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BRAS LE SUQUET (ブラス ル・スーケ)

フランス校 食べ歩き日記

2017.10.26

今回ご紹介するのは、南仏オーブラック地方のナイフで有名なライヨールにあり、ミシュランガイドで三つ星を獲得しているフランスの有名レストランです。
自然から料理を創作するスタイルは多くの料理人に影響を与え、世界中からその料理を求めてお客が集まります。
予約がなかなか取れないこの店は皆さんもご存知の事でしょう。

 


写真右:シェフ Sebastien Bras(セバスチャン・ブラス)氏 左:マダムのヴェロニクさん

Pierre Gagnaire(ピエール・ガルニエ)氏、Michel Guerard(ミッシェル・ゲラール)氏の下で修業をした後、90年代初頭、父Michel Bras(ミッシェル・ブラス)に呼び戻され共に働き、2009年にシェフを譲り受ける。
フランス校の外来講師として授業にも来ていただいており、研修先のレストランの1つでもあります。
先頃2018年版ミシュランへの非掲載を求めたことでも話題になっています。

今回は、レストランでの食事だけでなく、ホテルに宿泊して存分にブラスを満喫してきました。
早めにチェックインを済ませて周りを散歩しました。自然に身を任せただのんびりと歩く。
木々の香り、鳥のなき声、遠くに見える牛の姿。
オーブラックの原風景を感じながらディナーへの楽しみが膨らみます。

部屋は320ユーロのツインベッドのタイプです。シンプルですっきりとしたレイアウトで落ち着いた雰囲気です。
どの部屋からもオーブラックの原風景を見渡すことができます。

メニューは143、175、227ユーロの3コースがあり、今回は227ユーロのコースを選びました。

ガルグイユ
ブラスのスペシャリテであり代名詞ともいえる1皿。30~40種に及ぶ若野菜、ハーブ、野の花がそれぞれ最適な別々の調理を経て1つの皿に盛り込まれてます。
見た目の鮮やかさはもちろんですが、1口ごとそれぞれの素材の味、香りが混ざり合って違う表情を見せます。
季節、日によって盛り込まれる具材は変わるので、訪れる度にまた新しいガルグイユに出会えるでしょう。

テュルボのカルパッチョ
メキシコ産のエストラゴンで風味づけしたテュルボの身の上に、カリフラワー、ジロール、香草類が添えられてます。
さっぱりとした味わいの魚に、ジロールの旨味と香草の香りが良く合います。

鴨のフォアグアのソテー
根セロリのピュレ、リンゴと根セロリの薄切りの軽いピクルス、カルダモン風味の焦がしパンの粉末、洋ナシ風味の甘酸っぱいソース。リンゴの爽やかな酸味でフォアグアも軽く頂けます。

ベトラーブ
ベトラーブは茹でたものとピュレ、ヘーゼルナッツのピュレ、トリュフのヴィネグレット。仕上げに目の前でトリュフを削って振りかけます。ベトラーブの土の香りにトリュフをかぶせるところが凄いですね。

オーブラック牛
牛肉にオゼイユの葉を挟んでロール状にして焼き上げたもの。肉のジュ、豆のピューレ、ブレットのソテー、紫芋のチップスが添えられる。オゼイユの酸味と軽めのジュであっさりとした仕上り。

アリゴ
このあたりの郷土料理で、じゃがいものピュレにチーズがたっぷりと練りこまれたものです。
肉料理と一緒にサービスされます。

こちらもスペシャリテの一つ、クーラン・ショコラです。温かいビスキュイの中には流れるチョコレートソース。
冷たいアイスと一緒にいただきます。今回はビスキュイの中にカボチャのクーラン、下にはコーヒーのクーリ、オート麦のアイスの組み合わせでした。
面白い組み合わせですが、バランスがとても良く美味しく頂きました。

ディナーが終わると11時を回っている位、普段なら急いで帰らなければいけませんが、今回はそのまま宿泊なのでサロンでゆっくりと食後のコーヒー、小菓子をいただきながらのんびりと食事の余韻に浸ります。
そのまま部屋に戻ってお風呂に入ってすぐに就寝。なんとも贅沢です。

翌朝もホテルのまわりを散歩してから、お待ちかねの朝食です。
朝は曇り空でしたが、少しずつ日の光が差し込んできます。


コーヒーや紅茶などの飲み物を注文すると、ブラックベリーのタルティーヌ、チーズと香草入りのパンケーキ、パンの盛り合わせ、コンフィチュール、ヨーグルト、果物、フレッシュジュース等、次々に運ばれてきます。
他にも、チーズ、シャルキュトリー等もあり、全部食べたらランチはいらない位の豪華な内容でした。
ちなみに、朝食はレストランでもそれぞれの部屋でもOKだそうです。

他にはない独創的な料理の数々、その中にある季節の自然の恵み。
やはりブラスは唯一無二のレストランだと感じました。

また、料理だけでなく、滞在しながらオーブラックの季節と自然を感じることができ、より深くブラス氏のお客様に何を提供したいのかという思いが分かったような気がしました。
ミシュランの非掲載についてはどうなるのか、まだわかりませんが、今後も変わることなく特別なお店であり続けることは間違いないでしょう。
3ツ星を返上したとしても、来るために旅行を計画する程の価値のあるレストランです。
ぜひホテルにも宿泊して存分にブラスを堪能してみてはいかがでしょうか。

BRAS LE SUQUET
Route de l'aubrac 12210 Laguiole
+33 (0)5 65 51 18 20
http://www.bras.fr/