毎日新聞「美食地質学」第28講 淀川と継体天皇 淀川ウナギ
2025年8月5日(火)刊行の『毎日新聞・夕刊』に、「美食地質学」が掲載されました。
「美食地質学」は、食通のマグマ学者・巽好幸先生(ジオリブ研究所所長)と、辻調理師専門学校の教員が、地質学と美食の関係をテーマに、それにまつわるお料理とお酒を楽しみながら対談をおこない、理解を深めていくという企画です。
第28講のテーマは「淀川と継体天皇 淀川ウナギ」です。
「継体天皇と淀川の関係を、美食地質学的に考えてみましょ」というのが、マグマ学者の巽好幸先生からのお題。今の時期、"とっておきの"淀川の産物といえば、うなぎです。絶品の淀川うなぎをいただきながら、古代史の旅に出かけるという趣向でした。
>毎日新聞「美食地質学」第28講 淀川と継体天皇 淀川ウナギ
https://mainichi.jp/articles/20250805/dde/012/070/004000c(閲覧には会員登録が必要です)
対談は、辻調理師専門学校の日本料理・安場昌子先生が担当しました。
(左)巽先生 (右)安場先生
今回のテーマ食材である「淀川のうなぎ」の手配は、大阪市漁業協同組合さんにご協力いただきました。
ありがとうございます!
生きのいい状態で届きました!
淀川?!そう、大阪の淀川です!淀川の河口域は魚介の宝庫。うなぎ漁もごくふつうに行われています。水質汚染で嫌なイメージがついた時代もありましたが、近年は格段に水がきれいになったことで、また戻ってきてくれたとのこと。紙面では、安場先生による「へぇ~」な解説が読めるので、ぜひご覧ください。
天然の淀川うなぎは、焼くと脂が滴るほどに出てきますが、この脂がまるでくどくない。びっくりです。
気長に何度も返しながらしっかり焼くと、外はサクッ、中はフワッ。
焼いている様子の動画はこちら↓
mainichi_geo28_039.mp4
泡みたいに脂が出てきます。おいしそう~!

うなぎを焼く香ばしい香りと音に、思わず引き寄せられる巽先生。
今回のテーマ食材である淀川うなぎの魅力を存分に楽しめる料理を仕立てました。
手前の前菜プレートは、うなぎの白焼き、"くりから"串の蒲焼き、骨せんべい、旨酢ゼリーを重ねた変わりうざく、サワークリームを塗ったうなぎカナッペです。
右奥は、半助豆腐。うなぎの頭(半助)から引いた滋味深いだし。焼豆腐とおだしを一緒にすすり食べると、胃袋に沁みる。
最後はうなぎの佃煮のお茶漬け。熱いお茶をかけてサラサラっと。
料理は、日本料理の石田充先生が担当しました。
なんと石田先生の家では、毎年のように淀川うなぎを捌いて食べるそう。
淀川うなぎの特徴やその魅力を引き出す食べ方をいろいろと教えてくれました。
天然の淀川うなぎを食べてしまったら、もう普通のうなぎに戻れないとの談。
うなぎと淀川の話と合わせて、大阪の食文化についても語る安場先生。
今回助手をつとめたのは、今井湧貴先生です。
うなぎを開くところから、焼き床での作業まで、すべて担当してくれました。
なお今回のお酒は、堺の利休蔵「千利休」純米吟醸でした。
厳しい夏だからこそ映える、涼しげな趣向でお出ししました。

淀川河口域での海釣りの様子。対岸にはビル群が見えます。(写真、石田先生提供)
このように釣り人も多く集まっているそう。淀川産のブランド力が完全復活する日も近いかもしれませんね!
今回の内容は、毎日新聞のデジタル版でもご覧いただけるので、ぜひお目通しください。
次回の『美食地質学』は、9月2日(火)の毎日新聞夕刊で掲載予定です。お楽しみに。


