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辻調理師専門学校 東京

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一品一品に込められた心配りを学ぶ―「くいしんぼうラボ」、寺院での精進料理体験

東京学芸大学×辻調
製菓応用技術マネジメント学科
製菓衛生師本科
調理師本科
調理応用技術マネジメント学科

2026.10.27


10月上旬、「くいしんぼうラボ」の活動で、東京都小金井市にある寺院を訪問しました。


今回のお目当ては、600年以上の歴史を持つとされる「竹之御所流精進料理」。
参加する在校生のうち、本格的な精進料理をいただくのは初めてという人がほとんどです。
料理を味わうだけでなく、その背景にある文化や、
食べ手を思う心配りに触れる貴重な機会となりました。

◆素材の味を生かし、五感で味わう料理
竹之御所流精進料理は、一般的な寺院や宿坊などで出される精進料理のイメージとは異なり、
一品ずつ調理し、できたてを順に提供するのが特徴です。
料理そのものに出汁をほとんど使わず、食材の持ち味を引き出します。


かぼちゃの煮物や高野豆腐、たたきごぼうなど、丁寧に仕上げられた料理は、
素材の甘みやうまみが感じられる味わい。
南天の葉には「難を転じる」という願いが込められているそうです。
何気なく添えられた一枚の葉にも意味があることを知り、
料理を彩る細部にも目を向ける機会となりました。


蒸した柿を酢味噌でいただく一品など、食材の新たな魅力に出会える料理もありました。
料理には、味だけでなく、見た目や季節を伝える工夫も施されています。


昆布出汁の一口お吸い物。吸い口は青柚子の皮で、青紅葉に見立てたもの。


茄子の田楽は甘みのある白味噌仕立て。皮の紫の色味もきれいに仕上げられています。

◆料理を届ける、その心配り
当日は、料理長の西井香春先生から、料理についてのお話を伺いました。
学生たちは説明に耳を傾け、疑問に思ったことを質問しながら、
普段の調理実習とは異なる視点で料理を見つめます。


参加した学生からは、
「初めて食べたが、肉や魚がなくても満足感のある料理というのが驚きだった」
という感想が聞かれました。
また、一品ずつ提供される料理について、
「食べ手を驚かせるようなコース構成とはまた違い、全てがあたたかく穏やかなおもてなしの心を感じた」
と振り返る学生もいました。


留学生からも、母国で食べた精進料理とは調味や料理の出し方などが異なり、新鮮だったという声がありました。
同じ「精進料理」という言葉でも、文化や伝統によって異なる魅力があることを、実際に味わうことで学びました。

◆食の世界を広げる、教室の外での学び
今回の訪問では、料理そのものに加え、食文化を受け継いできた背景や、
食べる人に向き合う姿勢にも触れることができました。
料理人に求められるのは、調理技術だけではありません。
食材の特徴を知り、季節を表現し、料理を味わう人のことを考える。
そうした一つひとつの積み重ねが、食事の時間を豊かなものにしていきます。


境内の中にある離れのお茶室も特別に見せていただきました。
畳替えしたばかりとのことで、すがすがしい香りが漂っていました。

「くいしんぼうラボ」では、学校の外に出て、
食をさまざまな角度から体験する活動にも取り組んでいます。
今回の精進料理体験も、学生たちが食の奥深さに触れ、
これからの学びにつながる新たな視点を得る機会となりました。

~プロフィール~
辻調理師専門学校 東京 
事務広報グループ/司書
合田 達子

イタリアへの料理留学と現地での勤務、辻調グループフランス校勤務を経て現職。
「辻調東京 図書室」の蔵書管理を担当しています。