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日本料理体験記~vol.5 ぶりの照り焼き 

     

Vol.5  ぶりの照り焼き

お寿司、うどん、天ぷら...どれも外国でよく知られている代表的な日本料理です。
ある時、アメリカでTERIYAKIという看板を見つけたことがあります。

どんなものかと思い注文してみたところ、照り焼きチキン丼のようなものがでてきました。
想像よりもずっと濃厚で甘ダレのような味でしたが、アメリカ人の味覚にはぴったり合うようでした。

その後もいろんな街でTERIYAKIと遭遇しました。
そのうちそれがアメリカでは甘ダレをかけて焼いた鶏肉のことだということがわかり、友人に"I love TERIYAKI"と言われても不思議に思うことはなくなりました。

照り焼きはたまり醤油やみりんを使ったタレを魚や肉にかけて焼く調理法です。
でも、アメリカのいろんな街で愛されているTERIYAKIという料理も時々恋しくなります。



さて、今回の料理は第9課より「ぶりの照り焼き」です。

まずはたまり醤油、みりん、砂糖、濃い口醤油、白身魚の中骨を使って照り焼きのタレを作ります。

火にかけてあくを取りながら約1割煮詰めたら、ネル地で漉したら冷ましておきます。

次に作るのは副菜の蓮根に使う甘酢。水、酢、砂糖、塩で甘酢を作り冷ましたら、種を取り除いたたかの爪を入れます。
こうすることで味がピリっと引き締まります。


次はぶりです。
厚さ2cmに切ったぶりに塩を振って約30分そのままにしておきます。

第1課から第9課まで、これまで講座を通して何度か出てきましたが、調理する前のこの一手間で魚から余分な水分を取り除くことができます。
こういった作業を習慣づけることで家庭での料理が一味変わっていきます。

さて、30分たったら塩を洗い落として水気をふき取ります。
その後、ぶりに皮目に切り込みを入れ一口大に切ったら小麦粉をまぶします。
先生によると、切り込みを入れることで食べる時にちょうどいい大きさでほぐすことができるとか。
こういった心配りは握力の低下している高齢者の方や小さなお子さんにも喜ばれるのではないでしょうか。

さて、第9課のポイントは「間接焼き」。
直接焼くのではなくフライパンや鍋、陶板、石、アルミホイルなどを使って焼きます。

直接焼きの場合は、調理場で加熱調理を完了させて焼きあがったものをお客さんに出すのが一般的ですが、間接焼きの場合は、客席で調理することが可能なので、演出を楽しめる調理法といえます。
今回使うのはフライパン。サラダ油を入れたら、ぶりの表面を皮目からこんがり焼きます。

火が通ったらフライパンから取り出します。
フライパンを洗ったら再び火にかけて今度はタレを入れます。
沸騰したらぶりを戻し、タレをかけながら表面につやが出るまで煮詰めます。


茹でた蓮根を甘酢につけたものと、おろした辛味大根と一緒にぶりを盛り付ければ完成です。

先生のアドバイスどおり蓮根は酢につける前に酢で洗うことで水っぽさがなくなりました。
あしらい1つにもプロの手間と技があるのですね。

さて、濃厚な照り焼きはご飯にもお酒にもよく合います。また、辛味大根や酢取り蓮根と一緒に頂くことで口がさっぱりするため、最後の一口までおいしく頂くことができます。
一皿の料理をおいしく頂くための工夫に優れているのは、日本料理ならではの特徴かもしれませんね。




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