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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Joël CESARI(ジョエル・セザリ氏)/La Chaumière(ラ・ショミエール)

フランス校教壇から

2018.11.21

今回の調理外来講師は、ジョエル・セザリ氏にお越しいただきました。
学校から北東へ車で約2時間、ジュラ地方のドールDoleという街にある、1ツ星レストラン「ラ・ショミエール」のオーナーシェフです。
セザリ氏は、ブルゴーニュ地方の「メゾン・ラムロワーズMaison Lameloise」などで研鑽を積み、2004年に「ラ・ショミエール」のオーナーに就任。2008年のミシュランガイドで1ツ星を獲得されました。
素材の持ち味を最大限に生かした、斬新な発想の料理が注目を集めています。またジュラ地方の特産物を60~70%の割合で使用した料理を提供しているそうで、さらには材料の無駄をいかに出さずに料理を作るかを日々考えながらメニュー作成に臨んでいるとのことです。今回はジュラ地方の伝統的なワインについても講習中にお話ししていただきました。

まずは一品目

Escargots <Bonvalot >, pulpe de topinambours Vinaigrette crumble parmesan, beurre de vin jaune
エシャロットのみじん切りをバターで軽く炒め、「ボンバロ」といわれるジュラ地方特産のエスカルゴを軽くソテします。つけ合わせはトピナンブール(きくいも)のピューレ、そして食感を強調するために塩茹でしたトピナンブールの小さな角切りに、エシャロット、しょうが、にんにくをそれぞれみじん切りにしたものを加え、仕上げにノワゼット油を混ぜ合わせたもの。

もう一つの付け合わせは、すりおろしたパルメザンチーズにバター、小麦粉を混ぜ、薄く伸ばし焼きあげたクランブル。
仕上げにジュラ地方の特産品のワインと生クリームを加熱し、ハンドミキサーで泡状したものを盛り付け、最後にカリッとしたトピナンブールの皮のチップを添えた一品。

また盛りつけてある香草は研究生たちも初めて見る「アステリア」といわれるもので、風味は甘草とアニスの味と香りが交互に味わえる独特な香草でした。

※材料の無駄を出さず、ジュラ地方の特産品を効果的に使われており、シェフによって考え抜かれた料理だと研究生一同、感じた一品でした。

次に二品目

Coquilles St Jacques snackées, pulpe de hareng, pâte de citron
このメニューの特徴は、一品目とは違いジュラ地方の特産品を使わず、あえて他の地域の材料を組み合わせた一品です。

帆立貝の表面をカリッと焼くために、焼く直前にある程度室温に戻してから、熱したテフロンパンで帆立貝の表面を焼き上げ、風味づけにオリーブ油を加えてから、焼きあがったところで塩を軽くふります。従来のとは少し違った調理法でした。

つけ合わせとして、にしんの燻製を裏漉しにかけ、泡立てた生クリームと合わせたピューレを添え、酸味をつけるため「パート ド シトロン」(レモンペースト)を焼き上げた帆立貝の上に少量つけたシンプルな料理でした。

この料理を試食した研究生は味のバランス、食感に関心をもっていました。

講習の終わりには現在研修中の矢野智大君から研究生へ「現場で一緒に働いているスタッフの方とのコミュニケーションが一番大事で、やはり少しでもフランス語を話せるようにした方が良い」とアドバイスがありました。研究生たちもその言葉に頷いて聞いていました。

最後に今回の講習を担当した全員で記念撮影をしました。

写真左から松村 仁嗣君、山本 岳先生、シェフ、矢野 智大君、中川 恭介君、長井 亜茉寧さん