La Huchette (ﾗ･ﾕｼｪｯﾄ)

フランス校食べ歩き日記

2024.01.29

今回紹介するレストランはボジョレ地方の北、Mâcon（マコン）というワインで有名な町のそばにあるミシュランガイド一ツ星のホテルレストランLa Huchette（ラ・ユシェット）です。

シェフのディディエ・ゴワフォン氏は、以前はブレス鶏の生産地として有名なブレス地方にあるLa Marelle（ラ・マレル）というお店のオーナーシェフをされており、この店もミシュランガイドで一ツ星を獲得していましたが、新たな挑戦として2019年5月に現在のラ・ユシェットを開業されました。2020年にミシュランガイド一ツ星を獲得されています。

店内のサロンスペースはモダンなデザインでガラス越しに光が入り、心地よい空間を作り出しています。
レストランにはソファーもありクッションが配置されているので、リラックスして食事を楽しめ、可愛らしさのあるテーブルセッティングになっています。

今回はお正月限定メニュー90€、料理に合わせてワインのペアリングコース45€を注文しました。

Quelques "avants - goûts " pour accompagner l'apéritif

4種類のアミューズ・ブーシュ。

【右奥】薫製したスモークサーモンにブレス産のクレーム。
【右手前】香草を練り込んだパイ生地にトンカ豆の香りを移したバターをつけていただきます。サクサクしたパイ生地とトンカ豆のバターは絶品です。
【中央】イカと肝を使用し、黒ごま、白ごま、亜麻の実などを練り込んだタルトレット。口の中でイカの旨味を強く感じました。
【左】熟成肉のタタキと無花果のソースです。仕上げにローズマリーに火をつけてテーブルの上で燻します。熟成肉は噛み締めるごとに旨みが広がり、無花果の甘さと燻された香りとの相性は抜群でした。

Le biscuit de St-Jacques,crème aigre livêche,poire rouge et Daikon,dentelle de Gaudes

ホタテのムースにセリ科のラベージというハーブの香りを移したクリーム、ホタテの肝をベースにしたソース、赤い洋梨と大根のピクルス、トウモロコシの粉で作ったチュイルを添えています。
しっとりで滑らかなムースに、シャキシャキとしたピクルス、サクサクのチュイルで異なる食感に雑味や癖のないソースのハーモニーを楽しめました。

Apremont cuvée Thomas Dom Blard 2022
サヴォア地方のワインで色合いは若干濁りのある黄金色で、柑橘類やフェンネルなどのハーブの香りがしました。甘みのあるホタテとキリッとした酸味のあるワインでメリハリがつけられていました。

Le foie gras laqué à la pulpe de coing, châtaignes en émulsion et en crispy

香ばしくポワレしたフォワ・グラとカリンに栗のエミュルションソース、グリエしたカボチャの種とクルトン。フォワ・グラの焼けた香りや甘酸っぱいカリンの香りになめらかな栗のソースがマッチしていました。

Alsace Riesling 2014 Dom wine Weinbach
アルザス地方のワインで透き通るような色合い。青りんごなどの果実味の香りで、ほんのり甘い味わいやミネラル感があり、最後はすっきりとした酸味でフォワ・グラとの相性はピッタリでした。

La Poularde de notre ami Cyril, le filet roti aux racines d'hiver, la cuisse en tourte, Champignons et choux, jus crémé / truffé

プーラルドとは通常より長めに飼育された雌の肥育鶏、今回はもも肉と胸肉で違う調理法で仕上げられています。

もも肉はファルスにし、シャンピニオンのデュクセル、ちりめんキャベツを敷き詰めてパイ包み焼きに仕上げています。鶏ベースのクリームソースにトリュフを目の前で削って仕上げます。
柔らかく火を通した胸肉にキクイモ、西洋ごぼうのブレゼとチップスを添えます。
パイ包みはジューシーな仕上がりで香り高いトリュフとソースとの相性は抜群でした。
胸肉は柔らかくしっとりとした火通しで、味が染み込んだつけ合わせの根菜類とカリカリとしたチップスがアクセントになっています。
ひとつで胸肉ともも肉の異なる調理法と味わいを楽しめる素晴らしい一品でした。

Vin de France De Roman lrae Cabernet Franc 2021
ロワール地方のワインで濃いめの赤紫色で控えめな渋味と酸味。カシスや木イチゴのような果実味の香りで、旨味の強いプーラルドに負けない組み合わせでした。

Les prémices sucrées autour de la faisselle de Bresse, clémentine, thé Matcha

みかんの皮を器にした抹茶のクリーム・ブリュレ、みかんのピューレ、果汁とアーモンドミルクのソルベ、クミン風味のチュイルを添えています。
抹茶のクレーム・ブリュレは、滑らかで甘すぎず、ほんのりとみかんの香りが移っていて新しい発見でした。ソルベは酸味を効かして甘味とのバランスが取れていて、チュイルのパリパリとした食感があり、最後まで飽きずに食べることができるデセールです。

La gâteau au chocolat et quelques 《 after 》chocolatés

【右奥】トリュフ・シトロン・ショコラブラン
【中央奥】トリュフ・ショコラ
【左奥】柑橘風味のガトー・ショコラ
【手前】サブレ・ローズ・ショコラ
食後にコーヒーと共にいただきました。
すべてのお茶菓子にショコラが共通していますが、どれも違う味わい、風味、食感で、食べるたびに楽しみながらいただけます。私のお気に入りはトリュフ・シトロン・ショコラブランでした。外側のパリッとしたショコラブラン、中の滑らかで甘味のあるガナッシュ、口の中に広がるシトロンの香りがとても印象に残っています。