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学び

料理・お菓子の「なぜ?」を解き明かす

理論の授業に潜入!

鴨や鳩の特徴を活かした料理って?
目で見て、味わって、深く納得。

今回の授業のテーマは家禽。家禽とは、鶏など家畜として飼われる鳥のことで、フランス料理の食材としては鴨や鳩が挙げられます。鳩などは日本の家庭の食卓ではなじみのない食材だけに、この機会にしっかりと特徴や調理法を学んでおきたいところ。先生が下処理から調理まで実演し、フランス料理のさまざまな技法とともにレクチャーします。

科目名
調理技術理論
テーマ
食材の扱いと加熱・応用的な調理方法 食材の知識⑩ 家禽-2 鴨・鳩
小池浩司先生
小池浩司先生
鴨や鳩の生産地やそれぞれで作られている品種の特徴、フランス各地の食文化、さらにフランスの三つ星レストランのメニューやセルヴィスの事例などについても実演をしながら解説。実際にフランス校で行われている実習なども紹介し、学生たちに具体的なイメージを持たせ、より深い理解を促します。
授業内容
家禽 鴨と鳩

家禽 鴨と鳩

鳩は血もソースになる?!
赤い色が高級感をもたらす。
鴨も鳩も、赤身の肉が大きな特徴。赤い肉にはそのイメージから高級感が表現しやすい食材です。フランス北西部のヴァンデ地方の「シャラン鴨」が有名な品種。さらに鴨には肉食用の他、フォワ・グラ用や北京ダック用など、用途に応じていろいろな品種があります。鳩は特有の血の香りが好まれ、エトゥフェ(血を抜かずに窒息させた状態)で流通するものがほとんど。鳩や鴨の血をソースに加えて旨味を増すといった、野性味あふれた調理法も、フランス料理ではよく見られます。
コンフィ

コンフィ

もとは保存食のフランス田舎料理。鴨のもも肉が
ほどよいやわらかさに。
鴨のもも肉は表面の皮が固く、筋肉質で身が引き締まっています。そんな鴨のもも肉にぴったりの調理法が、このコンフィ。塩漬けにした後、低温の油脂で長時間じっくりと煮込んで、身をやわらかく仕上げる調理法です。フランス南西部で作られていたこのコンフィは、もともとは鴨のもも肉を長期保存するために考案されたもの。実際に鴨のもも肉をコンフィにして油脂の中で保存すると、1週間から10日間は品質を保ちます。
温度は80℃を常にキープ。
じっくりと時間をかけて。
温度は80℃を常にキープ。じっくりと時間をかけて。コンフィは時間のかかる料理。鴨のもも肉を塩漬けにして一晩寝かせ、塩を抜くために水にさらしてから、ガチョウの脂に浸し、2~4時間かけて、じっくりと火を通します。脂の温度は80℃。肉のコラーゲンを溶解し、身をやわらかくすることができる温度です。温度計やコンベクションオーブンなどを使い、しっかりとこの温度をキープ。お店では、火が通ったらそのまま脂の中で保存し、オーダーがあれば取り出してフライパンで焼き、マスタードや付け合わせのサラダなどとともにお客様に提供します。
包み焼き

包み焼き

鳩の下処理を先生が実演!
胸ともも以外もソースに活用。
鳩の赤身の肉はやわらかく、ローストや詰め物をして焼くといった、さまざまな料理に活用されます。今回は胸肉ともも肉をパイ包み焼きに。まずは エトゥフェされた鳩の下処理から開始。頭部を落とし、気管などを取り除き、皮をはぎます。もも肉をはずし、肩口の関節部分をはずして胸肉を取り出し、さらに胸肉から手羽を落とします。胸肉ともも肉以外の残った部分も、ソースの材料に。血の味が、ソースの旨味を増してくれます。
パイ生地の上には、鳩のもも肉、鳩の胸肉、トリュフ、フォワ・グラの順に乗せ、一番上にシュー・フリゼを乗せて、包み込みます。パイ生地の上には、鳩のもも肉、鳩の胸肉、トリュフ、フォワ・グラの順に乗せ、一番上にシュー・フリゼを乗せて、包み込みます。オープンで焼く時は上下が逆になるため、鳩やフォワ・グラからあふれて流れ落ちたエキスは、一番下のシュー・フリゼにしみこんでいき、とてもおいしく仕上がります。
フォワ・グラも、トリュフも、
シュー・フリゼも包み込んで。
鳩の肉と一緒に包み込むガルニチュール(詰めもの)のメイン食材はシュー・フリゼ(ちりめんキャベツ)。鳩の肉と一緒に包み込むガルニチュール(詰めもの)のメイン食材はシュー・フリゼ(ちりめんキャベツ)。煮込んで味をしみこませると、とてもおいしいフランスの食材です。さらに焼いたフォワ・グラと、スライスしたトリュフもパイ生地の中に。フォワ・グラを焼く時は、いかに脂を閉じ込めるようにして焼き上げるかがポイント。弱火でゆっくり焼くと脂が流出してしまうので、表面だけさっと焼くイメージで。脂のかたまりですから、さわってみてやわらかいと感じたら、火は通っています。
焼き上がったらすぐお客様に。
それがパイ包み焼きのルール。
オーブンから焼き上がったパイ包み焼きを取り出したら、間髪入れずにお客様にお出ししましょう。パイの中には熱がこもっているので、その熱が鳩の肉をどんどん熱してしまい、時間を置きすぎると一番いい焼き上がりの状態を損ねてしまうのです。盛り付けの仕上げには、ソースに細かく刻んだトリュフを加えますが、このトリュフにはスライスした時に余った部分を使います。食材を無駄にしない料理人にとって大切な感覚です。焼き上がったらすぐお客様に。それがパイ包み焼きのルール。
ロースト

ロースト

鴨まるごとをオーブンで
ダイナミックに焼き上げる!
高級なイメージをもたらす赤身の鴨をまるごと焼き上げ、お客様の目の前でサービスマンが切り分けるといった演出で、お客様に大きな満足感を提供できる料理です。鴨の下処理として、まず頭部など不要な部分を取り、オーブンに入れたあとで形が崩れないよう、ブリデ(糸で縫う)します。もも肉と胸肉に塩・こしょうでしっかり味付けをしたら、オーブンに。今回は胸肉が一番おいしい状態に焼き上がるよう、温度と時間を設定します。
ソースの味の決め手となる
「ガストリック」とは?!
今回のオレンジのソースのような果汁と相性がよく、ソースにほど良い苦味と酸味を与えてくれるのがガストリックです。砂糖と水を煮詰めてカラメル状にして、赤ワイン酢を入れれば、ガストリックの出来上がり。カラメルは苦味が出るよう、少し焦がすことが大切です。甘味と苦味と酸味でソースにコクや奥行きをもたらすガストリックは、他のさまざまな料理にも活用できます。ソースの味の決め手となる「ガストリック」とは?!
「もも肉はいかがいたしますか?」
お客様のリクエストで調理!
「もも肉はいかがいたしますか?」お客様のリクエストで調理!焼き上がった鴨は、まるごとの状態でお客様に出し、サービスマンがお客様の目の前で、おいしく焼けた胸肉を切り分けます。でも胸肉にあわせて焼いたこの鴨のもも肉は、まだ生に近い状態。なので、このもも肉はいったん調理場に持ち帰られ、再び調理。この時の調理方法は、お客様次第。サービスマンがリクエストを聞き、さらにオーブンで焼いたり、網焼きにしたりと、お客様のお望みの調理を施すのです。理論の授業では、こうしたフランス料理店のセルヴィス(サービス)も学べます。