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日本料理体験記~vol.6 茄子のいりだし

     

Vol.6  茄子のいりだし

料亭の一品ものとして、また家庭の食卓やお弁当のおかずとしても大活躍の揚げ物。

テキストによると揚げ物という調理法が定着したのは江戸時代。ほかの調理法と比べて新しいと言えます。揚げ物は衣揚げ、素揚げ、から揚げ、変わり揚げの4種類に分類され、使用する素材も海老や烏賊、鶏肉、野菜類など多様です。


さて今回は第11課、12課の「揚げ物」より暑い夏に最適な食材、茄子を使っての「茄子のいりだし」です。

私の愛読書に「キッチンに一冊 食べものくすり箱」(著:阿部絢子、講談社+α文庫)という本があります。

キッチンにある身近な野菜や果物の薬効について書かれている本で、食材の選び方と調理法を知ることが健康やダイエット、美肌作りの基本であるということが書かれています。

この本によると、煮ても焼いても炒めても、また揚げても漬けてもおいしい茄子は、中国では古くから冷やす作用があるとされ、はれものや口内炎の緩和などに利用されてきたと紹介されています。高たんぱくでカロリーが低く油とも相性のいい茄子は、適度に食べることで高血圧などにもいいそうです。


暑いこの時期に積極的に使いたい食材ですね。



さて、まずはいりだしを作ります。いりだしというのは揚げ物料理のひとつで、醤油味をきかせたもの。また、いりだしにかけるだしのことも同じくいりだしと呼びます。

先生によると、ここでのポイントはみりんを煮切ってアルコール分を抜くこと。その後、だし汁に薄口醤油、濃口醤油を加えて完成なのですが、薄口と濃口、両方の醤油を同じ分量で加えることで、だしの色合いのバランスよくなることがわかります。


次は主役の茄子です。紫の皮の部分だけを薄くすき取るようにむくのですが、のんびりしているとあくがでてきて色が変わってしまいます。


むいては水でさっと洗い・・・という作業を繰り返しながら手早くむいていきます。

ここでの注意はむきすぎ。紫の皮の部分だけを薄くむくことで淡い緑色が残るのですが、気をつけないと緑色の部分もむいてしまい白くなるので要注意。

目で楽しむ日本料理というのは、作り手の細やかな心配りがあって成り立っていることを改めて実感します。


さて、水を切って適当な大きさに切ったら、茄子を160℃で揚げていきます。

今回使う油は太白油。生の胡麻から採油したもので、ほのかな香りがあって熱に強いのが特徴です。

そのほかこの11、12課では、サラダ油、紅花油、白絞油、胡麻油など、油の種類についても学びます。



揚げた茄子は生だったときよりも鮮やかで光沢のある緑色に変わります。揚げ終わったら、今度はいりだしの仕上げです。もう一度火にかけ、水溶き片栗粉でとろみをつけていきます。


ここでのポイントは煮立てることで葛粉のでんぷん臭を除くこと。

これまで、とろみをつけるとだしの色が少しにごったように見えたことがありませんか?
今回のように薄口と濃口の醤油の分量を調整するなど、だしの色に気を配ることでとろみをつけた際の色合いが絶妙な加減になるのかもしれませんね。



さて、最後にいりだしに加えるのが切り胡麻です。

白むき胡麻を弱火できつね色になるまで煎って刻んだもので、生で食べるときよりもこうばしい香りがします。

皿に盛った茄子にとろみのついたいりだしをかけ、葱と大根おろしを盛れば完成です。

淡い緑色の茄子はとろみのついただしをかぶってつやつやして、食欲をそそります。
ビールにも合い、身体にも優しい、夏の夕食にぴったりな一品に胸が躍りました。



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