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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Jacques DECORET(ジャック デコレ氏) / Maison DECORET(メゾン デコレ)

フランス校教壇から

2023.06.30

今回の外来講習は、リヨンから車で2時間ほどのVichy(ヴィシー)という町のミシュランガイド1ツ星レストランMaison DECORET(メゾン・デコレ)のオーナーシェフ、ジャック・デコレ氏にお越しいただきました。

デコレ氏は「La Côte Saint-Jacquesラ・コート・サン-ジャック」、「Troisgrosトロワグロ」、「Arpègeアルページュ」、「Régis Marconsレジス・マルコン」などの有名店で勤務、1996年にM.O.F.を受章。1998年にヴィシーにレストランを開業し、2000年にミシュラン1ツ星を獲得、2008年現店に移転されました。

今回はジャック・デコレ氏と、従業員として働いているフランス校卒業生と現在の研修生に来ていただき、前菜料理と肉料理の2品を作っていただきました。

Grosses asperges vertes, Reine des prés, Beurre noisette

まず、旬のグリーンアスパラガスをメインとして使用した1品です。
アスパラガスは下の固くなった部分を取り除いてフライパンで軽く焼き、軸の部分だけガスバーナーで炙って焼き色を付けます。そこにコーヒー風味の油をかけて香りを移します。

つけ合わせは卵黄と卵白のミモザとエストラゴンを混ぜたもの、パセリの香草のピューレ、レーヌ デ プレ(西洋夏雪草)をクリームと一緒に煮詰めたピューレ、卵黄のピューレをそれぞれお皿にデコレーションをします。

アスパラガスの上には煎ったノワゼット、香草を飾ります。ソースは煎ったノワゼットでペーストを作り、焦がしバターに加えてさらに香ばしく仕上げます。

旬のアスパラガスに香ばしさを加え、色鮮やかで様々な食感を与えた一皿です。

Canard excellence Miéral au sang / Sapin / Navets / Oignons Saucier

次はミエラル社のカモを使った肉料理です。ミエラル社の鴨の詳細は以下を参考ください。

https://www.mieral.com/produit-mieral/canette-de-barbarie-excellence-mieral/

カモの胸肉、もも肉を準備し、胸肉は塩コショウ、タイム、にんにくを入れラップで包み中心温度50度まで火を通します。そのあと皮目を香ばしく焼いた後、松ぼっくりを使って燻製の香りを付けます。

もも肉は香草とにんにくを加えコンフィにし、皮目を焼き、鴨油と蜂蜜を合わせたソースを皮目にかけパリパリの食感にします。

つけ合わせはレモンのシロップ漬け、大根で作ったラヴィオリ、小玉ねぎのグリエをカプセル状とサパン油の香りをつけたもの、煎った松の実、水切りをしたヨーグルトです。
ラヴィオリの皮は大根の薄切りを酢漬けし、残った大根の角切りを生クリームと一緒に火入れして煮詰めて包んでいます。

ソースは鴨のうま味を最大限に出すように取った鴨のジュで、水のみで作っています。

カモの焼き具合がとってもきれいなロゼ色で、鴨を活かす酸味と甘みのあるパーツを盛りつけられています。

作業中はシェフと従業員の方たちが見事な連携で盛りつけている姿を見て、研究生たちもスタージュへの気持ちが高まっていったのか質問も多く出ました。
最後にシェフからより良い研修生活を送るには、まず綺麗な仕事が出来ることが一番大事と話してくださいました。今までもいろんなタイプの研修生を見ているからこその返答だったのではないでしょうか。

講習終了後にアシスタントを担当した研究生とシェフたちで揃って記念撮影です。