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調理師の年収を知りたい!

「大好きな料理を仕事にしたい」「自分の作った料理でお客様を喜ばせたい」。このページを開いた人の中には、将来調理に関する仕事に就きたいと考えている人は多いのではないでしょうか。中には、調理師として働くとどれくらいの年収になるのか、気になっている人もいるかもしれません。調理師の年代別平均年収や給料について見ていきましょう。

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「大好きな料理を仕事にしたい」「自分の作った料理でお客様を喜ばせたい」。このページを開いた人の中には、将来調理に関する仕事に就きたいと考えている人は多いのではないでしょうか。中には、調理師として働くとどれくらいの年収になるのか、気になっている人もいるかもしれません。調理師の年代別平均年収や給料について見ていきましょう。

調理師の平均年収

食と料理に関する専門知識を備え、お客様に美味しい料理を提供する調理のプロ。料理人の中でも、国家資格を取得した人だけが「調理師」を名乗ることができます。

調理師の活躍の場は、レストランや料亭、カフェ、ホテル、チェーン店、学校給食など多彩です。人間にとって欠かすことのできない「食」に関する職業であることから、今後も需要がなくなることはないでしょう。「手に職をつける」という意味でも、調理技術を磨いて調理師になることは素晴らしい選択といえるのではないでしょうか。

それでは、調理師の年収はどれくらいなのでしょうか。

厚生労働省が毎年行っている「賃金構造基本統計調査」によると、「企業規模が10人以上の会社」を対象とした調理師の平均年収は約341万円でした(2019年)。

平均年齢 43.8歳
勤続年数 8.6年
年間賞与 382,200円
平均年収 3,413,400円

情報引用元:2019年賃金構造基本統計調査

1年目新人の調理師の年収はどれくらい?

次に、初任給を見てみましょう。

2019年度に辻調理専門学校に来ている求人から算出した初任給(月収)の平均は、19.2万円でした。

年収はそれぞれ12ヶ月分+賞与となるため明確にはできませんが、これらを学歴別初任給と比較すると平均以上の水準であることが分かります。

【辻調理専門学校に来ている新卒向け求人の初任給】
※2019年度の辻調理師専門学校に来ている調理関係の求人より

191,782円

【学歴別に見た初任給(男女計】
高校卒 167,400円
高専・短大卒 183,900円
大学卒 210,200円

情報引用元:2019年賃金構造基本統計調査

食業界は、能力によりその後の給与の伸び率にも差が出るので、やりがいのある業界といえます。

企業の規模別に見る調理師の平均年収

賃金構造基本統計調査では、企業規模10人以上を対象にした調理師の2019年の平均年収は約341万円でした。これは、「きまって支給される現金給与額の平均」の金額12ヶ月分に「年間賞与その他特別給与額」を足して算出しています。

これを規模別に比べてみると、調理師の年収には企業規模はあまり関連がないことが分かります。

企業規模 平均年収
企業規模10~99人 約339万円
企業規模100~999人 約329万円
企業規模1,000人以上 約366万円

情報引用元:2019年民間給与実態統計調査

年齢別に見る調理師の平均年収

次に、年齢別に調理師の平均年収を見てみましょう。年齢別の平均年収は50代前半でピークをむかえる傾向にあります。

(年代別調理師の平均年収)

年代 10代 20代前半 20代後半 30代前半 30代後半
平均 約237万円 約287万円 約309万円 約335万円 約343万円
年代 40代前半 40代後半 50代前半 50代後半 60代前半
平均 約362万円 約366万円 約377万円 約347万円 約306万円

情報引用元:2019年賃金構造基本統計調査

都道府県別に見る調理師の平均年収

調理師の平均年収は、都道府県によっても異なります。都道府県別の調理師の平均年収は以下表の通りです。

北海道地方

都道府県 北海道
調理師平均年収 約301万円

東北地方

都道府県 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県
調理師平均年収 約282万円 約289万円 約326万円 約282万円 約295万円
都道府県 福島県 茨城県
調理師平均年収 約299万円 約386万円

関東地方

都道府県 栃木県 群馬県 埼玉県 千葉県 東京都
調理師平均年収 約313万円 約332万円 約367万円 約347万円 約401万円
都道府県 神奈川県
調理師平均年収 約388万円

中部地方

都道府県 新潟県 富山県 石川県 福井県 山梨県
調理師平均年収 約294万円 約322万円 約301万円 約315万円 約357万円
都道府県 長野県 岐阜県 静岡県 愛知県
調理師平均年収 約318万円 約349万円 約345万円 約391万円

近畿地方

都道府県 三重県 滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県
調理師平均年収 約348万円 約379万円 約387万円 約380万円 約352万円
都道府県 奈良県 和歌山県
調理師平均年収 約405万円 約313万円

中国地方

都道府県 鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県
調理師平均年収 約287万円 約315万円 約359万円 約355万円 約301万円

四国地方

都道府県 徳島県 香川県 愛媛県 高知県
調理師平均年収 約313万円 約346万円 約270万円 約309万円

九州・沖縄

都道府県 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県
調理師平均年収 約334万円 約293万円 約285万円 約280万円 約282万円
都道府県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県
調理師平均年収 約285万円 約275万円 約287万円

2019年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

調理師が年収を上げる方法

調理の世界の実際の現場で問われるのは実践的に使える技術であり、どのレベルのスキルを身につけているかが問われる実力主義の世界です。

頑張りは待遇アップにつながり、実際に20代でオーナーシェフや有名レストランのシェフやスーシェフとして成功している人も数多く存在します。

また、勤める会社の規模によって得られる年収や経験は異なります。たとえば、大企業や大規模ホテル・旅館などは、給与や待遇はよくても積める経験が少なかったり、逆に個人店など小規模な現場では豊富な経験が積める分、調理の技術が未熟なうちは給与が少なかったりといったこともあります。

働く業界によっても給与や待遇は異なります。調理師といえば、レストランや料亭の厨房で働くイメージがあるかも知れませんが、実際には保育園や学校など教育施設の給食調理や、病院・介護施設の調理場、ホテル、チェーン店などさまざまです。こうした業界の違いによっても、調理師の給与水準は変わってきます。

では、調理師が年収を上げるには、どんな方法があるのでしょうか。

調理師は「技術力」に対して対価が支払われる職業です。そのため、年収を上げるにはスキルアップの努力を惜しまないことです。

また、転職などでのステップアップが一般的な業界です。実力がつけば希望賃金として提示することもできます。

調理師を長く続けていくためには収入だけにとらわれるのではなく、やりがいや自分自身のスキルアップに目を向けてみることも大切です。独立開業は収入アップのほかに、一国一城の主として自分の店を切り盛りするという、ほかにない充実感を得られるでしょう。

いずれにせよ、食の世界を目指すならば、調理の技術と知識を身につけて実力を伸ばすことが収入を増やす方法です。

料理の道で長く活躍し続けるには、調理の知識や技術のほかに創意工夫ができる「考える力」も必要です。そうした基礎を学校で学び、実力を伸ばす土台とするのも1つの選択肢といえます。

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