宇宙開発フォーラム2025『宇宙で料理をしよう ~宇宙での食を豊かにするために~』
<開催概要>
催 事 名:宇宙開発フォーラム 2025
開催場所:日本科学未来館 7F コンファレンスルーム 水星, 火星, 金星
日 時 : 2025 年 9 月 7 日(日) 15:15~17:15
プログラム:Day3 パネルディスカッション
「宇宙で料理をしよう~宇宙での食を豊かにするために~」
https://www.sdfec.org/program
登壇者 :秋元 真一郎 学校法人辻料理学館 辻調理師専門学校 東京 調理グループ 西洋料理教授
石川 伸一 宮城大学 教授
山田 研 学校法人辻料理学館 辻調理師専門学校 教育研究センター長
ファシリテーター:宇塚稜人 宇宙開発フォーラム実行委員会 企画責任者
日本科学未来館
コンファレンスルーム水星、火星、金星
フロアには宇宙に関する多くのパネルが展示
火星探査ローバーや宇宙保険といったパネルも
<パネルディスカッション概要>
これまで宇宙食は「カロリー摂取」「栄養補給」の観点から多くの研究が進められてきました。しかし、月面での長期滞在や火星探査、そして、一般人が宇宙旅行するこれからの時代には、宇宙食にもQOL(生活の質)の維持向上を踏まえた多様性が求められます。すなわち、身体的健康のみならず、心理的安定、社会的つながり、楽しみなどを提供することが必要になります。
現在、食料供給の観点から、月面で8種の食材(米、じゃがいも、さつまいも、大豆、レタス、きゅうり、トマト、いちご)を栽培する計画が国家プロジェクトとして進められています。そして、月面基地では、これら月産食材と地球から持ち込まれる既存の宇宙食という限られた素材を組み合わせて、バリエーション豊かな献立を考案する研究が進められています。
パネルディスカッションにおいて、登壇者・秋元からは、月産食材と宇宙食を組み合わせたバリエーション豊かな献立の事例紹介。山田からは、SPACEFOODSPHEREでの辻調理師専門学校の取り組み紹介に加え、ISS、月面、火星において食に求められるだろう文化的要素の比較、宮城大学石川先生からは、調理科学的な側面から見た宇宙食、3Dフードプリンターへの期待などの話題提供がありました。
月産食材と宇宙食を組み合わせた料理の紹介(秋元)
「月面フードシステムワーキンググループ」としての活動の紹介(石川氏)
SPACEFOODSPHEREでの辻調理師専門学校の取り組みを紹介(山田)
ISS、月面、火星において食に求められるであろう文化的要素の比較(山田)
それらは、登壇者それぞれの視点から語られる異なる内容でしたが、地球とは異なる環境だからこそ生まれる新たな食の価値を創造といったことに重点が置かれているというところでは共通性もあったように思います。
最後に、来場者に向けたリアルタイムのQ&Aでは、"月面で食べたいもの"に、会場大盛り上がり。
お寿司、焼き肉、お酒、おせち、そして、なぜか歌舞伎揚げも(笑)...。
あなたは月面で、誰と、どう調理し、何を食べてみたいですか?
左から、宇塚氏、石川氏、秋元、山田


