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学び

料理・お菓子の「なぜ?」を解き明かす

理論の授業に潜入!

華やかなフランベも実演!
レストランのデザートから学ぶ技術。

今回の授業は、レストランのデザートメニューになる洋菓子です。その実演を見ながら、学生たちは、氷菓やメレンゲ生地、クレープ生地などを作る上でのテクニックについて学習。さらにそれぞれのお菓子の背景や、レストランでのサービスなど、お菓子に関連する幅広い知識を得ます。

科目名
高度製菓理論 洋菓子
テーマ
ヴァシュラン・グラセ、ヌガー・グラセ、クレップ・スュゼット
畑中久信先生
畑中久信先生
ヴァシュラン・グラセの名の由来となっているチーズを使ったチーズフォンデュを、フランスで味わった経験を持つ畑中先生。「君たちも一度、食べてみてほしい」と、日本でこのチーズを入手する方法を紹介。また、フランスで購入したお気に入りのパレットへらを実演で活用しながら、「お気に入りの器具を揃えるのは楽しいよ」と、話してくれました。
授業内容
氷菓

氷菓

アイスクリームなどが
おいしいのは「乳化」の力。
glace(グラス=アイスクリーム)やsorbe(ソルベ=シャーベット)などの氷菓は、材料をクリームや果汁に加工し、冷凍凝固したお菓子。水を凍らせるとカチカチの氷になりますが、糖度を高くしたり、脂肪を乳化させたり、空気を含ませたりすることによって、ふんわりとした舌触りなどをもたらすことができます。今回の授業で先生が作ったヴァシュラン・グラセとヌガー・グラセも氷菓で、これらの名にある「glacé」は、「凍らせた」という意味のフランス語です。
メレンゲ

メレンゲ

砂糖を加えるタイミングで
質感が大きく変わる!
洋菓子作りに欠かせない材料の一つがメレンゲ。卵白に砂糖を加えて泡立てたもので、温度や泡立て方、砂糖を加える量やタイミングによって、泡のきめ、つや、こし、弾力が変化するので、その変化を観察しながら、目的に応じた質感にしていきます。今回のヴァシュラン・グラセに用いたムラング・フランセーズは、泡立てる前にグラニュー糖、泡立ててから粉砂糖と、二回に分けて砂糖を加え、フワフワ、シャクシャクとした質感を出しています。
メレンゲの種類とその特長
名称 加工内容
ムラング・
フランセーズ
ややきめが粗く、口溶けがよい。冷菓や氷菓の土台として用いられることが多い。
ムラング・
スイス
粘り、こしが強く、乾燥焼きすると、きめ細かくつやがあり、形が崩れにくい。
ムラング・
イタリエンヌ
ムースやソルベのベースに使われ、口当たりを軽くし、甘味を調節する。
ヴァシュラン・グラセ

ヴァシュラン・グラセ

名前の由来はチーズ。
「シャクシャク」「ふんわり」
の氷菓。
ヴァシュラン・グラセは、メレンゲでアイスクリームやソルベ(シャーベット)などを挟み込み、いろいろな食感が楽しめる氷菓。フランスとスイスの国境地帯で作られているチーズ「ヴァシュラン」に形を似せていることが、その名の由来です。

砂糖衣をからめたスライスアーモンドをちりばめ、サクサクの食感と香ばしさをプラス。

周囲の飾りにも焼いたメレンゲを活用。ツンと立てた角が、かわいいアクセントに。

純生クリーム47%でデコレート。ヴァシュラン・グラセが溶けないよう、仕上げは手早く!

ブリックス計をつかって、
ソルベの糖度を確認!
ソルベ作りの最初の工程としてフランボワーズのピュレにシロップを加えますが、この時、出来上がりの糖度がブリックス26%になるよう、ブリックス計で確認。ピュレをシャーベット状にするにはある程度の糖度が必要なので、アイスクリームマシンにかける前にしっかり調整します。ブリックス計をつかって、ソルベの糖度を確認!

