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代表 辻芳樹 WEBマガジン

G20大阪サミット首脳夕食会で辻調グループが料理監修・調理協力

03 伝える

2019.07.01

G20大阪サミットの首脳夕食会が、6月28日(金)に大阪迎賓館で開催されました。
辻調理師専門学校・辻製菓専門学校の両校では、この度の首脳夕食会において、辻調グループ代表の辻芳樹校長がエグゼクティヴ・プロデューサーを務め、同グループの教員が料理の監修および調理協力を行いました。







G20大阪サミットの首脳夕食会には37の国・機関から多数出席されるため、ハラールやビーガンなどにも対応した7通りのメニューをベースに、各人の嗜好性やアレルギーに配慮した多様な料理を用意し、日本の季節を感じられる「世界基準の日本料理」を提供しました。さらに、6月28-29日に行われた会議中のコーヒーブレイクでは、ビーガンの方にも食していただける和菓子などスイーツの提供、また大阪の各所で開催されたワーキングランチや外務大臣夕食会などの料理監修も手掛けました。


辻調グループは、2000年に開催された九州・沖縄サミットにおいても首脳晩餐会で料理提供を行い、今回で2度目の協力となりました。
詳しくは、辻調グループNEWS RELEASEをご覧ください。


◆エグゼクティヴ・プロデューサー 辻調グループ代表 辻 芳樹コメント

この度は、6月28-29日の2日間、大阪で開催されたG20 サミットの首脳夕食会、およびワーキングランチや外務大臣夕食会などの「食の監修」という大役を仰せつかりました。G20という名称ですが、関係国際機関の代表や招待国を含めると、実に40近い国や国際機関の首脳の来日となります。これほど多くの主要国の首脳の方たちが一時期に来日され会議に臨まれるのは初めてのこととお聞きしました。多様な価値観や宗教をお持ちの方々に対して、どのような食が提供できるのか、また、くまなく皆様にお楽しみいただける食事とはどのようなものか、すぐに体制を整え検討を開始しました。2000年の九州・沖縄サミットの経験もあり、また国際的な社交の場での食のあり方については常々考えておりましたので、結論には意外なほど早く辿り着きました。そしてそれを是非ともご披露したいという思いに駆られ準備に取り掛かりました。
今回特に気を付けたのは、多様な宗教、哲学、信条をお持ちのお客様をもてなすという点です。ハラールやビーガン、ベジタリアン、グルテンフリーなど様々な制約や食の嗜好もあります。また、今や世界基準でもある持続可能性に配慮した食材の調達については、残念ながら今の日本では、「G-GAP」や「MSC」といった国際規格に遅れをとっているという現実にも直面しましたが、それでもできる限り対応しようと様々な調整を行いました。
来日されるお客様を日本の料理でもてなす。当たり前のようですが、異文化圏の方々に日本料理を受け入れてもらうには、きめ細かな「変換と工夫」が必要です。ですから首脳夕食会のメニューには、日本料理を中心に据え、関西はもちろん、全国の食材に注目して、他ジャンルの調理技法も融合させながら、常に多様性を意識して料理を仕上げていくという手法を採りました。恐らく、この初めての試みのために、国際性、構想力に優れ、日本を代表する料理人である成澤由浩さん、山本征治さん、そして地元大阪の新進気鋭の高山龍浩さんに、このコンセプトを共有し、メニュー立ての協力をお願いしましたが、見事にその期待に応えてくださいました。
日本の料理は少しの工夫とアイデアがあれば、世界のあらゆる国の方々に食していただけるという、日本の食のポテンシャルの高さを改めて実感できる大変意義ある機会だったと思っています。今後、2020年の東京オリンピック・パラリンピック、2025年の大阪万博と、世界の方々をもてなす機会が多くなります。真の意味で日本の食を楽しんでいただけることを願っていますし、そのために我々も微力ながら尽力していきたいと思っております。