毎日新聞「美食地質学」第33講 新潟県村上市の塩引きサケ
2026年1月6日(火)刊行の『毎日新聞 夕刊』に、「美食地質学」が掲載されました。
「美食地質学」は、食通のマグマ学者・巽好幸先生(ジオリブ研究所所長)と、辻調理師専門学校の教員が、地質学と美食の関係をテーマに、それにまつわるお料理とお酒を楽しみながら対談をおこない、理解を深めていくという企画です。
第33講のテーマは「新潟県村上市の塩引きサケ」。
新潟の雑煮には、サケが欠かせません。ことに村上市では、11~12月に軒先につるして乾燥させた塩引きサケがないと始まらないのだとか。村上市と塩引きサケの結びつきについて、「美食地質学」的に考える回です。
>毎日新聞「美食地質学」第33講 新潟県村上市の塩引きサケ
https://mainichi.jp/articles/20260106/dde/012/070/005000c(※閲覧には会員登録が必要です)
対談は、辻調理師専門学校の日本料理・湯川徳之先生が担当しました。
「村上には、"三つのサケ"があるそうなんですよ...」という湯川先生のつかみトークから始まった今回の対談。
塩引きサケ、みなさんご存じでしょうか? 強く塩を当てて、ほどよく塩を抜いてから、日本海沿岸特有の寒風にさらしながら一週間から数週間程度熟成させたものです。塩気もうまみも絶妙! 対談現場は関西人ばかりなので、一つ一つに驚きながら、かみしめるように味わっていました。
塩引きサケ
村上の塩引きサケは、新巻きとは違って、頭を下にして干します。腹はところどころ残して開かれているのが特徴なのですが、写真でわかるでしょうか? 現地の「千年鮭 きっかわ」さんより、実際に使っていた縄をつけたまま送っていただきました。こんな感じかな?と吊るしてみましたが、阿倍野の風は、キリっとした顔のサケには物足りなさそうですね(笑)。
今回のお料理はこちら。
塩引きサケを余すところなく使った贅沢な品々です!
まずは5種の先付けから。
中央が鮭の酒びたし、左上から時計回りに氷頭なます、鮭の血合いの塩辛をかけた長芋そうめん、軟らかく炊いた中骨(!)の昆布巻き、尾の付け根の薄切りを揚げた鮭の尾せんべい〈おせんべい〉です。
正月なので、塩引きサケとイクラを加えた親子雑煮が登場。すまし仕立てで、サケのうまみがじんわりと。
次は焼き物。「鮭の焼き漬け」です。
塩引きサケを一度焼いてから、酒の地に漬けるというもの。
物珍しい料理法ですが、噛めば噛むほど味が出てきて、巽先生も思わず、「塩引きサケの"いっちゃん"(一番)美味い食べ方やわ...」と嘆息。
最後は、ドドンと腹子飯。サケを大きめに崩してざっくり混ぜて召し上がれ。
今回料理を担当したのは、長谷川晃先生です。なんと新潟のご出身。塩引きサケの扱い方も手慣れたもので、何から何までほとんど無駄にせず料理へ。正月特有の食べ方や、先生のご実家に伝わる料理など、役立つ話をたくさん披露してくれました。

今回助手を務めてくれたのは、日本料理の髙木杏菜先生でした。ありがとうございます!
塩引きサケをおろす長谷川先生と、興味津々の教材課の進藤先生。

お酒は、宮尾酒造株式会社の〆張鶴(しめはりつる)「純 純米吟醸」を合わせました。
新潟村上といえば知らぬ人はいない銘柄です。あっという間に一升瓶の底が見えるほど、ぐいぐい進むお酒でした。

美食地質学33講は、『毎日新聞』夕刊、あるいはデジタル版で掲載されています。ぜひご覧ください。
次回は、2月3日(火)の『毎日新聞』夕刊で掲載予定です。お楽しみに。


