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【半歩プロの西洋料理】始まりはニュージーランド

01<西洋>半歩プロの西洋料理

2014.03.07

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ここはニュージーランド(以下NZ)の都市オークランド。

今から約10年前、私は当時高校3年生で、進路に迷っている最中、この都市を訪れました。

小さな頃から「夢は?」と聞かれると「.........」となっていた子供でしたが、
ただ一つだけ漠然と興味のある事がありました。
それは「海外」という土地への興味です。子供の頃から今でも変わりはありません。

当時、部活を通じて大学への進学をも考えていましたが、それをやめて料理の道に入ったのは
他でも無い、このNZでのある出会いがあったからなのです。今回はその事をお話します。


「親戚のおじさんがNZのレストランで働いている」
母からの一言で私は一週間NZへと飛びました。

夢にまで見た初めての海外、見るもの、食べるもの全てが日本と違い、
違和感を感じながらも、初日から「海外っていいなぁ!」と思ったのを今でも覚えています。
と同時に「海外で働きたい!」
今まで夢のなかった私が初めて夢を持った瞬間でもありました。

場所は変わって、オークランドの数あるレストランの中でも人気レストランの一つ 「カーマデック」

一週間付きっきりで面倒を見てくれた叔父は辻調の卒業生であり、このレストランのゼネラルマネージャーで、
以前はNZの大使館で働いていたそうです。

そのレストランで叔父と食事をしながら、これまでの事、これからの事について話をしました。
叔父に言われた言葉は一字一句、胸に刻まれています。許可は得ていませんがここに書かせて頂きます(笑)。

「慧君、人はね、食べてかなきゃ生きていけない、その食べ物は必ず人の手が必要になる。
これからどれだけ時代が変わっても、料理人という仕事は無くならない」

「カミさんには悪いけど、僕は50年生きてて辻調で過ごした一年間が今までで一番楽しかったよ」


これまで料理という道を考えていなかった私が、この叔父の言葉で初めて料理に興味を持ち、
「料理ができれば、自分も海外で働く事ができるのかも!」というビジョンが出来上がったのです。

一年で卒業したら叔父さんの元へ...と考えていましたが、
在学中にフランス料理に興味を持った私はフランス校へと進学し、少し違った形かもしれませんが、
「海外で働きたい!」という夢を実現することができました(前回の記事をご参照下さい)。

料理の道を志した理由というのは十人十色。
このNZという土地と、レストラン・カーマデックが私の原点です。
夢を実現させてくれたこの国での出会いはかけがえのない思い出であり、
近いうちに、再び訪れたい土地でもあります。

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今回ご紹介する料理は、NZではポピュラーな羊を使ったフランス料理!
私が初めてラムチョップを食べたのもこのNZで、色んな意味で衝撃を受けたのは今となっては良い思い出です。
「脂の匂いが...」?
いいえ!簡単においしくできるんです!
是非お試し下さい!

担当者情報

このコラムの担当者

紫藤 慧

このコラムのレシピ

子羊の香草風味焼き

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