ブリックスは糖度の単位の一つで、水と砂糖の割合が半々の砂糖水がブリックス50%。糖度を計測するブリックス計は、液体を通る光の屈折率で糖度を割り出す仕組みになっています。

メレンゲとソルベと
バニラアイスを重ねて層に。
円盤形に焼いたメレンゲを型の底に敷き、フランボワーズのソルベを、隙間ができないように詰めていきます。その上に、型の大きさにあわせて固めたバニラアイスクリームを置き、さらにソルベを重ね、その上からまたメレンゲでふたをして、冷凍庫へ。しっかり冷やしたら、生クリームなどで仕上げます。メレンゲとソルベとバニラアイスを重ねて層に。
ヌガー・グラセ

ヌガー・グラセ

メレンゲと生クリームで作る
ヌガーに似せた氷菓。
ヌガー・グラセは、ハチミツ風味のメレンゲと生クリームを合わせ、凍らせて作る氷菓です。たっぷりと加えたナッツとドライフルーツで、ヌガーのような見栄えと風味を持っているのが特徴。メレンゲは、煮詰めたハチミツを少しずつ加えながら泡立て、固くしっかりとした質感に仕上げます。

装飾に用いるチョコレートは、冷やした鉄板の上に、絞り袋に入れたチョコレートを、細い線で模様を描くように絞って作ります。

生クリームは8分立てに。
泡立ちをよく見極めて!
メレンゲと合わせる生クリームは「8分立て」。生クリームは泡立てると空気が入って体積が増えていきますが、立てすぎると逆に体積が減り始めます。8分立てくらいが、空気がたくさん含まれ、最もフワッとした状態です。この生クリームとメレンゲとをなじませ、ナッツやドライフルーツを加えて型に入れ、冷凍庫へ。マイナス20℃くらいでしっかりと固めます。生クリームは8分立てに。泡立ちをよく見極めて!
結晶化しやすい118℃がカラメリゼ作りのポイント。
ヌガー・グラセの中に入れるアーモンドのカラメリゼを作るには、まず水に砂糖を溶かし、118℃まで煮詰めてからアーモンドを投入。この118℃という温度のシロップは、少し衝撃を与えるとどんどん結晶化する、不安定な状態。この中でアーモンドを煎ることで、砂糖の結晶で全体がコーティングされ、おいしいアーモンドのカラメリゼができていくのです。結晶化しやすい118℃がカラメリゼ作りのポイント。
アントルメ

アントルメ

デザートのお菓子は、
料理との相性も考慮して。
アントルメ(entremets)はフランス語で、料理のあとにデザートとして食べる甘いお菓子のこと。アントルメは料理との相性を考えて提供されます。アントルメには温かいもの(entremets chauds)と冷たいもの(entremets froids)があり、ヴァシュラン・グラセなどの氷菓はアントルメ・グラセ(entremets glacé)とも呼ばれます。温かいアントルメの代表的なものとして、クレープ、ワッフル、ベーニェ、スフレが挙げられます。
クレップ・スュゼット
19世紀に誕生した
伝統的なアントルメ。
クレップ・スュゼットは華やかなサービス方法が特徴です。1895年にフランスのアンリ・シャルパンティエが考案。そののち、オーギュスト・エスコフィエが世に広めました。オレンジのカラメルソースで煮たクレープに、グランマルニエ(オレンジのリキュール)を注ぎ、フランベして仕上げます。19世紀に誕生した伝統的なアントルメ。
オレンジのカラメルソースを
クレープにたっぷり吸わせて。
オレンジの皮で香りづけをした角砂糖をつぶして熱し、カラメルになればバターを加えます。バターがきれいに混ざると、カラメルが固くなりません。さらにオレンジジュースと細く切ったオレンジの皮を加えて香りを出し、温まったらクレープを投入。クレープは通常より分厚く焼いておくほうが、ソースをたっぷり吸っておいしくなります。さらに香りづけのアルコールとして、グランマルニエとコニャックを用います。オレンジのカラメルソースをクレープにたっぷり吸わせて。
これがレストランのサービス。
先生が見事なフランベを披露!
オこれがレストランのサービス。先生が見事なフランベを披露!お客様の目の前で、オレンジの皮を螺旋状につなげて剥いたものに、火をつけたアルコールを伝わらせながらクレープにかける、というのがクレップ・スュゼットの演出。あとは温かいうちに食べてもらいましょう。それが、温かいアントルメの鉄則です。