MEDIA

最新メディア情報

毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第43講「タラ」

新聞
美食地質学入門

2022.02.02

2月1日(火)の毎日新聞(夕刊)に「美食地質学入門」が掲載されました。

テーマ食材はタラ


まずタラの基本的な情報を整理しておくと、仲間にはマダラ、スケトウダラ、コマイなどがおり、馴染みがあるのはマダラとスケトウダラです。

スケトウダラはタラコ(タラの卵)を、マダラの方は白子を重用します。
という訳で、マダラはオスの方が高値で取引されます。

日本の周辺のマダラは生息場所・産卵場所などから北海道、石川県以北~東北地方日本海側及び宮城県以北の太平洋側といくつかのグループに分かれます。
さらに日本海の西部には朝鮮半島東部沿岸に産卵場所を持つグループがいます。

その中で今回は山形県の庄内浜で水揚げされるマダラを取り上げました。
人の横顔に例えられる山形県のちょうど鼻の部分(鼠ヶ関港)で水揚げされたものを入手しました。

このタラたちのグループは、石川県以北~東北地方日本海側で生活しており、漁獲量は日本全体の約10%ほどです。
この時期(冬)に産卵の為、庄内浜の浅瀬に集まってくるものが漁の対象になります。

今日のマダラは4kgのオス。
写真のようにお腹がパンパンに張っていて白子が覗いているので、どれくらいの白子が採れるかと期待していると、何と約1kg。
白子を取り除くと、すっかりスリムになってしまいました。
このタラはエサを鱈腹(たらふく)食べていたのではなく、お腹は白子で一杯だったようです。

さて、巽先生との対談の様子は新聞紙上及び毎日新聞ホームページをご確認ください。

料理は 安場昌子先生が担当です。








▲先付(左から肝和え・白子ポン酢・鱈せんべい・鱈とジャガイモのグラタン)
安場;日本酒にあう4種です
 肝・白子をふんだんに使った料理で、グラタンにも白子ペーストを加えクリーミーに


▲鱈西京焼き
安場;味噌の風味とうま味がしっかり詰まった定番の一品です


▲鱈の変わり揚げ
安場;コーンフレークと干し湯葉のパリパリの触感が楽しめます


▲鱈雪鍋
安場;鱈のあらでだしを取り、鱈のうまさが味わえる鍋です

タラ1尾捨てるところなく、すべて使い切りました。

合わせるお酒は、鯉川酒造株式会社の「純米吟醸 鯉川 美山錦」。

品種改良の方法はいくつかありますが、
「美山錦」は長野県で育成された「たかね錦」にガンマ線を照射し、突然変異をおこしたものを選抜育成した酒造好適米です。
スッキリした口当たりがタラ料理を引き立ててくれました。

次回3月のテーマは「堅豆腐」


どうぞお楽しみに。