TOKYO

ゲリドンサービスって知っていますか?

調理応用技術マネジメント学科

2025.12.17

今年もいよいよ最後の月を迎えました。
冬のイベントが街を彩る中、学生たちも冬休み前の授業に励んでいます。

今回は、調理応用技術マネジメント学科2年生のサービス理論の授業の様子を見てみましょう!
2年生の学生たちは普段レストラン実習の授業の中で、実践的にお客様にサービスする機会があります。
今年4月から初めてサービスを経験する学生もいますし、今までアルバイトなどで経験している学生もいます。
皆さんはレストランサービスと言われてどんなサービスを想像しますか?
テーブルのセッティングをし、お客様を迎えて、お料理を運ぶ、お皿を下げる、飲み物を出す。
一般的にはこのような想像をされるのではないでしょうか?

レストランサービスは、この他にもお客様の前でそのテーブルのお客様のためだけにサービスをし、
満足度を上げる演出も必要になります。
今回の授業はこのレストランサービスにおける現代の演出方法の考え方について
より詳しく深堀していく内容で学びました。


まず、レストランサービスの方法は大きく4つに分類されます。
 ① フランス式サービス(お客様が自分で自分の皿にとるサービス)
 ② イギリス式サービス(大皿提供でサービスマンがお客様のお皿に取り分ける)
 ③ 皿盛りサービス(調理場で1人前ずつ盛り付けられた料理をサービス)
 ④ ロシア式サービス
  (料理はお客様の目の前でサイドテーブルを置き、カットや調味をサービスマンが行い提供するサービス)

今回はその中でも④ロシア式サービスの演出について学びました!
サイドテーブル(ゲリドン)でのサービスをすることを「ゲリドンサービス」と言います。
料理を最高の状態でお客様に味わってもらうためのサービスです。
今回の授業ではデクパージュ(切り分ける)、パルタージュ(取り分ける)、フランバージュ(炎を上げる)、
フィルタージュ(上身にする)をサービスの先生が実践しながら見せました。

まずフルーツを使ったデクパージュ(切り分け)です。

お客様の好みの素材を聞き、適切な大きさに素材をカットします。
今日準備したフルーツは6種類です。
注意点はお客様が食べる素材には直接手で触ってはいけないのでナイフ、フォークを使って作業をします。

まず、オレンジです。


次にグレープフルーツ。


丸いフルーツは果肉も丸くなっているので綺麗な球体に仕上がるように包丁を動かします。

この2種を交互に組み合わせて盛り付け、カンパリを注ぐとクープ・フロリダというデザートになります。

次にバナナです。

皮をむく作業ももちろんフォーク、ナイフを使います。
柔らかくて長い素材なので運ぶときも折らないように慎重に移動することがポイントです。

キウイフルーツです。

サービスの先生曰く、フルーツの中で一番剝きにくいそうです。
理由はフォークを刺す芯が短いので支えられる部分が凄く少ないのと、皮が薄く果実は柔らかいからです。

次にりんごです。

りんごも皮が薄く、変色しやすいフルーツなので包丁の切れ味が目に見えてわかります。
包丁をしっかり動かせていたら変色しにくいフルーツです。

最後にパイナップルです。



学生には不要な皮を別皿に移すサービス補助をしてもらい、先生の一番近くの特等席で作業をしてもらいました。


フルーツはデクパージュのみではなく、そこからデザートとして使うことが多いです。
デザートを作る際にそれぞれのフルーツに合うお酒の紹介もしていました!

次にローストチキン、シーザーサラダのパルタージュ(取り分ける)です。
まず、ローストチキンです。


ローストチキン大きな塊のものを均等に取り分けし提供します。



手羽先を外し、もも肉、胸肉も取ります。



盛り付けはお客様のお好みを聞き、量や好みに合わせて調節をします。

次にシーザーサラダはソースからお客様の目の前で作成し、食材を調味して仕上げます。


マヨネーズをベースにお客様の好みで副材料を入れます。
作業の数が多いのでお客様を引き付けられるような会話力が必要になります。
また、味を調えるため味覚もとても大事になります。

次は舌平目を使ったフィルタージュ(上身にする)です。ナイフを使わずに魚を上身にします。


骨の構造を理解していると簡単に素早く作業ができます。
肉よりも身が柔らかいので割れやすく、移動のときは慎重になります。

最後にパイナップルを使ったフランバージュ(炎を上げる)です。
ブランデーなどのアルコール分を使い、炎を上げる演出です。
今日はパイナップルと相性のいいホワイトラム酒を使いました。
フランバージュは炎を上げるためにテクニックが必要なので細かく説明をしながら実践をしていました。


ホワイトラム酒のボトルの開け方ひとつにも所作として綺麗に見えるようなテクニックがあります。
学生たちもペットボトルのキャップを使って実践していました!

フランバージュはレストランサービスで一番華やかで、お客様への満足度も高い演出だと思います。



炎を上げる瞬間は学生たちも前のめりになって授業を受けていました。
クリスマスも近いのでもしかしたらローストチキンのデクパージュをする学生もいるかもしれませんね!
今回の授業内容のフルーツのデクパージュは年明けの実習授業の中で実践をします。
サービススキルもしっかり学びましょう!

~プロフィール~
辻調理師専門学校 東京
西洋料理担当
三枝 加奈

フランスが大好き!料理はもちろんですが、フランスの野菜や果物も大好きです。
建築物も魅力的で特にお城と天井マニアです。
色彩の美しさに魅了されて時間を忘れるほど見入ってしまいます。
おすすめはシュノンソー城、ヴェナリア宮殿、オペラ座です。