ABOUT US

料理のチカラプロジェクト

ブログ

辻調 別科研究講座「フランス料理」「イタリア料理」レポート

研究・セミナー関連

2025.09.16

辻調理師専門学校では、毎年後期授業が始まる前の期間を中心に、「別科研究講座」(集中型・短期型)という特別プログラムを提供しています。


通常、調理の学生は日本料理・西洋料理・中国料理を中心に、製菓の学生は洋菓子・和菓子・パンを中心に基礎から学んでいきますが、この別科研究講座については、基本の枠の"大きくもう一歩先"に位置づけられた内容となっています。

集中型では、日本料理・フランス料理・中国料理・イタリア料理・フードスタイルという5つの講座が設けられており、普段の授業内容をベースに、より専門性の高い知識やスキルを身に着けることを目的とします。また短期型では、魚の高度なしめ方、専門料理(すし)、専門の資格関係(ふぐ調理)、加工品(シャルキュトリー)、飲料(日本茶・中国茶・ワイン&ワイナリー)、移動店舗開業...といった具合です。

より広く、新しく、そしてちょっぴりマニアックに。学びたい意欲にあふれる学生のために設定されているのが、辻調の別科研究講座です。選択時は、基本的に現在の学年も、所属学科も、制限はありません。例えば、西洋料理の学生が日本茶を学ぶことも、製菓の学生が魚のしめ方を学ぶことも可能です。

今回はそのうち、「別科研究講座-フランス料理」「イタリア料理」をご紹介します。
最前線を走るトップシェフたちを招き、様々な角度から各シェフのテクニックが詰まったスペシャリテを、[実習]と[講習]の両面から学びます。しかしこのプログラムの狙いは、料理の作り方(レシピ)を学ぶだけではありません。シェフたちの料理への向き合い方、皿に見えるポリシー、お客さんへの思い、文化と歴史、今の料理への流れ、さらにはシェフたちの人柄やふるまい、働き方のモデルケース、もっといえば根源的な「料理人とは?」という問いまでを、シェフたちのすべてから学び取ってもらうことにあります。トップシェフたちは、漫然と今の地位に上り詰めたわけではありません。彼らの話からは、今後学生が社会に出るにあたって、いつか悩んだときのヒントが見えたのではないでしょうか。

講習の内容をつまびらかにすることはできませんが、今年教鞭をとってくださったシェフの授業風景と、ご披露くださったいくつかの皿のうち、数品を写真でご紹介します。(授業日順)

●フランス料理●
糸井 章太シェフ|石川 小松市「オーベルジュ・オーフAuberge "eaufeu"」



手島 純也シェフ|東京 中央区「Chez Inno(シェ・イノ)」



渡辺 雄一郎シェフ|東京 浅草駒形「レストラン ナベノイズム Nabeno-Ism」



浜田 統之シェフ|「星のや」総料理長

●イタリア料理●
連 久美子シェフ|大阪京町堀「オステリア ラ チチェルキア」



池見 良平シェフ|青森八戸「カーサ・デル・チーボ」



谷 健太郎シェフ|大阪心斎橋「イルソーレ・ロッソ」



山根 大助シェフ|大阪北浜「ポンテベッキオ」



辻 智一シェフ|リゾートトラスト株式会社東京ベイコート倶楽部ホテル&スパリゾート「リストランテ・オッツィオRISTORANTE OZIO」

2025年度に受講した学生は、もちろん西洋料理の学生が多いのですが、普段は別のジャンルを学ぶ者や、どの料理分野に進むのかまだ悩んでいる者なども含まれており、いつも以上にさまざまでした。授業内容の難度は高いものですが、初めて料理に触れる学生にとっても解りやすく、なにより刺激的で、最後まで食らいついた後の充実感が大きかったそう。在学中に、日本を代表するシェフたちの料理に触れられることは、学生が受講前に想像していた以上にメリット・リターンがあるようです。

今回は、これまでに紹介する機会がなかった別科について、簡単にレポートいたしました。ほかにも毎年さまざまな講座を用意していますので、いずれ紹介させていただければと思います。