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調理外来講習 M.Julien THOMASSON(ジュリアン・トマソン氏)/Restaurant Les Ambassadeurs(レ・ザンバサドゥール), Château d'Ygrande (シャトー・ディグランド)

フランス校教壇から

2018.11.11

今回の外来講師は、M.Julien THOMASSON(ジュリアン・トマソン氏)です。
2008年からSaint-Chamond(サン=シャモン)という街のホテルレストランRestaurant Les Ambassadeurs(レ・ザンバサドゥール)のオーナーシェフをしていらっしゃいましたが、
2018年11月よりリヨンから約200キロ北東に向かったChâteau d'Ygrande (シャトー・イグランド)のシェフに就任されることが決まりました。
トマソン氏は「ピエール・ガルニエ―ル」「ジャン=ポール・ジュネ」「パトリック・ジョフロワ」などの店で勤務した経験をお持ちです。トマソン氏の料理は、繊細で美しい盛り付けはもちろんのこと、素材の持ち味が十分に引き出されています。また旬の食材を上手く取り入れて作られています。

また、現在トマソン氏のもとで研修中の永畑 樹さんにもお越し頂きました。

1品目
Les St-Jacques bretonnes grillées
Velouté de Potimarron Siphonné à la Muscade, touche d'herbe, marinade de topinambours et Noisette...
ブルターニュ産ホタテのグリエ、ナツメグ風味の栗カボチャのクリーム、ハーブのサラダ、キクイモとヘーゼルナッツのマリネ

皿に栗カボチャのクリームを敷き、ホタテをヘーゼルナッツ油で焼いて、その上にヘーゼルナッツパウダーをまぶし、オーブンで柔らかく火を通します。
真ん中には塩茹でし角切りしたキクイモとローストしたヘーゼルナッツのマリネを置き、
周りにキクイモの皮のフライを散りばめ、仕上げにハーブのサラダが彩りよく盛り付けられています。

2品目
La Poitrine de Canard au Sang rôtie, Chouchoux de Noix de Pécan
copeaux de Celeri/Carotte acidulé, pois chiche mixé
sucs à la Marjolaine et échalote...
窒息鴨胸肉のロティ、ペカンナッツのシュシュ、酸味を付けた根セロリとニンジンのコポ(注1)、ひよこ豆のピュレ、マージョラムとエシャロットのジュ

鴨の胸肉を皮目からじっくりと焼き、オーブンで火を通します。
火が通れば取り出して裏返しておきます。焼き油を少量とっておき、そこにエシャロット、
マージョラムを加え香りを出し、鴨のジュを加えます。
鴨の仕上げとして、皮目にはちみつを塗りオーブンに入れ、全体が温まればキャラメルをうすくまとったペカンナッツをのせます。

お皿にはレモンのペーストを加えたひよこ豆のピュレ、じっくり火を通した姫人参、
オリーブ油で炒めシェリー酒酢で香りを付けた根セロリとニンジンのスライスを巻いて形をつけながら盛り付け、ペカンナッツがのった鴨胸肉を置き、ジュを回しかけ完成です。

トマソン氏は、作業工程を細かく話してくださり、この料理にはほかにこんな材料が合うと思うといった組み合わせを話してくださるなど、研究生達にとって非常に勉強になる解説をしてくださいました。研修生の永畑 樹さんがトマソン氏とフランス語で会話しながら講習が進んでいくさまを見て、半年後の自分たちを重ね合わせ、研究生達のモチベーションも上がったように見えました。

講習のアシスタントを務めたのは、左から中北 若葉さん、研修生の永畑 樹さん、
松本 一真さん、水口 梨菜さんでした。

注1:copeau(コポ) 
 本来、木のくずやチップを意味するフランス語。料理やデザートではうすく切ったものなどにこの表現を用いることがある。