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辻調グループ フランス校

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調理外来講習 M.Jean-Michel LORAIN (ジャン=ミシェル・ロラン氏)/LA COTE SAINT JACQUES(ラ・コート・サン・ジャック)

フランス校教壇から

2018.08.03

今回は、ブルゴーニュの北に位置するJoigny(ジョワニー)の街の二ツ星レストラン「LA COTE SAINT-JACQUES(ラ・コート・サン・ジャック)」のシェフJean-Michel LORAIN(ジャン=ミッシェル・ロラン)氏に授業をしていただきました。

創業の始まりは1945年、祖母のマリー・ロランが設立しました。
パティシエとして働いていたマリー・ロランの息子、ミシェル・ロランがシェフを務め1971年に一つ星、1976年に2つ星を獲得しました。
ミシェル・ロランの息子にあたるジャン=ミシェル・ロランが跡を継ぎますが、ロラン氏自身もまた様々なレストランで研鑽を積んでいます。 ロアンヌのトロワグロ兄弟、パリのタイユヴァンにてクロード・デリーニュ、クリシエのフレディ・ジラルデといった伝説的なシェフの元で修業しました。
その後ラ・コート・サン・ジャックへ戻り、当時最年少の27歳という若さでミシュラン三ツ星を獲得しました。以来、二ツ星以上を保持し続けています。三ツ星の期間は15年にも上る伝説的なレストランです。ロラン氏の料理はブルゴーニュの伝統的な料理を踏襲し、クラシックがベースになっていますが決して古臭くない、ユニークで華やかなフランス料理になっています。
このレストランはフランス校研究生の研修先にもなっています。

食材の仕込みから仕上げまでの工程を細かくわかりやすく説明して頂きました。

今回紹介して頂いた料理は2品です。グルヌイユ(カエル)を使った前菜と鱈を使った魚料理です。どちらの料理も今、レストランで提供されています。

Grenouille petit pois et pois gourmand
グルヌイユはニンニク油でマリネしてからパン粉を付け、香ばしく焼き上げています。その下にはミント風味のグリンピースのピューレを敷き、絹さやとフレッシュのアーモンドを混ぜたサラダを添えています。
泡のソースはグリンピースのさやを塩ゆでにして、ジューサーミキサーにかけて絞り出した液体に、砂糖と乳化剤を入れて泡立てたものです。
Pavé de Cabillaud, Tartare d'huîtres et concombre mariné

鱈は前日に軽く塩をあて、余分な水分を取り除いたものをシンプルにポワレにしています。
その鱈の下には牡蠣のタルタルを敷き、キュウリとオイスターリーフ、赤玉ねぎのピクルスを混ぜ合わせたものを添えています。
ソースはクラシックなバターソースと牡蠣のジュースをベースに作った泡のソースです。

先にも述べたように、どちらの料理もベースはクラシックでありながら、新たに食感やフレッシュ感を与えることで、古臭さを全く感じさえる事のないロラン氏の個性が活きた華やかな料理に仕上がっています。

本日のアシスタントは研究生の田中 隆誠君(左)と岡野 竜也君(右)です。
ロラン氏のフランス語をしっかりと聞き取りながら的確にアシスタントを行ってくれました。

最後にロラン氏を囲んで調理の研究生で集合写真を撮りました。