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毎日新聞「美食地質学」第30講 高野山はなぜ聖地になったか ゴマ豆腐

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美食地質学入門

2025.10.07

2025年10月7日(火)刊行の『毎日新聞・夕刊』に、「美食地質学」が掲載されました。
「美食地質学」は、食通のマグマ学者・巽好幸先生(ジオリブ研究所所長)と、辻調理師専門学校の教員が、地質学と美食の関係をテーマに、それにまつわるお料理とお酒を楽しみながら対談をおこない、理解を深めていくという企画です。

第30講のテーマは「高野山はなぜ聖地になったか ―ゴマ豆腐」です。
弘法大師・空海が高野山を開いたのは約1200年前。ではなぜ高野山が選ばれたのでしょう。地形の成り立ちについてみながら、高野山の謎に迫りました。料理の主テーマは「ゴマ豆腐」。ゴマ、水、葛、そして高度な調理法が合わさって生まれた味です。ゴマ豆腐をいただきながら、紀伊山地と空海のロマンに思いを馳せる日となりました。

>毎日新聞「美食地質学」第30講 高野山はなぜ聖地になったか ―ゴマ豆腐
https://mainichi.jp/articles/20251007/dde/012/070/001000c(閲覧には会員登録が必要です)

対談は、辻調理師専門学校の日本料理・安場昌子先生が担当しました。

おなじみの安場先生と巽先生。安場先生が指し示す先は...

背がぐんぐん伸びて、白い花が咲いて、花が落ちたあと実が熟してサヤが開くと...
(写真:橋本市役所提供)

その正体は、ゴマ!!!

安場先生は、対談の少し前に、学生を引き連れて高野山・普賢院への研修旅行に行ったばかり。高野山の3か所でそれぞれ汲んできた水3種類を飲み比べるところから対談がスタートしました。同じ高野山なのに味がはっきり違っていて一同びっくりでした。ゴマ豆腐の味にも大いに影響がありそうです。

さて今回の料理のテーマは「ゴマ豆腐づくし」。
「づくし」と言えるほど、料理のバリエーションがあるものかな? ...という疑問に、こたえてくれた料理がコチラ!

まずは先付から。
通常のゴマ豆腐と、うにを射込んだ揚げゴマ豆腐、そして葛切り風ゴマ豆腐の3点です。

2品目は、黄身ゴマ豆腐とフカヒレが入ったコクのある小鍋仕立て。肌寒くなってきたので、おだしの味が染みる。

3品目は焼き物。「とろめん」を掛けて焼いたグラタン風の一品。ゴマ豆腐をさらに漉してホワイトソースのようにしたものを、とろめんと言うんですって。巽先生も唸る味わい。

和のグラタン!

ご飯物は、ゴマ豆腐をご飯で覆って白みそだしをかけた「うずみゴマ豆腐」。

豆腐をご飯で覆って、みそ汁か薄あんをかけた料理をうずみ豆腐と言います。そのゴマ豆腐バージョンです。

デザートは、黒ゴマ・豆乳・くるみ入りのゴマ豆腐を盛り込んだミニパフェ。

白むきゴマのあっさりした味と、黒ゴマの濃厚な味、クルミ味の3種類を敷き詰めて。ゼラチンでは出せない葛特有の舌触りが、デザートとしては新食感!

いつもは対談を担当している湯川先生ですが、今回は久々の料理担当ということで、大いに腕をふるってくれました。
ときどきは役割交代もいいものですね。

今回助手をつとめてくれたのは、TA(ティーチング・アシスタント)の髙見瞬さんでした。

こちらは安場先生が大切に持ち帰ってくれた「三鈷の松」の松葉です。
三鈷の松は、高野山壇上伽藍の御影堂の前にあり、弘法大師空海ゆかりの松として知られます。

葉が3本! 松葉はふつう2か5なので、大変珍しいですね。身に着けておくと、ご利益があると言われます。
誌面を読んでくださったみなさまにも、幸せが訪れると良いですね。

食材の手配はいつも辻調の教材課が担当しているのですが、今回の対談のために和歌山県橋本市からゴマを持ち帰り、対談が終わった後には、辻調本館入ってすぐのところにしばらく掲出しました。前を通る学生たちも興味津々。ゴマはどのように実をつけるのか、どんな製造工程を経由しているのかーーいつも何の気なしに使っているゴマについて、改めて考えてみる良い機会になりました。

貴重な国産ゴマの手配にご協力くださった和歌山県・橋本市役所のみなさま、またゴマの知識についてご教授くださった三重県・九鬼産業株式会社様、ありがとうございました!

今回の内容は、毎日新聞のデジタル版でもご覧いただけるので、ぜひご覧ください。

次回の『美食地質学』は、11月4日(火)の毎日新聞夕刊で掲載予定です。お楽しみに。