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代表 辻芳樹 WEBマガジン

「The Japan Times Destination Restaurants 2022」選考

講演・シンポジウム・イベント

2022.06.22

辻芳樹校長が選考を務める「The Japan Times Destination Restaurants 2022」が発表されました。


https://authentic-japan-selection.japantimes.com/restaurant-list-2022/

本顕彰制度は、本校の辻芳樹校長と本田直之氏、浜田岳文氏の3名で選考を行っているもので、敢えて、東京23区と政令都市を対象から外し、"日本人が選ぶ、世界の人々のための、日本のレストランリスト"として10店舗を選定。
2022年トップに輝いたのは、和歌山県の「villa aida」(小林寛司オーナーシェフ)です。



https://authentic-japan-selection.japantimes.com/restaurant/2022-08/

辻芳樹校長は、
「小林寛司シェフは現在、日本の料理人で10指に数えられる技術力の持ち主であり、確固とした料理哲学を持っている。地方に根ざした料理をつくることで強い発信力をもつ、フランスのミシェル・ブラス氏のような存在」と評価。
小林シェフは本校の卒業生で、2020年「第11回辻静雄食文化賞 専門技術者賞」も受賞されています。


以下、"Destination Restaurants"の選考にあたって、辻芳樹校長のインタビューコメントです。
地方のレストラン、それも交通の公共機関では行きにくいところほど、行き帰り道中の風景など大切に味わって欲しい。雪の中で芽を出すふきのとうを見つけるなど、その季節を肌で感じることができるのは、都市部のレストランにはない魅力だ。それゆえに料理を食べる時の感動は、より強くなるだろう。幸い、ここ15年ほどの間に日本各地で郷土の味をさまざまなジャンルの技法とセンスを用い洗練させる、食のルネッサンスが起こっている。これは突然、起こったわけではない。ガストロノミー=芸術としての食、というフランスでは当たり前の概念が、日本にももたらされ、郷土の歴史や風土を踏まえて料理人や生産者がよりよいものを生み出そうとしてきた自然発生的な結果である。そういった状況を「Destination Restaurants」を通じて、みなさんに伝えられることは実に喜ばしい。好き嫌いという主観で語るだけでは、食文化は動かせない。たとえば、「辻調理師専門学校」の卒業生の店、石川『ラトリエ・ドゥ・ノト』をはじめ、地方で腕を振るう料理人が、なぜ、その土地で、その食材で、その一品をつくるのか、そこにどのような哲学があるのか。それらを踏まえて料理人と食べ手の双方が考えることで、ガストロノミー・ツーリズムは成立する。それこそが地方が持つ真正性であり、料理人として技術を披露できる最も理想的な場である。今はまだ難しい段階にあるが、そこに日本を国際的に売り出す可能性があるはずだ。