FRANCE

辻調グループ フランス校

ブログ

M.Jacques DECORET(ジャック・デコレ氏) / Maison DECORET(メゾン・デコレ)

フランス校教壇から

2024.02.22

今回の外来講習は、リヨンから車で2時間ほどのVichy(ヴィシー)という町のミシュランガイド1ツ星レストランMaison DECORET(メゾン・デコレ)のオーナーシェフ、ジャック・デコレ氏にお越しいただきました。

デコレ氏は「La Côte Saint-Jacquesラ・コート・サン=ジャック」、「Troisgrosトロワグロ」、「Arpègeアルページュ」、「Régis MARCONレジス・マルコン」などの有名店で勤務、1996年にM.O.F.を受章。1998年にヴィシーにレストランを開業し、2000年にミシュラン1ツ星を獲得、2008年現店に移転されました。

今回は前菜料理を2品作っていただきました。


Foie de Canard Grillé, Betteraves《Égyptiennes》et Vinaigrette Cacaotée

まず、フォワ・グラとビーツをメインとして使用した1品です。
ビーツを皮付きのままオーブンで柔らかくなるまで加熱します。その後、皮を剥いて小さなくし形に切ります。バターとサラダ油で表面を焼き、仔牛の肉で作ったソースを加えてツヤが出るようにからませます。
残りの部分を細かくみじん切りにして、黒こしょうを砕いたもの、シェリー酒酢、エシャロットのみじん切り、シブレットのみじん切りを混ぜてサラダにします。
生のビーツを専用の器具を使って細い糸状に切り、レモンの皮とシブレットのみじん切りを混ぜておきます。
3種類のソースを作ります。
1つ目は生のビーツのジュースを沸騰させ、コーンスターチで濃度をつけて塩、こしょう、シェリー酒酢で味を調えて、ヘーゼルナッツオイルを混ぜてドレッシングを作ります。
2つ目はヨーグルトの水分を切り、黒こしょうの砕いたものと塩を混ぜて30分以上置いて香りを馴染ませます。
3つ目はシェリー酒酢、バルサミコ酢、はちみつ、カカオパウダーを混ぜたものにハンドミキサーを使ってゆっくりとサラダ油を混ぜこみ、乳化したドレッシングを作ります。


フォワ・グラはグリル板で格子模様の焼き色を付け、100℃のオーブンで加熱します。すべての材料をバランスよく美しく盛りつけます。


真っ白なお皿にビーツの鮮烈な濃赤色が美しい一皿です。


Clin d'œil pour une Promenade en Forêt Pour trouver le Jaune d'Œuf

2品目はマッシュルームと卵を使った料理です。
鍋にバターを入れ、エシャロットのみじん切りを炒めます。そこにマッシュルームを5㎜幅ほどに薄切りにしたもの、ニンニクのみじん切り、塩、こしょう、大さじ1杯の水を加えてラップでしっかりと蓋をして香りを逃がさないようにゆっくりと火を通します。生クリームを加え、フードプロセッサーで粗めのみじん切りにしてデュクセルにします。
マッシュルームを2㎜幅の薄切りにしたものをフライパンで香ばしく色づけるように強火で焼きます。別の鍋でエシャロットのみじん切りをバターで炒め、そこに焼いたマッシュルーム、鶏のだし汁、ニンニクのみじん切り、塩、こしょうを加えて煮詰めます。仕上がればミキサーを使ってピューレにします。
生クリームを加え、エスプーマに入れて温かい状態で保存します。


卵を割り、卵黄を半球のフレキシパンに入れてラップをかけ、70℃の蒸気で9分間火を通しコンフィにします。
小麦粉、アーモンドパウダー、粉砂糖、バター、塩、竹炭を混ぜて生地を作ります。竹炭の量を徐々に増やして3パターンの色の濃さの生地を作り、150℃のオーブンで焼いて仕上げ、全体を混ぜて土をイメージした生地を作りました。
器の底にデュクセルを敷き、エスプーマからマッシュルームのムースを出して覆います。
中央を少し窪ませて卵黄を乗せ、さらにムースで覆い隠します。表面に土をイメージした生地を散らし、エノキ茸、丸く切った生のマッシュルーム、フライにしたイタリアンパセリを飾り完成です。
2品の料理共に、食材を色々な形で調理されており、研究生たちも今後のメニュー作成のためのヒントになったのではないでしょうか。


講習終了後にアシスタントを担当した研究生とシェフたちで揃って記念撮影です。