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辻調グループ フランス校

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製菓外来講習 M. Philippe BRUNETON(フィリップ・ブルヌトン氏)/La Maison Bruneton(ラ・メゾン・ブルヌトン)

フランス校教壇から

2018.02.01

今回の製菓外来講習は、
コンフィチュリエConfiturier(ジャム職人)として活躍されている、フィリップ・ブルヌトン氏にお越しいただきました。

ブルヌトン氏は、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方のロンジュLongesにアトリエを構え、これまでにフルーツとハーブ、花、スパイスなどを上手く調和させたコンフィチュールを数多く作られています。
2003年に初めて出場した「サロン・アンテルナショナル・ドゥ・ラ・コンフィズリsalon international de la confiserie」の大会では銅賞に輝き、翌年2004年には「メイユール・コンフィチュリエ・ドゥ・フランスMeilleur Confiturier de France」の大会で見事Meilleur Confiturier de France(フランス最優秀コンフィチュール職人章)を受章されました。

コンフィチュールとはジャムの事で、一般的にはフルーツとたくさんの砂糖とで作られますが、ブルヌトン氏は砂糖の使用量を控えめにし、健康面では糖質を取りすぎない事を目的とされ、糖分を減らすことで使用するフルーツの果実感・香りなどをより強調するように心掛けているそうです。
今回はこちらの2品を作っていただきました。

写真中央:Confiture de Pomme-tatin
(コンフィチュール・ドゥ・ポム・タタン)

リンゴを使ったお菓子「タルトタタン」をご存知の方は多いと思いますが、ひとつのお菓子がビンに詰まったようなコンフィチュールです。
砂糖に漬けた新鮮なリンゴをほろ苦いキャラメル・有塩バター・リンゴのジュースなどでぐつぐつと煮詰めていきます。
爽やかなリンゴの香り・酸味も残されていて、そのままでも食べてしまいたいジャムで、今の季節にぴったりです。

写真両端:Confiture de Framboise Mecker au chocolat noir
(コンフィチュール・ドゥ・フランボワーズ・メケル・オ・ショコラ・ノワール)

こちらはラズベリーとチョコレートのジャムです。
ラズベリーのピューレを、アクを取りながら丁寧に煮詰めていったところにチョコレートを入れて仕上げます。
チョコレートもラズベリーと相性の良いものを探し、少し酸味のきいたチョコレートを使用されています。
主役のラズベリーをチョコレートが引き立てて、心地よい甘酸っぱさが印象的です。

この日はたくさんのジャムを持参していただき、様々な組み合わせのジャムを講習内で試食させていただきました。

今回助手を務めたのは中西将浩くん、上鶴萌子さん。
シェフの指示をしっかり聞いて、材料や器具をきちんと準備して積極的にコミュニケーションをとって助手をしてくれました。

中西くん「今回はガトーではなく、コンフィチュールの授業をしていただきとても新鮮でした。フルーツの使い方、組み合わせ方、ジャムを作るにあたっての衛生面の注意など普段の実習とは違う事を見て、とても勉強になりました。
作業されている最中の器具の扱い、作っている物の状態をしっかりと観察することが大切で、それは普段の実習と通じる部分が多く、基本を大切にしなければいけないと強く思いました。」

上鶴さん「今までコンフィチュールはそれ単体で味わえるものではないと思っていました。しかしシェフのコンフィチュールは今まで食べていたそれらとは全く別物に感じました。
それはシェフが季節の素材にこだわり、糖分を控えてフルーツの香りや鮮度を最大限生かした作り方をされているからだと思いました。
作業では沸いているコンフィチュールの泡の状態や色などをよく観察する事、素材によってその状態も変わることなど、今の私にはまだまだ出来ていない技術がたくさん盛り込まれていました。」

講習後、シェフと助手の二人で記念撮影。

シェフとみんなで記念撮影。

Merci beaucoup ! M. BRUNETON !!