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【好吃(ハオチー)!中国料理】北京の家庭料理って

06<中国>好吃(ハオチー)!中国料理!

2010.05.06

<【好吃(ハオチー)!中国料理!】ってどんなコラム?>

塘:今回紹介してくれる料理は何でしょう。
木村:今回は白菜の漬物と鶏肉を使った北京の家庭料理です。 以前北京に行ったときに、この料理を食べてとてもおいしいと感じました。この料理の面白いところは白菜を絞らないで使うので、含まれている白菜の漬け汁が調味料になることです。

塘:白菜の漬け汁?
木村:酸白菜 (スワン パイ ツァイ)」といって白菜を清水で漬け込んだものです。冷蔵庫のなかった昔、冬から春にかけて大切な野菜、この場合は白菜ですが、これを長期保存するために考えられた方法です。まず白菜を4つに裂き、軽く熱湯に漬けてブランチング(殺菌のことです)し、冷ましてから壷などの容器に入れ、湯冷ましを注ぐ。後は2~3週間ほっておくと乳酸菌による発酵で酸味が爽やかな汁になります。もちろん白菜がメインなんですが、この汁も美味しいのです。

酸白菜  爽やかな酸味が特徴。中国東北部の漬物。

塘:へえ、面白そうですね。このような味付けの料理って中国には多いのですか。
木村:もともと中国は漬物が多く、各地に特色のある漬物が生まれています。たとえば、四川では「泡菜(パオ ツァイ)」といい、酒、赤唐辛子、花椒など香辛料を加えた塩水に、野菜を漬けて乳酸発酵させたものもあります。これを炒め物に使ったり、煮込みに使ったりと家庭料理の定番になっています。

こちらは四川泡菜 こちらも負けじと美味しい四川代表。

八宝醤菜(パーパオヂャンツァイ) これは野菜の味噌漬け。北京の「六必居(リュウビーヂュイ))」が有名。

ほかに、漬物ではないのですが、北京には緑豆を煮出した汁を乳酸発酵させた「豆汁(トウヂー)」という伝統的な飲み物があります。日本人の私は酸っぱくて飲めませんでしたが。

塘:そうそう!あのヨーグルトみたいなものは僕も飲んだこともあるけど、酸っぱくてどうも・・・。ところで、今回紹介するこの料理は、北京ではどこの家庭でも食べられているものなのですか?
木村:そうですよ。なんと!あの美食家としても名高い西太后も大変好きだったといわれています。北京の胡同にある「厲家菜(リーヂャーツァイ)」(北京市西城区德胜门内大街羊房胡同11号)でも食べられます。

塘:へえ、そうなんだ。
木村:東京にある厲家菜(ミシュラン二つ星)で伺ったのですが、西太后の食事には毎回150品もの料理が出されていたとか。驚くことに1品につき1人の料理人と助手がついていたそうです。ということは300人のもの人が厨房にいたということですね。すごいことです。その中にこの料理があったそうです。

塘:私の家ではいつも1人ですが・・・。しかも
木村:それでは300人の助手をつけましょう。
塘:それはありがたい・・・っか、そんなに人が入ったら家がつぶれるわ!

木村:今回の料理のポイントは白菜の漬け物。「酸白菜」ではなく、四川の漬物「泡菜」を使いました。発酵具合が肝心。少し酸っぱいぐらいが良いのです。めんどくさかったら市販の古漬けでもOKですよ。

<このコラムの担当者>

TENSIN木村 木村 美香

<このコラムのレシピ>

白菜の漬物と鶏肉の炒め物

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