和食WEBマガジンWA・TO・BI 日本料理のことば「けんちん」
『あまから手帖』による料理人のための和食専用ウェブマガジン「WA・TO・BI」では、最新の調理技術、大切にされてきた古い仕事、生産者による食材紹介、日本の酒のこと、うつわの知識、雑学など、日本料理にまつわる旬の話題が日々更新されています。
●WA・TO・BI
https://www.watobi.jp/
辻調はそのなかで、「日本料理のことば」を担当し、「へぇ~」と思える語源由来を紹介しています。
2025年2月のテーマは「けんちん」。
けんちん巻きやけんちん煮、けんちん焼き、けんちん汁。「けんちん」が付く料理は数多あります。
野菜たっぷりの料理をイメージする方もいれば、具だくさんの汁物をイメージする人もいるでしょう。
でも、人によって浮かべる料理はさまざまで、どうにもつかみどころがありません。
今回は、不思議なことば「けんちん」について探りました。
●ことばのコラムへのリンク● 日本料理のことば ―けんちん
https://www.watobi.jp/word/7949.html(無料記事)
*****
また、ことばのコラムと合わせて、日本料理の竹本正勝先生が「穴子けんちん蒸し」を紹介しています。
●「穴子けんちん蒸し」へのリンク● ※閲覧には会員登録が必要です
https://www.watobi.jp/word/7934.html
色とりどりの"せん切り野菜"を、"豆腐"生地に加えて"油で炒めて"、卵も加えて優しい色としっとりした食感に。
それを、煮穴子で"巻いて"から"蒸した"一品です。
ちなみに、ダブルクォーテーションの部分は、「けんちん」といわれる料理に見られる特徴なんですよ。
料理写真撮影(上):東谷幸一さん
今回は穴子を使って巻きましたが、汎用性の高い料理なので、他の魚でも色々楽しめるそう。
巻いて揚げる、巻いて蒸す、巻いて煮るなど、江戸時代の人たちも加熱のバリエーションを考案していたようです。
助手は鞠山拓磨先生がつとめてくれました。ありがとうございます!
最後に切り分けたとき切り口に均等に野菜が見えるよう、せん切りは同じ大きさに。
豆腐けんちんの火の入れ方。
決して難しくはないけど、細かなポイントがいくつかあります。
素敵な古伊万里ですね。という話から、器を裏返して見ると、
「富貴長春」は、宋代から金代にかけて流行した、金運祈願信仰のお祝いの言葉だそう。
中国に由来するであろう、けんちんという料理にもぴったりですね!
ことばのコラムと、料理の作り方のコラム。セットでぜひ読んでみてください。