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辻調グループ フランス校

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調理外来講習:M. Mathieu BARBET(マチュー・バルベ氏)/Chateau de Codignat (シャトー・ド・コディニャ)

フランス校教壇から

2014.12.12

2014年秋コース生が到着して1か月半が過ぎ、学生の皆さんもだいぶフランス校での生活にも慣れてきました。こちらシェトーエスコフィエでは、本日2回目の外来講講習ですが、今期は今日から3日間外来講習が続きます。

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本日はChâteau de Codignat (シャトー・ド・コディニャ)のシェフである、M,Mathieu BARBET(マチュー・バルベ氏)による料理講習です。このレストランはオーヴェルニュ地方のLezoux(ルズ)にあり、その名(château:お城)の通り、お城の中のレストランです。お城全体がホテルになっているそうですが、なんと12世紀の建物だそうです。歴史的な建物なので、エレベーターは設置できないそうで、ホテルの評価としてはエレベーターがないだけで、15点減点とのこと。ですが、スタッフの努力(サーヴィスの質の向上、ルームサーヴィスの時間帯延長など)で、高得点をマークし5ツ星に輝いています。家族のように仲の良いスタッフが一丸となって成し遂げたと、シェフは誇らしげにおっしゃっていました。素晴らしいことですね。

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バルベシェフの来校は今回が初めてです。実は学生が到着して間もない頃、コアールシェフはM.O.F.(フランス最優秀職人賞)の地方試験の試験監督を務められ、その時に一緒に試験監督をされていたバルベシェフに講習をお願いしたそうです。M.O.F.の試験監督をされたシェフの料理はどのようなものか、とても楽しみにして今日の日を迎えました。

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バルベシェフは、ルズと同じくクレルモン=フェラン近郊にあるDurtol (デュルトル)のBernard Andrieux(ベルナール・アンドリウー)シェフ、南仏Saint Tropez(サン=トロペ)のVilla Belrose(ヴィラ・ベルローズ)のThierry Thiercelin(ティエリ・ティエルスラン)シェフや、シャトー・ド・コディニャの前シェフであるStéphane Dupuy(ステファン・デュピュイ)シェフ(M.O.F.)のもとで研鑽を積み、2009年からシェフを務めています。

今回披露していただいた料理2品

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料理名【TOURNEDOS DE DORADE JUSTE ROTI, MANGE TOUT CROQUANT, COULIS DE POIVRON ET VINAIGRETTE D'HERBES FACON PISTOU】

鯛は皮を取り除き、太めの棒状にし、筒状になるようにラップで何重にも巻いてカットし、多めのオリーブ油でラップごとカットした面を焼き固め火を通す。オリーブ油でエシャロット、にんにくと共に、赤ビーマンを炒め、水を注ぎ紙蓋をして火を通し、ミキサーにかける。付け合わせのにんじんは皮むきピーラーでリボン状にする。渦巻き状のかぶは薄くスライスする。絹サヤは細切りにし、オリーブ油で炒める。それぞれを彩りよく盛り付ける。

鯛などの魚はおろすと身が薄くなるので、ロール状にし、香ばしく、かつしっとり柔らかく食べていただくために、この調理法にしたそうです。ラップフィルムごと焼いたのには驚きましたが、形がきれいに仕上がりました。学生から、「<ロースト>というメニュー名ですが、調理法は<ポワレ>ですね?」と質問があり、「お客様に鯛のポワレより、ローストのほうが美味しそうに感じていただけるから。」と答えて下さいました。

なかなか鋭い質問で、学生は料理人としてだいぶ成長してきたなと感じる瞬間でした。

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料理名【PINTADE FERMIERE FARCIE A LA MOUTARDE DE CHARROUX,

REE DE POMMES DE TERRE AUX NOISETTES ET JUS A LA MOUTARDE】

ホロホロ鳥の胸肉の表面を焼き固め中心温度が59℃になるように、低温のオーブンで火入れし、半分にへいで間にベーコンや生クリーム、ヘーゼルナッツなどで作った詰め物をはさむ。ソースは鶏のジュベースに生クリームと粒マスタードを加え仕上げる。盛り付けはヘーゼルナッツで風味付けしたじゃがいものピューレ、生のマッシュルーム、皮の部分が紫色のにんじんのスライスと盛り合わせました。一口食べて香ばしい風味がずっと口の中に残る風味豊かな1品でした。肉質も低温で火入れしているので、とてもジューシーに仕上がっていました。

今回はコアール先生のM.O.F.審査員仲間のシェフということもあり、いつもコアール先生が教えて下さっている料理理論、器具の使い方、包丁の動かし方など、改めて教えていただき、学生達にとっても分かりやすく、吸収しやすい授業だったようです。バルべシェフからは「学生の皆さんからの質問も多くあり交流がたくさん出来たので、とても有意義な時間を過ごせてありがとう。」という言葉をいただきました。

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バルべシェフを囲んで、アシスタントを務めた安齋泉君(右)と、飯島康雄君(左)