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毎日新聞連載 -美食地質学入門- 第44講「堅豆腐」

新聞
美食地質学入門

2022.03.02

3月1日(火)の毎日新聞(夕刊)に美食地質学入門が掲載されました。

テーマ食材は堅豆腐



今回は豆腐、中でもちょっと特殊な堅豆腐と地質との関係についてのお話です。
木綿豆腐、絹豆腐、充填豆腐といくつかのタイプに分かれる豆腐ですが、堅豆腐という呼び名はその字の通り非常に硬い豆腐の総称として使われることが多いようです。
全国各地で作られていますが、有名どころでは沖縄県の「島豆腐」、富山県・五箇山の「堅豆腐」、石川県・白山の「堅豆腐」などがあります。
その硬さを表現するのに縄でしばって持ち運んだ、などという表現をよく見かけます。

豆腐の原料は大豆、水、凝固剤と非常にシンプルで、それ故にそれぞれの原料の性質や製造方法によって特徴あるものに仕上がります。
堅豆腐は濃い豆乳を使ったり、水分をしっかり絞ることで、非常に硬い豆腐に仕上がっています。

今回使用したのは、世界遺産・五箇山合掌造り集落のある富山県南砺市で作られている「五箇山の堅豆腐」です。
ここは平家の落人伝説とともに堅豆腐が語られる場所の一つです。


▲ねこのくら工房さんの堅豆腐

かつては各家庭で作られていたそうで、日本に豆腐が伝わった時の製造方法が受け継がれていたようです。
特に、紙面にもあるように大豆と水を加熱することなく破砕し絞る「生しぼり」という方法で豆乳が作られていました。
生しぼりの豆乳から作ると、大豆の味がしっかりと残った豆腐に仕上がります。
しかしこの方法は非常に効率が悪いため、今は沖縄県などに残っているだけで、この地を含め全国的に加熱して豆乳をしぼる「煮しぼり」という方法に変わってきています。

さて、本題の巽先生のお話は新聞紙上及び毎日新聞ホームページをご確認ください。

料理担当は、湯川先生です。





▲前菜4種
湯川;さまざまな豆腐料理で味の違いを楽しんでいただきます。


▲堅豆腐海苔佃煮添え
湯川;富山つながりで富山湾の白えびと国産青さのりの佃煮と和えました。


▲堅豆腐のサーモン巻き
湯川;同じ北陸の石川県産の「いしる」の風味を加えて仕上げました。


▲堅豆腐の味噌漬け
湯川;味噌に漬ける事でチーズのような風味を楽しんでもらいます。


▲豆腐豆腐
湯川;堅豆腐を裏ごしし豆乳を加えて固め直し、別の食感の豆腐に仕上げてみました。


▲堅豆腐 富山ブラック
湯川;「富山ブラック」の名で有名なラーメンを堅豆腐で再現しました。だしも和の食材中心に作りました。


▲焼き蕪とアボカドの白和え
湯川;オーソドックスな白和えを大きめの具で和えました。


▲堅豆腐のコロッケ
湯川;堅豆腐と子芋をコロッケにして蕪のすり流しと一緒に合わせた1品。洋風と和風の組み合わせです。


▲堅豆腐のみたらし団子
湯川;堅豆腐に白玉粉、上新粉を合わせ、豆乳を加えて作りました。
ただ焼くだけだとフランスパンのように固くなってしまうので、茹でたての団子を炙り焼き目をつけました。

合わせるお酒は、三笑楽酒造株式会社の三笑楽です。
堅豆腐と同じ富山県南砺市に蔵があります。


▲(左)上撰、(右)赤ラベル純米酒

次回月のテーマは「海苔」

どうぞお楽しみに。