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学び

料理・お菓子の「なぜ?」を解き明かす

理論の授業に潜入!

由緒正しい縁高弁当のなかには、
歴史的知識や料亭の技術がぎっしり。

仕出し料理店などで見られる、蓋のついた深い器のお弁当。中には焼き物や煮物、御飯などが、美しく盛り付けられています。日本料理や茶道の世界で古くから親しまれてきた、このお弁当が今回の授業のテーマ。その由来や作法、一つ一つの料理を作る技法と盛り付け、さらに素材についての知識や飾り串の作り方まで、広く深く学びます。

科目名
調理技術理論
テーマ
点心について・それぞれの料理の作り方 弁当③ 点心
橋本宣勝先生
橋本宣勝先生
自身の修業時代のリアルな体験談や、テレビ出演時のエピソードなどもまじえながら、楽しく授業を進めます。さらに料亭での食事の際に出会った、賀茂茄子の田楽の一風変わったあしらいや、炭の焼き床で甘鯛の若狭焼きのうろこを香ばしく仕上げる手法についても紹介。教科書だけでは得られない、日本料理の「今」も、先生のお話から学べます。
授業内容
点心

点心

中国料理の「点心」とは違い、
日本料理では略式の会席料理。
中国で間食や軽食をさす「点心」という言葉が日本に伝わったのは室町時代。時を経て現在、日本料理の世界では、略式のおもてなしに作られる料理を「点心」と呼んでいます。料理屋ではさまざまに応用され、多くは大徳寺縁高や手付竹籠、松花堂縁高など点心弁当として提供されています。一つの器の中に、お造りとお吸い物以外の会席料理がすべて盛り付けられているのが特徴です。
大徳寺縁高
大きさや形式が定められた
点心弁当の器の有名ブランド。
点心の器の代表格の一つが、この大徳寺縁高。従来は和菓子を入れる器でしたが、時代とともに用途が広がり、点心にも用いられるようになりました。正方形の隅切りで一辺が約七寸、深さは二寸で、縁の一ヵ所に綴じ目があり、かぶせ蓋の裏には「大徳寺」の焼印があります。すべての料理が一度に食べ手の目にふれるので、「御飯は積み、串は立てる」といった立体的な盛り付けや彩りへの心配りが重要です。点心の器の代表格の一つが、この大徳寺縁高。
鉄砲串

鉄砲串

立体的な盛りつけに欠かせない
飾り串作りも先生が実演。
縁高弁当の立体的な盛り付けと彩りに一役買う、鉄砲型の飾り串。料亭などでは料理人が一つ一つ丁寧に作ります。緑の面を上にした時、鉄砲の筒にあたる部分が左側になるのが決まり事。お客様が口にするものなので、ささくれなどないよう、安全性にも気をつけて。材料にあわせてさらに切り揃え、盛り付ける時には串の先が見えないように斜めに刺すことが見栄えを良くするポイントです。1竹を小刀でタテに割り、1cmほどの幅の小さな竹の板を作ります。 2そのままでは分厚いので、2〜3mmの厚さになるよう削ります。 3緑の面を右側にしてまな板で固定し、不要な部分を手前から押し出すように徐々に削り取っていきます。 4ささくれを取り、先が鋭角になるようにカットすれば出来上がり。
モロヘイヤ浸し

モロヘイヤ浸し

糸花鰹の繊細な美しさの
秘訣は「ガラスで削る」!?
お浸しの上に乗せる糸花鰹は、鰹節を薄いガラスの破片で削って作ります。鰹節には背中側の「雄節」と腹側の「雌節」の二種類があり(オスとメスの違いではないことに注意!)、糸花鰹は脂の少ない雄節で作るほうが、色が鮮やかになります。
鶏もも山椒焼き

鶏もも山椒焼き

仕上がりの直前に振る
山椒塩が味の決め手に。
酒をまぶした鶏もも肉に金串を刺し、焼き床でこんがりと。通常、焼物は焼く前に塩などで味付けをしますが、この山椒焼きは仕上がり直前に山椒塩を振るのがポイント。
かます若狭焼き

かます若狭焼き

名に若狭とあるが、実は京料理。
薄味の漬け地には歴史がある。
若狭焼きに用いる若狭地は、魚の漬け地としてはかなり薄味。昔、若狭湾で獲れた赤甘鯛を、日持ちするよう塩で締めて京都まで運び、この塩をほどよく抜いておいしく食べるために作られたのが、この漬け地なのです。かますには切り込みを入れてから両褄折れ串を打つと、食べやすく、仕上がりの見た目も良く、焼く時に火ぶくれも起こりにくくなります。
鱚梅南蛮漬け

鱚梅南蛮漬け

串を刺したまま揚げるから、
盛り付け時も立体的な形が保てる。
鱚はまず強火で焼いて香ばしさを出してから、油で揚げます。焼く時の串の打ち方は、身の片端を内側に巻き込む「片褄折れ串」。身を丸めることで、深い器の中で高さを持たせた盛り付けができます。丸い形を保つよう、揚げる時も串は刺したままで。
茶筅茄子味噌煮込み

茶筅茄子味噌煮込み

茄子から広がる派生知識。
「水茄子の皮はデリケート」。
浅く切り込みを入れた小茄子を素揚げにし、ねじって茶筅の形に。ちなみに茄子をぬか漬けにする時、塩とミョウバンで揉んでから漬けると綺麗な色が出ますが、水茄子の場合は皮がやわらかいため、同じことをすると表面に傷がついて色が悪くなります。
竜眼穴子

竜眼穴子

竜の眼に見立てた切り口が
綺麗にできるよう調理に工夫。
鶉卵がすべらないよう、穴子と鶉卵の両方に葛粉を打って巻き、竹の皮で止めます。煮た後、竹の皮をはずさずに冷蔵庫で冷ますと、穴子のゼラチン分が渦巻き面に張り付いて切りやすくなります。
青竹串刺し

青竹串刺し

見栄えや食感を良くするため、
焼く時も冷ます時も細心で。
見栄えや食感を良くするため、焼く時も冷ます時も細心で。車海老は煮た後、鍋ごと氷水で冷まします。鍋から出して冷ますと、水分が抜けすぎて身がパサパサになるので注意。紋甲烏賊は縫い串と添え串を打って反りを防ぎ、焼きすぎないよう、表面に塗った海胆と卵黄を乾かすように弱火であぶります。
高野豆腐博多

高野豆腐博多

包丁は「ポン!」と落として
切り口の面を美しく。
厚さを三等分した高野豆腐の間に、海老のすり身を塗って挟み込んで蒸し上げ、さっと煮た料理。厚さを三等分した高野豆腐の間に、海老のすり身を塗って挟み込んで蒸し上げ、さっと煮た料理。高野豆腐と海老の切り身が重なった切り口を美しく見せるために、切りそろえる時は、包丁を上から落とすような感覚で。
清汁仕立 木耳しんじょ
金糸瓜 柚子

清汁仕立 木耳しんじょ 金糸瓜 柚子

茹でて、冷まして、ほぐす。
その繰り返しが、食感を守る。
氷水で冷やして手で中心部から繊維をほぐし取ります。椀物に入れる金糸瓜は、輪切りにして種を取り、茹でて中心部の繊維が少しやわらかくなったら、氷水で冷やして手で中心部から繊維をほぐし取ります。少しずつほぐし取るのがポイント。火を通しすぎると、シャキシャキした食感が損なわれます。