堺一文字光秀主催「のとないと-能登の酒と食を楽しむ交流会-」に協力しました
2026年4月19日(日)、大阪・日本橋道具屋筋の包丁専門店「堺一文字光秀(一文字厨器)」にて、特別ワークショップ「切れ味がつなぐ 能登×大阪」が開催されました。
同日には第2部として、生産者や料理関係者が交流しながら、能登の食材と酒の魅力を大阪の飲食店や一般のお客様へ届けるイベント「のとないと-能登の酒と食を楽しむ交流会-」が行われました。
辻調理師専門学校からは、日本料理担当の森田夢美衣先生と鞠山拓磨先生が第2部に協力し、イベントスペース「イチトイ」にて来場者に料理を提供。会場は、能登の恵みを味わいながら語り合う、活気あふれるひとときとなりました。
今回の協力依頼には、「震災で大きな被害を受けた能登を風化させず、若い世代にも関心を持ってもらいたい」という主催者の強い思いがありました。辻調理師専門学校は、地産地消を学ぶ教育プログラムの一環として長年能登と関わりを持ち続けており、料理・教材の両分野で教員が高い関心を寄せています。このイベントは、改めて能登と大阪のつながりを見つめ直す貴重な機会となりました。会の様子を少しだけお届けします。
中央)鶴野酒造店14代目蔵元・蔵人 鶴野晋太郎氏
右)森田夢美衣先生 左)鞠山拓磨先生
当日ふるまわれた酒は、"鶴野酒造店"の代表銘柄「谷泉」と、復興支援酒「谷泉×手取川」の2種類。鶴野酒造店は、石川県鳳珠郡能登町鵜川で230年の歴史を重ねてきた老舗の酒蔵ですが、能登半島地震により蔵が全壊。現在は全国各地の酒蔵の協力を得て共同醸造という形で、「鶴野の味」を守り続けています。
提供されたうちのひとつ「谷泉×手取川」は、手取川の吉田酒造店との共同醸造による特別な一本です。地震が続くなか、なんとか蔵から救い出した山廃貴醸酒を原料に再仕込みしたものだそう。山廃ならではの奥行きを感じさせつつ、フレッシュでジューシーな味わいに仕上がっています。
森田先生と鞠山先生は、「鶴野さんのお酒に合う料理」をテーマに、能登のさわら・ふぐ・甘えび(能登とき海老)を主材料とし、それぞれの持ち味を引き出す料理を考案しました。魚介類は、能登の漁師集団「日の出大敷」が手配してくださったものです。能登の食材はいつも扱いが丁寧で、海とともに歩んできた地域の産業の力強さを感じさせます。
「能登とき海老」は、伝統的な"えび篭漁"によって丁寧に水揚げされたもので、大阪へも生きたまま届けていただきました。森田先生も、生きた甘えびを見るのは初めてだったそうで、普段とは異なる処理方法に触れられたことが大きな学びになったと話していました。

能登とき海老を使って、森田先生が考案した料理は3品。甘えびを昆布締めにし、煎り酒のソースで仕上げた一皿。地場の魚醤"いしる"をベースに、にんにくなどの薬味で力強い風味を加えた醤油漬け。そして、鶴野酒造の酒粕を使い、木の芽の爽やかな香りをまとわせた酒粕麹和えです。それぞれが食材の魅力を引き立て、鶴野さんのお酒との相性も抜群の仕上がりとなりました。


鞠山先生が扱ったのは、鰆と河豚。鞠山先生は石川県の出身なので、郷土の味をこっそり忍ばせたそうです。鰆の南蛮漬けは、石川のさつまいも入り。河豚は、こちらも"いしる"に香味を合わせた地につけてから、揚げたてのから揚げを提供。白子は子芋とピュレにして、柚子や紫蘇も取り合わせてさっぱりした春巻きに。

鰆はなんと3㎏オーバー!鞠山先生が持ち上げてもこのサイズ感。



河豚のデモンストレーション
料理についても多くのご講評をいただき、2人にとって非常に学びの多い、貴重な一日となりました。会場では、参加者の皆さまから温かいお声がけやご感想を数多く頂戴し、能登の食材を通じて生まれるつながりの力を改めて実感する時間となりました。
お越しくださった皆さま、そして2人に気さくに声をかけてくださった皆さまに、心より御礼申し上げます。


