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【辻調おいしいレシピ・Pick UP! 食材編】第2回 トン打ち(ナスのお話)

辻調おいしいレシピ・Pick UP!

2020.07.15



●本日のレシピ なすの詰め物とトマトのオーブン焼き


夏野菜の季節がやってきました。ナス、トマト...、なにせ1年中入手できるものが多くてそれが当たり前だと思いがちですが、同じ野菜でも時期によって育て方も必要なエネルギー量もまったく異なります。特に夏野菜を冬に育てようと思うと、当然ながらハウスを建て、加温して育てなければなりません。 ちなみにキュウリをハウスで加温して育てるためには、露地栽培の5倍のエネルギーが必要なのだそうです。(ハウス内の暖房など)

さて、実を付けるためには「受粉」という過程が必要なのはご存知の通りです。植物により仕組みは違いますが、ナスやトマトは昆虫などが花粉を運んで受粉し、実が大きく育っていきます。その時植物の中で働いているのが花粉に含まれる「植物ホルモン」(オーキシン)です。(実を成長させるなどの役割がある) しかしながら冬場を中心に昆虫が活動していない時期、ましてやハウスの中では風の力も借りられないため、受粉がうまく行われません。 そうなると、人の力で受粉させるか、全く違う方法を考えなくてはなりません。

そこで「植物ホルモン」です。「ホルモン」と言っても動物の体の調整をしてくれているものではなく、大阪弁の「ホルモン」(焼肉屋さんの...ほうるもん;捨てるもの)でもありません。

ナスの場合、人工的に造られた「植物ホルモン」の液体を花1つずつに付けていくという手間のかかる作業を行っています。これを商品名から一部では「トン打ち」と呼ぶことがあるそうです。
こうすることで、ナスは受粉では無く人が付けた植物ホルモンの働きで実をどんどん成長させていきます。見た目は一緒でも、栽培過程が違うのです。
ということで、これからの季節は虫が運んだ花粉で出来たナスやトマトの出番です。

担当者情報

このコラムの担当者
企画部 藤井嘉人