FRANCE

辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Serge VIEIRA(セルジュ・ヴィエラ氏)/Serge VIEIRA(セルジュ・ヴィエラ)

フランス校教壇から

2018.12.08

今回の講習は、オーベルニュ地方の大自然に囲まれた村ショード=ゼグChaudes-Aiguesにある、2つ星レストラン「セルジュ・ヴィエラ」のセルジュ・ヴィエラ氏にお越しいただきました。
ヴィエラ氏は数々の有名シェフのもとで修業された後、2005年にフランス料理の世界大会である「ボキューズ・ドール」でフランス代表として出場し、優勝された輝かしい経歴の持ち主で、翌大会(2007年)はスペインチームのコーチとして大会に参加されました。

ヴィエラ氏の料理は土地の素材を最大限に生かし、繊細さと斬新な発想ゆえ常に世界からの注目を集めています。素材は自らの目で厳選し、料理には季節のものを取り入れ、その時のインスピレーションで仕上げるため、提供される料理はめまぐるしく変化をしていくそうです。

また、この店はフランス校研究生の研修先レストランでもあり、研修生の東房さん、お店のスタッフのアレクシィ氏と料理を作っていただきました。

Filet de biche saisi au poivre Cubebe, gnocchi de butternut,
salade de noix fraîches et rutabaga au vinaigre de cidre, sauce poivrade
雌アカシカのフィレ肉、バターナッツかぼちゃのニョッキ、
シードル酢香るルタバガと生クルミのサラダ、ソース・ポワヴラード

まさしく今レクレール校で行われている実習メニューの元となった料理で、
ヴィエラ氏の秋の定番メニューでもあります。

中心にはメスのアカシカの背肉を香ばしく焼き、ソースを塗り半分だけ黒コショウとマスタードシードのパウダーをまぶしつけたものを置きます。まわりには、バターナッツかぼちゃを薄く帯状にスライスし、レモン風味のドレッシングでマリネして巻きつけたものと、赤玉ねぎをシードル風味の酢でマリネした2種のピクルス、バターで炒めたバターナッツかぼちゃのニョッキ、かぼちゃのピュレとルタバガ(注1)のディスク、サラダ、クルミなど様々な付け合わせを肉を取り囲むように盛り付けます、
最後にソース・ポワヴラードというこしょうの風味を効かせたソースを回しかけ完成です。

Fricassée de cèpes, gelée noire de champignons et
sabayon au beurre de cèpes
セップのフリカッセ、キノコの黒いジュレと
セップ風味のソースサバイヨン

2品目はこの時期にしかないセップをふんだんに使用した料理でした。

皿に半月状にセップのパウダーを敷き、キノコの香りを凝縮したコンソメゼリーを並べます。
右にはエシャロットと共に炒めたキノコをクリームで仕上げたセップのフリカッセ(注2)、
その上には断面をバターで香ばしく焼いたセップ、レモン風味のドレッシングで味付けした生の薄切りのセップのサラダ、セップ風味の板状のアメ、
セップのピュレなど様々に調理されたものが乗せられています。
横にはセップ風味のソースサバイヨン(注3)が添えられていました。

研修生の東房さんから、お店の紹介と研修の話をしていただきました。
当初は少し言葉の面で戸惑うこともあったそうですが、
研修が始まってから2か月が経過した現在は、共にヴィアンドを担当しているアレクシィ氏やヴィエラ氏からも信頼されているようでした。

今日アシスタントを担当したのは、
スタッフのアレクシィ氏、シェフのヴィエラ氏を挟んで左から研修生の東房嘉門さん、研究生の高橋碧惟さん、今井優さん、嶋田駿さん、古庄達雄さんでした。

注1...ルタバガ スウェーデンかぶ。セイヨウアブラナの変種。
注2...フリカッセ 元は家禽や仔牛などを白く煮上げる料理の事を指すが、しばしばキノコやエスカルゴなどにも用いられる。
注3...サバイヨン 卵黄にアルコールや水を入れ加熱しながら泡立てたソース、またはそのベース