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辻調グループ フランス校

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M. Jacques DECORET(ジャック・デコレ氏) / Maison DECORET(メゾン・デコレ)

フランス校教壇から

2025.02.18

今回の外来講習は、リヨンから車で2時間ほどのオーヴェルニュ地方にあるVichy(ヴィシー)というフランスでも有数の温泉保養地として有名な町にあるミシュランガイド1ツ星レストランMaison DECORET(メゾン・デコレ)のオーナーシェフ、ジャック・デコレ氏にお越しいただきました。
デコレ氏は「La Côte Saint-Jacquesラ・コート・サン=ジャック」、「Troisgrosトロワグロ」、「Arpègeアルページュ」、「Régis MARCONレジス・マルコン」などの有名店で勤務、1996年にM.O.F.を受章。1997年にヴィシーにレストランを開業し、2000年にミシュラン1ツ星を獲得、2008年現店に移転されました。


今回は2品の料理を作っていただきました。

Parfait Foie Gras des Landes, Gel Clémentine corse et courge butternut


1品目は、フォワ・グラを使った冷たい前菜の一品です。
まずはフォワ・グラの中にある太い血管を取り除き、塩、こしょう、砂糖、温めた鴨のコンソメにゼラチンを溶かしたものを一緒にミキサーにかけて、香りづけにヴェルモット酒と白バルサミコ酢を少量加えて漉し、器に流し入れ冷やし固めます。
2つ目にバターナッツをアルミホイルで巻き、オーブンでゆっくりとやわらかくなるまで火を通します。そのやわらかくなったバターナッツの果肉と、ゼラチンを溶かした生クリーム、クレモンティーヌという小型みかんの皮を加えミキサーにかけて漉します。しっかりと冷やし、泡立てた生クリームと混ぜ合わせてバターナッツのムースを作ります。
次にクレモンティーヌのジュレを作ります。鍋にクレモンティーヌのジュース、レモン汁、砂糖、バターを入れて沸かし、アガーを溶かします。クレモンティーヌの皮とレモン風味のオリーブオイルを加えて冷やして完成です。
次に砂糖と水でキャラメルを作り、かぼちゃの種を加えて結晶化させます。粗熱を取った後、少量の水と共にミキサーにかけ、かぼちゃの種のプラリネを作ります。
フォワ・グラのムースを冷やしておいたお皿にかぼちゃの種のプラリネ、クレモンティーヌのジュレを絞り、上からバターナッツのムースをかけます。仕上げに花柄のバターナッツ、かぼちゃの種、レモン風味のオリーブオイル、お花やハーブを飾って完成です。
フォワ・グラの濃厚さとバターナッツの甘さをクレモンティーヌの爽やかな風味がお皿全体を調和させている一皿となっていました。

Bar Ikejimé cuisson nacrée / sauce babeurre Champagne et Choux-fleur Pluriels

2品目はスズキとカリフラワーを使った魚料理です。スズキはフィレにおろし、ゲランドの塩とフヌイユの種で5分間マリネします。

その後、塩を洗い流して水気を切ってラップをし、70℃のオーブンで芯温が42℃になるまで火を通します。その後、表面に青のりを振りかけて切り分けます。

カリフラワーで数種類のパーツを作ります。
1つ目はカリフラワーを極薄切りにしてしっかりと乾燥させてチップにします。2つ目は先程よりもやや厚めにスライスしてフライパンで黄金色になるまで焼いたもの、3つ目はカリフラワーを塩ゆでにし、煮詰めた生クリームと合わせてやわらかくなるまで煮て、水分があまり残らないようにして、ミキサーにかけて硬いピューレを作ります。
ソースはエシャロット、白ワイン酢、シャンパーニュをしっかりと煮詰め、生クリームを加えてさらに軽く煮詰めて漉します。ハンドミキサーにかけながらバターを加えて乳化させ、仕上げに香り付けでシャンパーニュを少量加えて完成です。
お皿にカリフラワーのピューレを絞り、切り分けたスズキ、カリフラワーのソテとチップ、薄切りの黒大根を飾り、仕上げに焦がしバターを少量かけて、別皿にソースを盛りつけます。
スズキのしっとりとやわらかい食感と青のりの香りのアクセント、カリフラワーの穏やかな甘みと様々な食感が楽しい一品でした。


講習終了後にアシスタントを担当した研究生とシェフで揃って記念撮影をしました!