FRANCE

辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M. Philippe MILLE(フィリップ・ミル氏)/Les Crayères(レ・クレイエール)

フランス校教壇から

2020.02.26

今回の外来講師は、シャンパーニュ地方ランスにあるミシュランガイドブック2つ星のレストラン、Les CrayàresのPhilippe MILLEシェフです。
パリの有名レストランを経験し、2009年ボキューズ・ドールのフランス代表として出場、3位を獲得。
2011年にはM.O.F.を受章。
同年、星を返上したLes Crayàresを1つ星へ、翌年2012年に2つ星昇格という快挙を果たしました。
また昨年で9回目となったランスで行われている国際料理コンクール「ミル杯」の主催者として若手料理人育成に携わられています。

今回は一羽の鶏を無駄なくすべて使い、coq au vin(鶏の赤ワイン煮)をミル氏が分解、再構築された4品を作って頂きました。


L'œuf(卵を使った料理)
L'œuf de poule laqué côteau champenois coulis de truffe et ses condiments
マッシュルームを炒めたもの、その上にはビーツと赤ワインのソースをかけた半熟卵。
トリュフのソースと根セロリのピューレが添えられています。
さらに、ソースのまわりに小玉ねぎのフライ、乾燥させたベーコンを砕いたものを添えています。
「Coq au vin」の付け合わせであるマッシュルーム、小玉ねぎ、ベーコンを様々な形へと変えた驚きの一品でした。


「Le filet de volaille(胸肉を使った料理)
L'interprétation d'un coq au vin, Filets de volaille et foie gras taillés au couteau
ささみ肉の滑らかなムースに一晩赤ワインに漬け込んだ胸肉、フォアグラ、マッシュルーム、ベーコンの角切りを加え円錐状に成形し、低温でゆっくりと火を通しています。
鶏のジュを煮詰め血で濃度をつけたソースをかけ、艶やかに仕上げられています。
小玉ねぎは茹でて表面を炙り、中に玉ねぎのピューレ、上にトリュフが飾られています。


「Les abattis de volaille(内蔵を使った料理)
Tartine de farce à gratin aux abattis de volaille jus de roti
焼き上げたバゲットの上に砂ずり、心臓、せせりをコンフィ(油で煮るように火通す)にしたものをのせ、肝とフォアグラのペーストを塗り焼き上げています。
付け合わせに、サラダをブーケの形にしたものを添えています。


「La cuisse de volaille(もも肉の料理)
Tourte de cuisse de volaille Légumes de poule au pot, jus de coq au vin
一晩赤ワインにつけたもも肉をそのまま赤ワインで柔らかくなるまで煮込み、細かくほぐして、根セロリ、人参の薄切りで挟み、パイ生地で包み焼き上げられています。
胸肉を漬け込んだ赤ワインは煮詰めてソースに仕上げられています。

お店ではこの4品が肉料理として合わせて提供されているそうです。
数々のコンクールに出場され、そこで鍛え上げられた料理の発想、テクニックを惜しみなく披露していただきました。


今日のアシスタントと記念写真。