁寧に教えてくださりました。

初めて聞くパン用語に1日目は戸惑いがあった学生も、2日目はよく理解して取り組んでいました。


地方のパンの紹介も実際の写真や、布巾で分かりやすく成形の仕方も見せていただきました。

ナレ先生も一緒に学生が作ったパンを持って記念撮影!

今まで知らなかった多くのパンの種類や作り方を知る機会となりました。今後の人生で今日学んだことを活かして、自分たちが作りたい料理に合うパンも考えて欲しいと思います。

そして最後に学生が作った多くのパンと、シェフを囲んで記念撮影をしました。