COLUMN

食のコラム&レシピ

【半歩プロの西洋料理】 日本には無い環境で

01<西洋>半歩プロの西洋料理

2012.04.27

<【半歩プロの西洋料理】ってどんなコラム?>

 

IMGP1802.JPG

 

ここはフランスにある小さな村「ウジェニー・レ・バン」。 
フランスの南西、ボルドーとピレネー山脈の間のランド地方の内陸部にあります。
交通のアクセスが悪く、私がはじめてこの村を訪れたときは、リヨンから電車で丸々半日かかりました…。
村の人口はわずか数百、小さなパン屋さんや、八百屋さんはあるものの、信号はないようですし、警官を目にすることもありません。
この村で目につくのは、ひときわ大きい、白い建物と森のように大きな公園…。
その建物に、世界各国から数多くの美食家達が訪れ、お腹と心を満たして行くのです。その建物とは…

 

IMGP1507.JPG

 

白い大きな門を通り、10m以上ある木々のアーチを抜けたその先にこの建物はあります。
ホテル・レストラン「 Les Prés d'Eugenie (レ・プレ・ドゥジェニー) 」。
『ミシュランガイド フランス篇』で三ツ星を毎年獲得し続けているレストランです。
辻調グループフランス校の学生だったころ、私はこのレストランで半年間研修しました。

 

このレストランのシェフ、ミシェル・ゲラール Michel Guérard といえば、高級レストランを成功させただけではなく、健康的な料理、キュイジーヌ・マンスール Cuisine Minceur (おいしくて食べて太らない料理)を始めたことでも有名です。 
メインの料理には主材料、付け合せ、ソースを盛るといった、フランス料理の組み立てを守りつつ、バターや油を極力減らすなどしてカロリーを抑えた料理です。
「ダイエット料理」とも呼べるものですが、盛り付けはきれいですし、お腹も満たされます。

 

IMGP1498.JPGIMGP1499.JPG

 

「 Les Prés d'Eugenie 」の敷地はかなり広大です。レストランだけで4つ、更に宿泊施設、プール、温泉、公園などもあります。村全体が施設と言っても過言ではありません。

 

IMGP1917.JPGIMGP1921.JPG

 

野菜や香草類は自家製の物も数多くあります。
残念ながら写真にはありませんが、食べられるお花も沢山種類があります。
毎朝庭園の管理人さんがキッチンを訪れます。何がいくつ必要か伝えると、数分後には庭園から持ってきてくれます♪
ただ、営業の途中で必要な材料が無くなった場合は、ハサミを持ってこの広大な敷地を猛ダッシュで駆け抜ける事になりますが…

 

IMGP1867.JPG

通称 シェフ「ジャッキー」(本名は「ラニュス」さんです)

 

私が約5ヶ月の研修で一番お世話になったシェフです。
ゲラールシェフとの付き合いも相当長く、比例して年齢もそこそこです…。
ただしパワーとスピードだけは、若手スタッフでも敵う人はいません。常に声を張り上げて皆を統率されていました。
私の尊敬するシェフの一人でもあります♪

 

IMGP1892.JPG

ゲラールシェフと…


私達料理人にしてみればまさに雲の上の存在なのですが、とても気さくで温厚な方です(写真にも、その雰囲気が出ていますよね)。研修中も、お忙しい中、常に笑顔で声をかけてくださいました。
この写真は、研修の最後の日に撮影したもので、私の宝物の一枚です♪

 

実は、私が研修生だったころ、このウジェニー・レ・バンに到着してからの数日はかなり落ち込んでました(笑)。
「こんな、何もないところで暮らしていけるだろうか…」と不安だったのです。
研修中の約5ヶ月、日本人と会う事もなかったので、寂しい思いをすることもありました。

 

ただ、研修が終わりに近づいてくるにつれ、このウジェニー・レ・バンに日本では味わえない魅力を感じるようになり、いつの間にかこの村の虜になっていました。

 

地方の人里離れた場所にある三ツ星級の高級レストランは、日本ではまだ少ないのではないでしょうか。自然が豊かなこの村で過ごすうちに、日本人である自分がゲラール氏のレストランで働けることは、貴重な経験なのだと心から思えるようになりました。

 

また、スーパーマーケットがないことで不便も感じましたが、そのおかげで村の方々と頻繁にコミュニケーションをとることができました。宿舎での生活で困ったときも、近所の村民の方々が助けてくださいました。外国人である私にも自然に優しくすることができる、そんな素敵な方々に囲まれて生活できるなんて、すごく幸せなことですよね。

 

そして何より、研修という機会でなければこの村にくる事は無かったのではないかと思うと、この村がよりいっそう特別なものに思えてきて…何度、「ゲラールさん家の庭の小鳥になりたい…」と思った事でしょうか(笑)。

 

パリやリヨンなどの都市から離れているため、なかなか訪れる事が難しいのですが、再度フランスに行く機会があれば最も訪れたい場所でもあります。
日本には無い環境で、おいしい料理を召し上がってみてはいかがですか??

 

今回ご紹介する料理は、研修時に実際にお店で仕込みをしていたメニューと、庭園に生えていたお花を使った一品です!
先ほどご説明した、ゲラール氏の考えた健康的な料理のひとつです。
作り方は至って簡単ですので、是非お試しください!

担当者情報

このコラムの担当者

紫藤慧

このコラムのレシピ

アスパラガスの冷たいスープ

バックナンバー

2009年8月まではこちら

2009年9月からはこちら