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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Yohann CHAPUIS (ヨアン・シャピュイ氏) / L'ÉCRIN DE YOHANN CHAPUIS (レクラン・ドゥ・ヨアン・シャピュイ)

フランス校教壇から

2024.02.26

今回の外来講習はBourgogneブルゴーニュ地方の町Tournusにあるミシュランガイド1ツ星を獲得しているレストラン「L'ÉCRIN DE YOHANN CHAPUIS レクラン・ドゥ・ヨアン・シャピュイ」のシェフ、M.Yohann CHAPUIS(ヨアン・シャピュイ氏)に来校いただきました。リヨンの「Pierre Orsiピエール・オルシ」、ヴィエンヌの「La Pyramideラ・ピラミッド」などを経て、2004年からは「Lameloiseラムロワーズ」でシェフ・ドゥ・キュイジーヌとして活躍されていました。ラムロワーズ在任中には、1度は失った3ツ目の星を取り戻し、その後、2008年から「Greuzeグルーズ」のシェフに就任後も1度格下げされたレストランに星を1つ取り戻しました。他にも2021年に行われたボキューズ・ドールのフランス代表チームのコーチに就任し、見事優勝に導いたシェフです。

シェフが料理する上で大切にしていることは、季節の食材を使用すること、食感の変化をつけること、その食材に適した火入れをすること、綺麗な盛りつけでお客様に味だけではなく、見た目でも楽しみ、驚きを感じてもらうことです。
今回の講習で2品作成していただきました。

SAINT-JACQUES, AGRUMES

ホタテ貝と柑橘類の1品です。ホタテ貝は柑橘類の皮を混ぜた混合塩でマリネします。
味が入ったホタテ貝に結着剤(食品の保水性を高め、形を保ちやすくし、食感を良くするために加えられる材料で、ハムやソーセージなどに使われる食品添加物)をまぶしてラップで円柱に成形して半日馴染ませます。馴染んだホタテ貝はバターで香ばしくポワレし、焼き色をつけ、焼き加減は中に水分が残っているジューシーな仕上がりです。塩ゆでしたポロねぎを詰めたセルクルにスライスしたホタテ貝を内側に敷き詰めます。

セルクルから外してホタテ貝、シトロンコンフィ、シトロンキャビア、柑橘類のドレッシング、ジュレ、パウダー、お花を散らして完成です。
別皿にはホタテ貝とひものフライ、ひもから旨味を抽出した出し汁に泡立てた生クリームとゼラチンを合わせたムース、仏手柑のピクルス(ミカン科ミカン属の常緑低木樹で、「カボス」「ユズ」などと同じ香酸柑橘類の一種でレモンの変種)、柑橘類のドレッシングを添えています。
シェフの指示に従ってアシスタントを務めている研究生の様子です。慣れてきて積極的に動けていました。

PRESSE DE VOLAILLE DE BRESSE, TOPINAMBOUR

2品目はブレス鶏と菊芋を使ったテリーヌ仕立てです。
ブレス鶏を捌いて胸肉ともも肉に分けます。
レストランでは1週間に40~50羽の鶏を捌くそうです。
もも肉は塩漬し、にんにく、タイム、鶏油でコンフィにします。仕上げに皮目を香ばしくポワレします。
型に胸肉、ファルス、ポワレしたもも肉、ファルス、トランペット茸、胸肉の順に敷き詰めて火を通します。カットして仕上げに皮目を香ばしくポワレします。

つけ合わせに菊芋のピューレ、皮を乾燥させて揚げたチップス、ピクルス、花、ハーブを散らし、鶏のソースを流して完成です。
鶏肉と聞くと淡泊なイメージですが、ブレス鶏の筋肉質の身質で旨味があり、皮目の部分からは香ばしさとカリッとした仕上がりでインパクトのある1品でした。
ボキューズ・ドールのフランス代表チームを優勝に導いたシェフの手際に釘付けになり、料理の考え方、食材の組み合わせ方などをノートにまとめ、講習終わりには研究生からの質問も多くありました。

最後にシェフとアシスタントを務めた研究生で記念撮影です。