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辻調グループ フランス校

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長谷川 智久さん フランス洋菓子店「A quatre」(ア・キャトル)勤務

卒業生レポート

2012.11.19

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長谷川 智久さん Hasegawa Tomohisa

エコール 辻 大阪 製菓マスターカレッジ 2010年3月卒業
シャトー・エスコフィエ 製菓研究課程 2010年秋コース卒業
研修先: Pâtisserie MATYASY (パティスリー・マティアジ)

店名:フランス洋菓子店 A quatre (ア・キャトル)
大阪府大阪市西区阿波座1-14-4
TEL:06-6533-0041

http://www.a-quatre.jp/index.htm

フランス校は、「一番の宝物で満ちた空間」

『A quatre』(ア・キャトル)は、大阪市阿波座の中央大通から少し南に入ったところにある老舗のフランス菓子店です。
その門構えは、店前の通りを一段も二段も格上げするような品格ある雰囲気を漂わせています。
重厚で華やかな外観から一見フレンチレストランかブライダル系の店舗と思われる方もいるかもしれませんが、
そこにはシェフのこだわりが随所に見られます。持ち帰りだけでなくイートインも可能で、正統派フランス菓子を
味わうことの出来る洋菓子の名店です。

今年の4月からこのお店に勤務している長谷川智久君は、昨年夏にフランス校から帰国した卒業生。
2010年にエコール 辻 大阪を卒業後、その秋にフランス校へ入学、南仏にある「パティスリーマティアジ」でスタージュを
経験しました。一人前のパティシエとしてはまだまだ駆け出しの長谷川君ですが、実はこちらのオーナーシェフ
阪口敦彦氏もフランス校の卒業生。先輩から、パティシエとして、また社会人として一からしっかり教えていただいている
ようです。

今回はそんな社会人一年生の長谷川君に、就職後半年が経過した今の心境とフランス校時代についてお話を聞きました。

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お店の外観、夜はフランスの街路を思わせる素敵な雰囲気を楽しめます

■ 就職して早半年。現在のしている仕事について、そして実際に社会人として働いてみて感じること
朝はガトーの仕上げ、生地等の仕込み、開店後は接客販売(喫茶も)、ガトーの仕込み計量等準備を、
シェフが来られてからはガトーの仕込みの助手、その他お店の管理などもさせていただいています。
学生と社会人とでは一つ一つお菓子を作る重みが全然違います。
同じケーキ作りであっても、ただ作るのではなくお給料を頂いて作るということ、また、生活をしていくためには
一つでも多くのケーキを買っていただきたい、そのためには常に失敗は許されず、妥協をしないことです。
僕も少しでも早く一人前になれるように努力していきたいと思っています。

■ 現在のお店を就職先として選んだ理由
初めてシェフとお話をさせていただいた時にシェフの考え方を聞いて、この方の下でなら僕自身
もっと変わっていくことができるのではないかと思ったからです。
そして何よりもガトーが美味しかったことです。僕もここのケーキを作りたいと思えたからです。

■ パティシエとしてやりがいを最も感じられること
仕事は辛いこともあり大変かもしれませんが、食べてくださったお客様、買ってくださったお客様から
「ありがとう、美味しかった」という一言を言っていただけることです。
仕事をしていてパティシエでよかったと一番やりがいを感じられます。

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店内の様子 イートインのカウンターとテーブル席もあります

■ 仕事で常に心掛けていることやパティシエとして大切だと思うこと
一つ一つ使う材料を大切にする。常にベストな状態で使用する。常に考えて作り、何よりも一番にケーキを大切にする。
それがパティシエとしてお客様を大切にする事に繋がると思います。
僕はまだまだ至りませんが、目下修行中です!

■ フランス校の先輩でもあるオーナーシェフについて
シェフは常にケーキに対して真剣で、妥協を許さず厳しい方です。
シェフの作る姿を見ていると今まで厳しい環境下で積み重ね成し遂げてこられた経験の重みが直に伝わり、
改めてすごい方だと思います。そしてまだまだ生ぬるい僕を、愛情を持って叩き直してくださるので、
本当に尊敬できる方です。

現在の仕事を通して、得たいこと
技術はもちろんですが、シェフのガトーに対する考え方、精神を少しでも多く僕自身にも持てればと思っています。

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ガトーのショーケースは他店にないスタイル。最高の状態でケーキを提供できるように
とのシェフのこだわりです。焼菓子にも定評があり、常連客も少なくありません。

フランス校・スタージュの体験が今の仕事にどのように生かされていますか?
実を言うとまだ学んできたことを生かしきれているとは言えない状態です。
ただ今の僕が一つ言えることは、どんなことがあっても「諦めたくない、最後までやりぬく!」という気持ちが持てるのは、
フランス校の経験があったからこそだと思います。

今も記憶に残るフランス校・キャメラシェフの言葉
スタージュに出る前にキャメラ先生から頂いたお言葉ですが、「これからスタージュへ出ると良いところ、悪いところ、
いろんなことを感じ見ることでしょう。まずは経験としてそこのお店のやり方を学び全てを吸収するとこと。
そして学校とは違いお客様があっての本当の商売。それをしっかりと考えること。」今改めて実感しています。

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フランス校時代の様子

卒業して思うフランス校・スタージュの一番の魅力は?
日本では決して経験のできないフランスの文化、本場の味を学び、スタージュで本場の仕事を見て、経験し、
知ることができたこと。そして限られた空間、時間の中で、かけがえのない仲間ができたことです。

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スタージュ先のシェフとマダムと一緒に

一番の宝物で満ちた空間

フランス校で学んだこと、仲間と一緒に生活を共にした日々、素晴らしい料理やお菓子に出会えたこと、
それら全てが本当に大切なものです。フランス校は僕にとって生涯忘れられない思い出が詰まった場所です。

■ フランス校に進学する後輩たちへのメッセージ
フランス校は少人数で学び、過ごし、スタージュではフランス人の中で揉まれます。
でも10ヶ月とはあっという間です。技術や知識はある程度身につきますが、そこで全てを学び、修得することは
正直難しいです。ですので、皆さんにはフランス校へ行く前に、なんでもいいので何か大きな目標を決めて、
「それをフランスで勝ち取るためには誰にも負けない!」という強い精神を持って進学して欲しいです。
その目標を達成し、勝ち取って欲しい。その精神はきっと日本の現場に出た時に生きてくると思います。

フランス校での経験が現場に出てから存分に生かせるように、皆さんがんばってきてください。

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11月初めに来日したナレシェフのイベントに、飛び入り参加してくれました

※ 長谷川君はフランス校在学中、毎日ブログを書いていました。
学校生活やスタージュの様子が良く割りますので、ぜひアクセスしてみてください。

『フランス留学記~10ヶ月の記録~』はこちらから⇒ http://ameblo.jp/patissier-bebe/