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KBS「厨房の哲人たち」取材日記  その2
2009年08月03日

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6月25日(木) 夕刻~

<03>6月25日(木) 夕刻~夜 モクザコルモク(路地の食堂ストリート)



ソウルには東西南北にいわゆる「門」がある。
これらの門の内側が宮廷があった頃の市内であり、そこには宮廷に勤める
人たち(比較的階級の上の人たち)が生活し、門外にはいわゆる庶民の方々が
生活していた、と説明された。
その名残かそういった門の外側には「庶民的」な商店街が広がっている。
商店街の店がシャッターを閉じる頃から、アーケードの中に屋台が営業を始める。
この屋台のストリートのことを「モクザコルモク(路地の食堂ストリート)」
と呼ぶらしい。
夕刻、このモクザコルモクに取材に訪れる。

その熱気たるや、まさにアジアの「混沌」と「エネルギー」。
このエリアは豚肉料理、こちらは魚介類料理、その横丁は牛肉の料理というように
主食材でエリアが分かれている。どのエリアの屋台にもびっしりと客が。
その9割は男性客、しかもその大半は年齢層の高い男性客。
ま、少し異なるものの「新橋」のイメージです。
KBSの若手のスタッフにこういう場所には来ないのかと尋ねてみると
「まず、来ない」「スタバのようなカフェとかに行きますね」等々。
これもまたひとつのグローバリゼーションか。



こういう庶民の食文化はいずこの国でも受け継がれていくのが難しいのか、
あるいは今はこういった屋台で食しない世代も年齢を重ねるとこういった屋台で食する
ようになるのだろうか。であれば常に新たな屋台のお客は生まれ続けていて
屋台は継続していくのだろう。でも、この円環は時代とともに螺旋状を描いていく
だろう。そして、そこでの料理も少しづつ形を変えていくことになる。
例えばかつての"トッポギ"が今ある"トッポギ"とは異なるのと同じように将来の"トッポギ"は
今ある"トッポギ"ではなくなっていくのだろう。
そして、あらゆる文化はこうやって「進化」していくのかも知れない、などとふと思いつつ
モクザコルモクの中を歩きまわる。




それにしても各店の呼び込みは強烈。
「ちょっと座って食べていったら!旨いから!」(おそらく
このような意味の言葉を)って声をかけてくる。
あまり無視している(無視しているのではなく、わからないから
反応できないのですと睨まれるほどの勢い。
取材陣がキムチ屋の前で足を止め、ご主人に話を聞いていたら横にいた奥さんが
スタッフ全員に冷えたヤクルトを手渡してくれた。
余程喉が乾いているように見えたのでしょうか。でも、なんでヤクルト?



校長は積極的に店の人たちに質問し、屋台に座り、各種のビンデトク、野菜ビビンバ、
スンデ(韓国式ソセジ)などを食し、マッコリを飲みます。皆さん飲物はマッコリです。
マッコリを飲むと辛味が和らげられると言われています。
校長の周りの客たちがすぐに打ち解けて一緒になって盛り上がる。
少し離れて見ていると「いったい何語でコミュニケーションしているの?」って
思うが、しっかりとコミュニケーションができているのだ。
言葉ができないとコミュニケーションができないというのはむしろ
ひとつの言い訳にすぎないのかも知れない。
その間に「食」があれば見知らぬ人同士もコミュニケーションができるのかも
知れません。
これがフランス人の言う食卓における「コンヴィヴィアリテ(共棲)」というものかも。
「食」の力の偉大さを再認識!



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