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RESTAURANT LA PYRAMIDE(レストラン・ラ・ピラミッド)

フランス校 食べ歩き日記

2022.12.05


今回はリヨンから南に30kmほど下りたところにある、ヴィエンヌという町のレストラン「ラ・ピラミッド」をご紹介します。

この土地には1822年にレストランが作られ、それから4人のオーナーが変わりながら現在200周年を迎えています。3代目のオーナーであるフェルナン・ポワン氏の時代にレストランのすぐ近くにある古代ローマ遺跡のピラミッドから現在のラ・ピラミッドの名前が付けられました。


ピラミッド

現在のオーナーシェフであるパトリック・アンリルー氏は1958年生まれの64歳。ブール・カン・ブレスのオーベルジュ・ブレッサンヌや、リヨン近郊のヴォナにあるミシュラン三ツ星のジョルジュ・ブランで研鑽を積まれました。1989年29歳の時に、ポール・ボキューズやピエール・トロワグロの推薦を受けラ・ピラミッドを引き継ぎ、1990年にはミシュラン一つ星を獲得、また1992年には二つ星を獲得し現在までその星を維持し続けています。2009年にはレストラン内に「L'Espace PH3」をオープンされました。

レストラン内は黒を基調にしたシックな雰囲気ですが、黄色をポイントで使いどこか明るい雰囲気も漂わせていました。

メニューの方は3皿構成の175ユーロと4皿構成の195ユーロのもの、そしてアラカルトがありました。今回は4皿構成のメニューをいただきました。


Les becs à sel


人参のヴルーテにクミンと柚子の香り、ベジタブルゼラチンで膜を作りサブレにのっています。口の中に入れると冷やされたピュレが口の中にはじけ、軽い口当たりで食欲をそそります。


小エビの身と黒大根をソースコクテルでタルタルにし、エビの殻で取ったコンソメシートで蓋をしています。くどくなりがちなエビの旨味を黒大根のシャキシャキ感と爽やかさでうまく調和が取れていました。


薄いパン生地をカリっと焼き上げ、中にグリエにした鶏肉をアンチョビ、パルメザンチーズで味付けしたものが詰められています。上にはレタスのジュとニンニクのピュレをのせています。


Amuse

ニンニク風味の泡の下には、パセリの香りをまとったエスカルゴ、ジャガイモのリゾットが敷かれています。


Volaille de Bresse Marbré des blancs et cuisses au foie gras, marmelade de pomme au cidre et poivre timut

ブレス産の鶏のもも肉でフォワグラのテリーヌを巻いて低温調理し、その際に出たジュを表面にかけて固めています。中央にはシードルとティムールベリーと呼ばれるネパールで産出されるグレープフルーツのような香りのする山椒を使ったリンゴのマーマレードがのせられています。もも肉は噛み締めて旨味を感じられるような食感が残されており、絶妙な塩加減・火加減のフォアグラとの食感の比較が楽しく、また油脂をリンゴの爽やかな酸味がきれいにまとまっている一皿です。


Lotte de Bretagne Pochée au bouillon de légumes, mogette en minestrone automnal, écume à la marjolaine fraîche

野菜のブイヨンでポシェされたアンコウの身に薄切りにした豚の背脂の塩漬けがのせてあります。生のマルジョレーヌの香りを付けた野菜のブイヨンの泡の下には、ヴァンデ産の白いんげん豆と秋をイメージした野菜のミネストローネが敷かれていました。最後にサービスの方がマダガスカル胡椒をとても大きな胡椒挽きでサービスしてくれました。野菜の旨味をとても感じる一皿です。


Déclinaison de cauliflower caramélisés aux douces épices d'orient, pâte de citron bio, velouté Dubarry

カリフラワーを様々なスタイルで調理されています。香ばしく焼かれたロティ、しっかり色づくまで炒めた後にコンフィにしてプレスして固めたもの、少量のレモンペースト、軽くカレーの香りを付けたカリフラワーのスープがかけられます。料理が運ばれてきた時にはカリフラワーのとてもよい香りが漂っていました。最後にかけられたカリフラワーのスープは重めながら、レモンペーストの苦みと酸味でバランスが取れています。旬のカリフラワーを楽しめる一皿。


Ris de veau Roti au sautoir et laqué de ses sucs, paccheri farcies aux champignons des sous bois et courge butternuts, jus à l'anciennne

小麦粉をつけてカリっとローストされたリ・ド・ヴォ(子牛の胸腺肉)と、野生の茸のソテーとハシバミの実をパッケリというパスタに詰めたもの、バターナッツカボチャのピュレが盛り付けられています。リ・ド・ヴォを焼くときに出た肉汁をかけながらローストされているため、内臓の香りがしっかりと残っています。シンプルなジュ・ド・ヴォをかけて提供されており、リ・ド・ヴォ本来の味、香りを楽しめる一皿です。


ワゴンチーズ


Marjolaine Chocolat, noisettes et kirsch, hommage à nos 200 ans, lait en èmulsion de praliné

デセールはレストランの200周年記念でフェルナン・ポワン氏時代のデセールのスペシャリテだった、ガトー・マルジョレーヌを再構築したものです。ガトーという形式ではなく、皿盛りタイプのとても軽い口当たりで構成されているデザートですが、味と香りはガトー・マルジョレーヌそのものである素晴らしい一皿です。


手前から順に、ライチのソルベ、中にはピンクグレープフルーツを加熱したものと生のもの。チコリのクリーム、オレンジのジュレ、チョコレートのムース。はちみつのマドレーヌ、オレンジとパッションフルーツのコンポート。リンゴとカモミールを軽い炭酸水で割ったもの。

今回頂いたコース料理はどれも火入れが的確で、味、香り、酸味、油脂の旨味、野菜の旨味などがわかりやすく伝わる料理でした。セルヴィスの皆さんの説明もとても聞き取りやすく、快適な時間を過ごすことができました。

現在200周年を迎えたレストラン、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

Restaurant La Pyramide(ピラミッド)

住所 14 BOULEVARD FERNAND POINT, 38200 Vienne

電話 +33 4 74 53 01 96

pyramide@relaischateaux.com

https://www.lapyramide.com/fr/